まさかのインフル……(-_-;)?
こんにちは、渋谷です。
昨日、午後からこんなとこに行ってました。





動物いっぱーい。
子供が動物大好きなので、ねだられて近所の生き物ふれあいなんちゃらみたいな店。
私もここ、好きなんですね。インコ手に載せられるし。ハムちゃん触れるし。カメレオンってなんであんな奇抜な色選択しちゃうんでしょうかねー。全然保護色になってないと思うんですけど。
なんせ入場料がひとり500円。安い。子供とふたりで行ってたんですが、なぜかやつのテンションが低い。そう言えばお昼ご飯も残しがちだったなーと思い、ソフトクリーム食べさせながら額に手をやってみると……激熱。
急いでとって返して熱を測ってみたら9度4分ですよー!びっくりした!9度超えるのなんか久しぶりでめっちゃびっくりした!とりあえず頓服飲ませて今日の学校はお休み。11時から病院の予約とったんだけど……まさか、インフルじゃあんめえな?
なんかうちの県にはまだぽつぽついるらしいんですよねー。もしインフルだったら1週間カンヅメだよ。子供がいるとなかなか小説書けん。ひとりでいられない子なので、買い物にも行けない。図書館も銀行にも行けん。
ま、しょーがないですけどね。しんどいのは子供だし。子供は熱を出すもんだ。でも、インフルじゃなかったらいいなあ。
そんなわけで今日も今日とて読書感想文。加藤元さんの「十号室」を読みました。小説現代長編新人賞の「山姫抄」がとっても面白かった加藤さん。
今回は……んー、やりたいことは分かるのだけど……という感じでした。やっぱり新人賞を獲る作品っていうのは熱がすごいんですね。それを期待して読むと、ちょっと何かが足りないかな、という感じがしてしまいました。
舞台はとあるマンション。マンションとはいっても、戸数8世帯の古い小さなマンションです。4号室と9号室がないので、満室で8戸ですが10号室まであるんです。その10号室に住んでいた森下悠子さんというおばあちゃんが死んだことから話は始まります。
その森下さんの姪っ子、詩乃ちゃんがそこを引き継ぎ遺品の整理をしています。そこで、自分にあてられた手紙が残されていることに気付く。心残りをつづった内容である模様。悠子おばちゃんは生前詩乃ちゃんにとてもよくしてくれました。だからおばちゃんの無念は私がはっきりさせる、と誓って、詩乃ちゃんはこのマンションに引っ越してくるんです。
このマンションには、月に一回持ち回りで自宅を解放して、お茶会を開くという恒例行事があります。めんどくせっ。とうぜんそこはマウンティングや噂話に花が咲くイヤーな場所になります。築30年以上のマンションですから、古参が幅を利かせて新参者が気を遣って、みたいな構図もあります。もちろんみんな大人ですから、表立ってやりあったりすることはほとんどないのですが。
前回読んだ「よるのふくらみ」の商店街もそうですが、狭く濃いコミュニティがそこに出来上がっているんですね。私もマンションに住んでるのでよく分かりますが、もうひとつの村なんだよね。うちは80戸ぐらいの中規模マンション。築年数も古いので、大体どこの誰がどうなってるのかが分かる。あそこは離婚して父ちゃんが出てっただの、子供が仕事辞めて帰って来て一緒に住んでるだの、別に知りたくもないのに耳に入ってくる。
そんな狭いコミュニティのなかで、詩乃ちゃんは消えた一人の少年の行方について探します。悠子おばちゃんが未婚のまま産んだ、息子のたかくん。失踪という扱いになっていますが、悠子おばちゃんは殺人を疑っていたんです。犯人は7戸の住人の中にいる。さあ、たかくんはどこに消え、犯人は一体誰なのか……!
……というお話なのですが。
如何せん、登場人物が多い。
いや、推理もので登場人物が多いのは当然のことなんですが、なんせみんな「住人」なので。サラリーマンのA、刑事のB、記者のC、ホステスのD、てな具合に人物像が別れているんなら頭の中で処理もしやすいんですが、みんな「住人」。しかも、苗字がありふれてる。
藤沢、池上、柴田、中里、山岡。そんな感じの苗字なんです。おばちゃん率高いし。登場人物の整理が最後まで出来ない。何度もページをめくって「あ、この人は例の腹の中で何考えてるか分かんない人か」とか確認しなきゃいけない。まあ、私の頭の方が問題だと言われればそれまでなんですが。
鴻上、とか池之端、とか妙な名字を織り交ぜてくれると、整理がしやすかったんですが。それと、各人のエピソードをもっと掘り下げて書いても良かったんじゃないかと思う。事件に至るまでのそれぞれの視点だったり、その人たちがどうしてそういう考え方の人間になったかっていうのが各章で描かれているんですが、エピソードが薄い。大長編になっちゃいますが、もっとじっくりページを使って書いてもらえたら、もっと読みごたえがあって「……えーと、これ誰?」なんてことにはならなかったんじゃないかと思うんですが……。
お話のつくりとしては、面白いミステリーでした!犯人はうすうす気づいてましたが、そこに至るまでに恋物語や人生について深く考えさせられる逸話が散りばめられていて、「面白い話を書くなー」とうならされました。
とにかく、私があほなだけかも知れませんが、話の本筋に没頭できないぐらいに登場人物がごちゃごちゃしていました。やりたいことは分かるんだけど、やり方がちょっと……うーん、という感じ。どうしても「山姫抄」と比べてしまうのであれー?と思ってしまいますが、面白いか面白くないかといえば確実に面白かったです。やはり加藤元さん、好きです。
他のも読んでみたいと思います。次は「盤上のアルファ」が面白かった塩田武士さん。楽しみだわ。
ではでは、またっ!