あれー?なんだこのよーわからんの……。
こんにちは、渋谷です。
江國香織さんの「号泣する準備はできていた」を読みましたよ。あ、その前にTwitterで窪美澄さんのアカウントを発見した話。
おすすめユーザーに窪美澄さんが出てきたからフォローしてみたんですね。結構な数呟いてらっしゃるんですが、遡ってみるとやっぱり窪さんは窪さん。
「ツイッターやってる意味が分からない……。作品で語ればそれでいいじゃない。取材とか受けるのもイミフ……なんでこの作品を書いたのかって、そんなこと聞かれてもこっちが困るわよ」といったことをとても知的な言葉で書かれていて、ああ、この人はやっぱり私と感覚が似てるなあと思いました。
「でもまあ読者の方とつながる場所がなくなりますから一応アカウントは置いときますけど……積極的には呟きません!」とか言ってね。素晴らしい独自路線。私、こういう自分を持ってる人が好きです。もちろんツイッターを楽しんでる道尾秀介さんなんかもすごくいいと思いますが。
いちいち他人と迎合せず、それをはっきり表明しちゃう窪美澄さんは本当に面白い人です。やっぱりファンです。この先も色々と読みたいと思います。
……で、江國香織さんです。直木賞受賞作の「号泣する準備はできていた」。もう、もう、もう、びっくりするぐらい期待外れ……。
この「号泣する準備はできていた」は短編集で、収録作が
前進、もしくは前進のように思われるもの
じゃこじゃこのビスケット
熱帯夜
煙草配りガール
溝
こまつま
洋一も来られればよかったのにね
住宅街
どこでもない場所
手
号泣する準備はできていた
そこなう
となっております。
かなり短い作品が多数収められています。まあ、直木賞とったんだから面白くって当たり前、と思って読み始めますわね?
だって、芥川賞じゃないんだよ?直木賞。大衆がおもろいおもろいっつって喜ぶのが直木賞でしょう。なのに、この短編集、はっきり言って何にも面白くありません。よく言えば難解。悪く言えば意味不明。どの話にもろくに起承転結がありません。起承転結、の、起承、ぐらいで話が終わる。「だから何なの?」という感想しか出てきません。
「前進、もしくは前進のように思われるもの」は、ある女性が以前海外でホームステイしていた先のおうちの娘さんを、空港に迎えに行くところから話が始まります。あの頃2歳だった娘さんはもう17歳。でも主人公の心は曇っています。夫が飼い猫をどっかにほかってきてしまったんですね。夫の母が飼っていた老猫。もう飼えないっていうんで預かってすぐに捨てちゃった。それで夫婦は険悪になっているんです。
でもまあ夫も悪い人ではないらしいんです。夫のことを愛してもいる主人公。空港についてお嬢さんを迎えると、どうもボーイフレンドらしき青年が同行している。で、「ごめんなさいおばさん。私たちホテルに泊まります。家には自分で電話しますから」
その女の子に向かって、いきなり「夫が昨日猫を捨てたの」と謎の告白をする主人公。それでなんかすっきりして空港を後にする。で、話はおしまい。
……これ、なに?何が言いたいの?まったく意味が分からない。何かの暗喩を駆使してるの?感想、「は?」しかないんですけど。
「溝」も意味わからん。もう離婚するつもりの夫婦が、夫の実家を訪ねます。離婚することは今日は内緒。父、母、妹と共にマージャンを始める夫。妻はそれを見ながら出てくるいい酒を飲みまくります。「あー、この家族嫌い」と思いながら。
なんとなく楽しそうに家族麻雀の時は過ぎていくんですが、時に妹と妻の小競り合いもあったりはします。でもなんだかんだいって和やかに時は過ぎ、夫婦は自分の家に帰る。帰宅途中の車で旦那に突っかかる酔っ払いの妻。家について「あなたに贈り物があるの」って言って、車から妻が出したのは夫のウェットスーツ。実家からくすねてきたらしいんだけど、なんなんだそれ?
「私たちが別れるってことについて、あなた、どう思う?」……いや、どうもこうも。知らんがな。「あなたの家族といると、私の居場所がないような気がするの」……どこの嫁も思うやつやでそれ。「冷蔵庫の掃除をもうずっとしてないことあなた知ってる?」……いや、掃除せえよ。
なんだか……分かりません。私の理解を軽く超えていました。もう、感想としては「は?」しかありませんでした。
そんなわけなんですが、「こまつま」と「そこなう」はまだ理解できたかな。ちゃんと主人公の感情が書かれていたから。主人公の感情がすっ飛ばされてる作品が多くて、想像力が足りない私には理解が出来ませんでした。芸術的……なのかなあ。いや……芸術なのか何なのかもよく分からんなあ。まあエライ先生たちが「これが直木賞ー!」って決めたんだから、分かんない私が悪いんだと思います。でも、本気で分からん。
もう一冊くらいは、江國香織さん読んでみたいと思います。作家さんに対して、相性が合う、合わないは間違いなくあると思うんです。でも、こんなにまで「理解不能」なのは逆に気持ち悪い。一体江國香織さんという人は何が書きたいんだ。言いたいことがまったく伝わってこないから気持ち悪いのです。
「間宮兄弟」辺りがいいかね。謎を解明せねば。というわけで今日も小説書いてきます!
ではまたっ!