気分が落ちまくってますよー。
こんにちは、渋谷です。
連休に入りましたねー。昨日は松山祭りにも行ってみたりもしましたが、とにかく暑い。ほんとに暑い。死ぬほど暑い。
それが関係しているのか何なのかは分かりませんが、とにかく気分が落ちまくっています。自分でも結構自覚のある不安定女なんですが、本日気分的に地の底を這っています。だからって人に当たったりしないもんだから、周りは私の気分が落ちてることにも気付かないんですが。
ま、あれですわ。盆だもんで親戚付き合いが活発になるのでね。それが嫌で気分が落ちている。理由はすでに分かってるんですがね。
今回は夫方面の付き合いもあって。夫の実家っていうのがすごく変わった家でねー。普段はほとんど付き合いないんだけど、結構根深くマイナスの感情に引っ張られることが過去に色々あったもんで、どうしてもカラっといけない。
まーそんなこと言ったって卒なくこなすのがわたくしです。心の中の葛藤なんて誰にも見せてなんてやりません。そのかわり、これが終わったら一日自由時間を頂こう。夫も子供も放りだして一日一人で出かけてやる。金だって遣いまくってやる。決めた。私にはそうする権利があるはずだ。
今日だってお昼ご飯なんか作んなかったもんねー。夫がラーメン作って娘と食べていた。ちょっとずつ自分を大切にすることが出来始めているようで、とても良いことです。私は誰かの犠牲になって生きて行くのなんてまっぴらごめんです。
さて、言いたい放題書いて、ちょっと気が楽になった。本を読んだ話。貴志祐介さんの「天使の囀り」を読みました。
昔読んだ、篠原千絵さんのサスペンスホラーみたいな風味でしたよ。ちょっとエグイですが、めちゃめちゃ面白かったです!
主人公は早苗ちゃんという精神科医の女医さんです。年齢ははっきりと書かれてないんだけど……三十代半ばって感じでしょうか。美人で聡明。ホスピスで主にエイズの患者さんの終末期をケアすることをお仕事にされています。
この早苗ちゃんの彼氏が作家の高梨さん。昔は人気作家だったのですが、すっかり書けなくなって最近では投資家として財を築いています。そんな彼が紀行文を書く仕事を受けて向かった先がアマゾンの奥地。そこでカメラマンさんや生物学の教授など、総勢5人で取材や研究に没頭していたのですが、ある日道に迷って遭難してしまいます。
お腹を空かせた5人の日本人。彼らはキャンプに迷い込んだウアカリという種類の猿を殺し、肉を焼きむしゃむしゃ食べてしまったのですが……。
「海の闇 月の影」ってマンガが昔あったんですよね。篠原千絵さんの。その中では、古墳で雨宿りかなんかをしてた女子高生たちが、古代のウイルスに感染してしまうんです。
その女子高生たちは大体の子が死んでしまうんですが、ひとりだけ生き残っていたのが流水ちゃんという女の子。この子の身体の中でウイルスは変容を遂げ、優しかった彼女は残酷な性格になり、空に浮き、物をすり抜ける能力を手にしてしまうのです。
しかも彼女の血にはウイルスが含まれていて、血液感染した人間をゾンビ的な奴隷にすることができるんです。流風ちゃんという双子の妹に憧れの先輩をとられてしまった流水ちゃんは、流風ちゃんを殺し、先輩を自分のものにしようと周囲の人間をその毒牙に掛けるのですが……。
……という、とても面白いマンガです。「天は赤い河のほとり」の人です。あれも面白かったですが、私内では篠原さんの作品で一番好きなのは「海の闇 月の影」だなあ。
とにかく、この「海の闇 月の影」を彷彿とさせる「天使の囀り」でした。ウアカリという猿が媒介する線虫に感染した人間が、次々と考えられない方法で自殺を遂げてしまうんですね。サファリパークに行って自ら車を降りてヒョウのご飯になったり。自分の子供をホームから突き落としてついでに自分も電車に飛び込んじゃったり。
早苗ちゃんの彼氏も、躁状態のようになって食欲が暴走し、120キロまで太ったかと思うと睡眠薬を大量に飲んで自殺してしまいました。高梨と共にアマゾンに向かった者たちの謎の死に、早苗ちゃんはその真相を暴くべく動き始めるのです。
うーん、ストーリーをなぞるとただのホラーなんですが、吸引力がすごい作品でした。モチーフがいくつも散りばめられていて、(宗教だったり精神疾患だったりエロゲーだったり寄生虫だったり)それについての考察がものすごく深いんですよ。かなりな時間をかけて綿密な取材を進め、書かれた作品なのだということがよく分かりました。
貴志さんは京大卒なのですが、もともと頭の良い人が専門家に話を聞きまくって調べまくって、それを噛み砕いて説明してくれてるから、こっちがあほでも全然戸惑わない。謎の撒き方と細かな回収の仕方が適切だから、次がどうなるのか気になって仕方ない。「この線虫が日本中にバラまかれたら……」とぞくぞくしながら読みました。荒唐無稽と言えば荒唐無稽な話なんですが、「まあ所詮は、小説だし」と思わせないリアリティがあった。ううむ。これが本当のプロの作品なんですね。
そう言えば、このお話の中にも「憑き物筋」の話が出てきたのよ。人間をおかしくしちゃう原因の一つとして。そうそう、「普通だった人間を突如ホラーな人にしてしまう憑き物」、を私も書きたいのよね。そういう意味で、この作品はすごく勉強になりました。「人がおかしくなっていく様」を如実に見せて頂きました。
というわけで、しばらくは波風を起こさぬよう、心して過ごしたいと思います。にこにこしとこ。にこにこ。それに限るわ。
で、めんどくなったら本に逃避します。読んだらまた書くー。
では、良い連休を!ー