読書感想文102 村山由佳 天使の卵 | 恥辱とカタルシス

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作家志望、渋谷東子と申します。
よろしくお願いします。

ああー、林檎ちゃんと櫻井さんサイコーやったあ……。

こんばんは、渋谷です。



昨夜のMステ見ましたか。見ましたか。大トリがあのふたりでしたよ。櫻井さーん!相変わらず美人!

Twitterも沸いてましたねー。BUCK-TICKを知らぬ世代が騒いでおったな……。そうなのよ。櫻井敦司という絶世のおっさんに慄くが良い!

今書いてる話には出てくるおっさんのモデルは分かりやすく櫻井さん。あー、やっぱり好きだわ。魔王のくせに口下手で照れ屋さん。53歳なんだから。あんなに美人なくせにうちの夫と同い年なんだから。

ああ、眼福でした。さて本を読んだ話。「天使の卵」、文学賞の審査員としてお名前を見かける村山由佳さんの、すばる文学賞受賞作です。



「ワンダフル・ワールド」が面白かった村山さん。

私もこないだすばる文学賞に出したんですよねー。受賞作は他に「天龍院亜希子の日記」を読んだ気がしますが、あれもイマイチだったんだよなー。

ぶっちゃけると、この「天使の卵」もちょっと微妙でした。丁寧に描かれた純愛ものだったんですが、エネルギーが足りなかったなあ。

主人公は一本槍歩太くんという浪人生。美大受験に失敗した19歳です。お母さんは小さな居酒屋を経営していて、お父さんは精神病院に入院中です。お父さんの入院はもう10年になり、お母さんは居酒屋のお客さんと恋仲になってしまっています。

そんな彼が電車である女性にひとめぼれするところから話が始まります。儚げで壊れそうな女性、春妃。その春妃がお父さんの担当の精神科医で、歩太くんの彼女のお姉さんだったりするからややこしくなる……。

うーん、ここまででも結構ご都合主義。紆余曲折があってふたりは結ばれますが、最終的に春妃は医療ミスによって死んでしまいます。歩太の子供を妊娠していて、流産しそうになり駆け込んだ病院で投与された薬にアレルギーを起こすんですね。

……さっきまでぴんぴんしてた人を、殺すにはあまりに無理がある展開。最初っから村上さんは春妃を殺して悲恋にしようとして書かれたんでしょうが、ちょっとなあ、これはあまりに無理くりな展開と言わざるを得ない……。



まあ全体的に、少年と青年の間で揺れる歩太くんが、心を壊した父親と自分を重ね合わせることで苦しみ、恋と将来に揺れるようすが瑞々しく描かれた作品でした。面白いか面白くないかって言えば面白かったです。

でもなあ、なんかイマイチ響かない。なんでかと考えてみると、歩太くんがちょーふつーの子なんですね。画家の卵ってあたりは個性かも知れませんが、予想通りの動きしかしない。だから展開も予想の域を超えない。

とても切ない恋愛ものになってはいたのですが。既視感があるんだよねえ。まあ私の好みではなかった、ってだけなんですが。強烈なのが好きだからさ。

という訳で、明日は全国統一小学生テストです。遅れないように、早くねよっ。

おやすみなさいー!