読書感想文151 井上荒野 潤一 | 恥辱とカタルシス

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作家志望、渋谷東子と申します。
よろしくお願いします。

一次選考落ちましたよ!

 

こんにちは、渋谷です。

 

 

小説すばる新人賞の一次選考が発表になりました。1350編余りの応募作があったそうですが、一次突破なりませんでした。……残念!でもま、今はタイミングじゃなかったということなんでしょう。

 

ちぇっ、とは思いましたが深くは考えません。私が作家になるのはもう決定事項なので、それが「今回ではなかった」というだけ。同じペースで先を見て精進していきたいと思います。うん、前向きやな。……で、面白いのだけど。

 

昨日、落選を知る直前にちょっとした臨時収入があったのよ。結構な金額。焼肉なら20回ぐらい食べに行けそうな金額が降ってわいたのは、きっと神様が「凹むなよー!なんかうまいもん食べて元気出せ!」と言ってくれているに違いありません。

 

だから凹まず頑張るぞ。落選作はもう使いまわすことを考えず、エブリスタに上げることにしました。お題は「新世界」。少しずつ見直しながらアップしていきますので、よろしければこちらからどうぞ。

 

で、頭を切り替え本を読んだ話。前回、「切羽へ」が面白かった井上荒野さん。

 

「潤一」という作品を読んでみましたよ。これがなかなか、すっごく、面白かった……!

 

 

 

この作品はつい最近ドラマになったそうです。志尊淳くん主演。2003年の作品です。16年の時を経てのドラマ化。私は知らなくて、島清恋愛文学賞受賞作だから読んだんですけどね。でも、読んでみてそれも納得の作品でした。

 

短編連作なのですが、どのお話にも「潤一」という青年が出てきます。連作はすべて女性が主人公です。色んな女の目から見た「潤一」。こいつがもう、エロくてエロくて仕方がないのです。

 

 

 

30歳の映子は太極拳のインストラクターをしています。とは言え今は産休中。臨月でもうすぐ産まれそうです。そんな映子が職場である太極拳の教室に顔を出し、潤一と出会う。

 

老年の女性ばかりの教室で、潤一は異彩を放っています。臆することなくまっすぐに映子を見つめる潤一。あっという間にふたりはラブホにしけ込んでしまいます。でもそれっきり、姿を見せなくなった潤一。

 

かと思えば、バーテンとして働いてるバーで酔いつぶれた環ちゃん(28)を神社に連れ込んで犯しちゃったり。

 

かと思えば土木作業員として働いてる現場に佇んでた人妻千尋さん(29)の家に転がり込んでセックスに及んだり。

 

香子さん(43)の時には旦那さんの前で香子さんを抱いてお金もらうしねえ。同窓会で会った美雪ちゃん(26)も一夜限りで食っちゃうし。もー困った男なんですよ。すぐにやっちゃうんですよ潤一は。

 

でもこの潤一という男が、ただのエロ男じゃなくてなんとも雰囲気があるんですね。ただそこにいて、黙って見つめられただけなのになんかそういう気になっちゃう。

 

浮世離れしていて、危なっかしくて痛々しい男、潤一。最後は彼の一人称で語られる短編で締め括られます。

 

潤一はなんでこうなのか。彼の頭の中はどうなっているのか。明かされたのちに、また潤一は新たな女をその魅力で虜にして話の幕は降りるのです。

 

 

 

女にもいるよねえ。黙って微笑を浮かべてるだけなのに、やっけにモテる女。「えっ、あの子、また男変えたの?」みたいな。がつがつしてないのになんか知らんけどモテる子。しかも大して美人じゃないんだ。

 

そういうのの、病的な感じが潤一です。良かった。これは扇情的な映像作品になるでしょう……ところで。

 

今、子供の習い事が終わるの待って、市の施設で涼んでるんですが。

 

なんか隣のベンチでひとりでしゃべって爆笑してる女の人がいるー!見た目普通で綺麗な人だから余計怖い((( ;゚Д゚)))

 

……逃げよう。というわけで。

 

またー!