読書感想文139 加門七海 お咒い日和 その解説と実際 | 恥辱とカタルシス

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作家志望、渋谷東子と申します。
よろしくお願いします。

昨日はこうでした。

 

こんにちは、渋谷です。

 
 
 
 
 
美術館ですが、なんか体験型の子供が喜ぶやつでしたね。
 
もうちょい大人っぽいのかなーと思いましたが、まあ子供が喜んでて良かったです。夏休みの子供がわんさか湧いてましたよー。親も見てて楽しかった。やっぱり、小説現代のを投稿し終わったからか、気持ちの余裕が違う。一仕事終わった感覚です。でも、挑戦者にのんびりしている余裕はありません。
 
次のお話に向けて読書読書。今回はちょっと毛色が変わって小説ではありません。加門七海さんの「お咒い日和 その解説と実際」です。この変換がめんどい漢字「お咒い」は「おまじない」と読みます。
 
 
 
次の投稿作は、やっぱりホラー寄りのミステリーにすることにしました。大まかなプロットもできた。ざっくりした登場人物の相関図ができただけですが、これが多いのよー。……今数えた。19人いる。19人……。マジすか。私の力で書き上げることができるんすかね。
 
一族の5世代を書いていくので、まあそれぐらいの人数にはなりますよね。これを、どういう順番で書いていくかだよなあ……。難しい。一応、犯人も世界観も出来上がってはいるんだけど、登場人物の出していく順番によって面白くもつまらなくもなるよね。これはもうちょっと考えます。で、この一族っていうのが所謂「憑き物筋」の設定なので、呪いとか伝承とかをまとめたこの本を読んでみました。
 
「憑き物筋」っていうのが、もうなんに憑かれてるのかは決めてるんだけど、「狗神」なんですね。これは西日本、特に四国の土着の神なんですよ。神……と言っていいのかは微妙ですが。私は出身が高知なのですが、高知は狗神の本場。四国ってキツネがいないから、その代わりの犬。犬を神として崇める……というより、呪いの道具……道具って言うとまた語弊があるんですが、まあそういうものを使役する一族のお話。で、ここでひとつ問題発生。
 
ネットで狗神について調べてたら、既に「狗神」って小説が世に出てるんでやんの。坂東眞砂子大先生の著作。映画化もされております。坂東眞砂子大先生と言えば、我が故郷の誉。高知県出身の小説家であらせられます。家で生まれた子猫を崖の下に放り捨てる恐ろしき大先生でございます。愛猫家の私はあの騒動が巻き起こった時、「大先生の作品なんかもう一生読まない」と心に誓ったものであります。
 
……とはいえ、読んでみなあかんやろな。この方の出身の町と、うちの田舎はもう目と鼻の先なんですよ。だから狗神に目をつけるのも当然や。ついでに、私が狗神をテーマにして小説書いたってなんも悪いはずはない。だって私も高知出身だもーんパクったんじゃないもーん自分で考え付いたんだもーん。
 
ま、まあそういうことで加門七海さん。元はジュニア向けのホラー小説を書いていた方のようです。最近は大人向けの怪談物や、この著作のようなオカルト関係のノンフィクションを出版されることが多いようです。
 
 
 
日本古来の「おまじない」について簡単にまとめた本です。
 
とは言え、内容は濃ゆいよー。使える、と思って書きだした逸話を並べてみます。
 
・子供の健やかな成長を祈って、胎盤を家の敷居の下に埋める
 
・千羽鶴を折る前に願い(呪い)を書いてから折る。立派なまじないになる
 
・「眉唾」の語源である「眉に唾をつける」は狐狸に騙されないようにするため
 
・子供は七歳までは神の使いとされる
 
・ツキがある、というのは何らかのものが「憑いている」ということ
 
・踊りはトランス状態に入るための一手段。祭りで踊るのはそのため
 
・山忌みの日、というのがある。その日に山に入ると戻って来られなくなる
 
……などなどなど。
 
もうっ!めっちゃめちゃ使えるエピソードの数々ではありませんか!
 
間違いなく「参考文献」ってちゃんと明記せなあきませんな、というぐらい、アイデアの宝庫でした。「踊りでトランス状態」のくだりとかねえ……めちゃめちゃ絵になる。地元の怪しいどぶろく飲んで三日三晩踊り狂う祭り、その間に毎年七歳以下の子供がひとり消える……とか。なんやのそれだけでもう短編小説になりそうですね。面白い。こういうのをちりばめて、いやーな空気感のミステリーを書いていきたいと思います。
 
 
 
というわけで、この加門七海さんのノンフィクションは機会があればまた読みたいな。面白かったです。このひと多分、ぎょっとするほど賢い人だと思う。知識の幅もすごいんだけど、それだけじゃなくて読ませる力が半端ない。将棋とかすごい強そう。勝手なイメージですが、とても好感を持ちました。
 
では、プロットに戻る……その前に子にチャーハンを食べさせて昼寝して……あれ? 真面目にやれー!
 
というわけで、またっ。