こんばんは、渋谷です。
もうすぐ100冊じゃんね。今年に入って読んだ本をカウントしてますが、本日97冊目。
うーん、読んだね。でも、図書館の本の数から考えると0.003%ぐらいでしょうか。世界は本に溢れてる。私が人生で読める本なんて、地球に存在する本のうちの塵芥程度のものなのでしょう。まあ、でも読むけど。
今日は綿矢りささんの「憤死」です。憤死……どういう死に方?怒り狂って頭の血管が切れるとか?腹上死……はちょっと違うか。
激しい題名とは真逆の、白地にピンクの可愛らしい表紙のこの本は短編集で、収録作が
おとな
トイレの懺悔室
憤死
人生ゲーム
となっております。
さて、どれも個性的な短編集だったのですが、表題作の「憤死」と「人生ゲーム」が特に面白かったです。
「憤死」は、子供時代に太ったスネ夫のようだった女の子が成長して自殺未遂をしたので、かつて子分扱いされていた幼馴染の女性が興味半分でお見舞いに行くところからお話が始まります。
太ったスネ夫ってね……。おうちがお金持ちで自己顕示欲が強い、いやーな女です。子供の頃から自慢、自慢、自慢。嫌いだとは思いつつ同じ底辺同士なんとなくスネ夫と絡んでいた主人公。大人になって、疎遠になっていたスネ夫が自殺未遂!これはぜひお見舞いにいかなくちゃ……!
女ならではの感覚なのかも知れませんね。マウントとられてた相手の没落。おもろいわなー。スネ夫は長く不倫してた相手にフラレて「憤死」しかけたのです。「憤死」。主人公が「憤死」に関して考察する場面は笑ったわー。なかなかのブラックユーモアでした。
ですが、綿矢さんらしいユーモアいっぱいの「憤死」のあとの「人生ゲーム」はちょっとしたホラー。子供の頃に遊んだ人生ゲーム、そのマス目に書いていたことが、現実に起きたとしたら……。
「人身事故を起こして財産が半分になる」
「会社が潰れて無一文」
主人公が親友ふたりとともに広げた、中古の人生ゲーム。そこで親友ふたりは、それぞれ上記のコマに止まってしまいます。
途中でやめた人生ゲーム。少年たちは成長し、やがて親友ふたりはあの人生ゲームに書いてあった通りの転落を味わい自殺してしまいます。
さあ、主人公はどうなってしまうのか。ちょっとしたホラーですね。「世にも奇妙な物語」的な。面白かった。綿矢さん、こういう風味のものも書かれるんですね。
時間が遅くなったので、今日は簡単に。綿矢さん、ハズレがないな。文体が読みやすいのでストレスもないし。感覚が近いのか、「……はあ?」もない。面白い。まだまだ読み続けます。
ではでは、もう寝なくちゃ。つぎは98冊目で。
お休みなさいー!