ひゃっくさっつめ!
こんばんは、渋谷です。
とうとう100冊目がやってきましたよ。本を読むと決めた今年。よく読みましたねー。というか、よくこのブログを書き続けたよな。どちらかというとそちらに驚いてます。なぜなら子供の頃は本の虫だったのですね、私。
学校も地域のも図書館に棲み着いているような子供だった。変な家だったので娯楽といえば本ぐらいだったので。だからあの頃の方がよっぽど本は読んでたんですよね。読書感想文を書いて賞状をもらうのが嬉しかった。それがこの年になってまた再現されるとはねえ。人生って分かんないもんですわ。
それで100冊目です。山田詠美さんの「ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー」を読みました。直木賞受賞作。これ、響いた。やっぱり人生って、人間には制御しきれない大きな力が働いているんでしょうなあ……。
この作品は短編集で、収録作が
WHAT`S GOING ON
ME AND MRS. JONES
黒い夜
PRECIOUS PRECIOUS
MAMA USED TO SAY
GROOVE TONIGHT
FEEL THE FIRE
男が女を愛する時
となっております。
全編、黒人男女の恋の物語になっております。セックス8割。シチュエーションは様々。
軍隊所属の旦那様が単身赴任中に若い男の子と関係を持つ人妻。あまりに魅力的な彼女を持ったがばかりに嫉妬に狂い苦しむクラブDJ。亡くなった親友の彼女を愛してしまったばかりに取り乱す青年。魅力的な父親の後妻に恋をしてしまった少年、などなどなど……。
どれもこれも、恋物語としてとても魅力的に成立しているんですね。でも、それはプロが書くお話だから当たり前。すごいのはこの本全体に流れる性のエネルギー。それが陰惨でなく美しく野性的で情緒に溢れている。うう、素晴らしい。これずばり、私が目指すやつなのよ。
はっきり言っちゃうとなんなんですが、私、きっと人よりセックスを重要視しているんですね。自分で書く小説にもよく出てきます。本読んでて、セックスが出てこない話って「これ、ほんとなのかなー」と思っちゃう。創作なんだけど。それぐらいに、セックスって人間の中に根付いているものだと思うんです。「夫しか知りません。この先夫以外の男を知るつもりはありません」とかいう人、「えっ!?」って思っちゃう。そりゃ中にはセックス嫌いで、やらなくて済むなら御の字、って方もいらっしゃるんでしょうが。
やって損するってものでもない。減るもんでもちびるもんでもないし。日本人はあまりにもセックスをタブー視しすぎている。特に女性。これは日本のAVが妙な造りになってるせいなんでしょうねえ。自己満多いよな(ボソっ)。女性が性について意見してはいけない雰囲気が出来上がってるから、あーしてこーして言いにくくなっているという構造的欠陥もあるのかも知れない。それが「やったった」じゃなくて「やられた」に繋がって、女側はいつまでたっても搾取される側でしかなくなってしまう。あかんあかん、女が上になってええんやで?自分からしたいようにやって全然ええんやで?(下品)
まあとにかく私はセックスについて見ないふりする女ではないということです。その私から見て、この作品は性が性以上の情感を持って描かれていた。少年が湧き出る思春期の暴力的な性欲が、切ない恋に昇華していた。ただ「したい、入れたい」だけでなく、その女の子を殴り殺してしまいたくなるほどの愛が湧き出て本人さえもが戸惑う。この激しい熱は、どこから来るのでしょう。ブラザーとシスターの粋で不器用な恋。ええわ、ほんとに、私、この世界に生まれたかった……!
純日本人なご面相なのですが、私の髪はロングのくりくりパーマ頭です。高校は英語(と日本語)に特化したところに行きました。音楽が好き。ゴスペル歌いたい。私、黒人さんが好き。
ご縁があったことはないんですが。白人のクオーターが精一杯。そんな私には響いて響いて仕方なかったこの作品。こらもういかん。山田詠美さんは素敵。「ベッドタイムアイズ」も読まないかん。
今書いている話は、セックスの味を知ってから死にたい女の子のお話。なんとタイムリーな。ただやりたいだけじゃない、セックスと情緒を綺麗に結合させたこの作品を今読めて良かったです。やっぱり私の後ろの人がそのタイミングに合わせた本を選んでくれているとしか思えない。誰かがちゃんと私を応援してくれている。ご先祖様か前世の私か、それは分かりませんが。
まあそんなわけで山田詠美さんに惚れてしまいました。林真理子さん、桜庭一樹さん、田中慎弥さんに並ぶな。他の著作もどんどん読みたいと思います。というわけで100冊祭りは終了!
おやすみなさいー!