● カルトのことば なぜ人は魅了され、狂信してしまうのかを読んだ
プロ14年目の最新の認知科学に基づく気功とコーチングと、10年後も使えるビジネスの実務とアカデミアを超具体的ステップでマスターするなかだ塾を主催していて、
年間100~200冊以上の書籍を読む生活を10年以上続けている、中田です。
先日は要望を頂いたので、「なかだ塾ワークス 大周天編」でした^^
水曜日も「なかだ塾ワークス 大周天編」です。「各種セッション」など続いていきます!
だいぶ前に読んだ書籍がたまっているので、書評的な記事を書いておこうと思います!
カルトのことば なぜ人は魅了され、狂信してしまうのか
「カルトのことば なぜ人は魅了され、狂信してしまうのか」を読んだ。著者はニューヨーク大学で言語学の学位を取得した言語を研究している作家アマンダ・モンテルです。
なぜカルトはこれほど人を惹きつけ、その人生に影響を及ぼすのか?
著者はカルトの定義が学術的にも難しいため、カルトとカルト的集団を区別して書いていますが、カルトやカルト的集団が人を虜にする究極のツールは、実は「言語」なのだそうです。
ちなみに、認知科学者苫米地英人博士のカルトの定義は、社会との乖離ぐあいとか、説明をしないのがカルトと、何かの本で書かれていた気がします。
そう語る著者は、新興宗教、マルチ商法、フィットネスジム、ソーシャルメディアのカリスマなど、様々なカルト的コミュニティの言語を調査し、彼らの操る言葉とその機能を暴いていきます。
ガイアナ人民寺院やサイエントロジーのような定番から、クロスフィットやソウルサイクル、ホットヨガ、コアパワーヨガなどの意識高い系フィットネス、近年のYouTuber、SNSカリスマインフルエンサーまで対象に上がっているのは面白いと感じました。
カルト的コミュニティの問題点とは?
書籍内では、カルト的コミュニティで、やがて無一文になり、友人を失い、PTSDに苦しんだ人の例。
友人を切らせて、コミュニティメンバーだけと仲良くさせるとかも良くあるカルト的コミュニティの手法っすね。
うちでは、気功を始めて友人がいなくなったという例はないのですが、スピ系や他の気功コミュニティで友人を切らせるところには注意が必要です。
うちの昔のメンバーさんが、とあるスピコミュニティに入ったら、たくさんいた友人がほとんどいなくなっていました。笑 「ほら~」って思いましたが、目が悪いとしょうがないですね。
もちろん、コンフォートゾーンが変わって、自然と疎遠になるパターンならば話は別です。ただ、上記のスピ系だと「カルトのことば」によって、疎遠になってしまうのです。
痛めたハムストリングと共依存関係にあるセックスフレンド、そして法外な値段のレギンスの山だけだったという例が冒頭で出てきます。
コミュニティと仲間意識を生み出し、メンバーである私たちとメンバーでない他の人たちをはっきり区別し、コミュニティの価値観に人々を従わせ、怪しげな振る舞いを正当化し、イデオロギーを植え付け、恐怖心を煽るという手法が取られています。
ホットヨガ創始者による「カルトのことば」とは?
個人的には、ヨガ関連は、米国ほどではありませんが、日本でもちょくちょく「カルト的コミュニティ」を見かけるので、めちゃ面白かったです。
例えば、「そこでしか通じない独自の言葉使い」「含みのある言葉」、「自分達とそれ以外のひとを区別する言い回し」、「思考停止をさせる決まり文句」、「言葉による暴力(の後に甘い囁き)」など悪評高いホットヨガのグルであるビクラム・チョードリーの発言は衝撃でした。
・ビクラム・チョードリーwikiより
★カルトのことば
・そこでしか通じない独自の言葉使い
・含みのある言葉
・自分達とそれ以外のひとを区別する言い回し
・思考停止をさせる決まり文句
・言葉による暴力(の後に甘い囁き)
チョードリーは、2016年に性暴力で米国を逃亡する前の全盛期2006年までには全世界で1650のスタジオを持っていました。
良く知られた教師トレーニングでは、ホットヨガのためにうだるような暑さのホールに500人を超えるビクラム・ヨガのインストラクター志願者が詰めかけチョードリーの説教に耳を傾けました。チョードリーは見上げるほど高い玉座の上に陣取り権力欲を隠そうともせずに大声でコール&レスポンスを繰り返し続けました。
とはいえ、、、チョードリーの上だけ個人用のエアコンがあるのですが、、、。草
チョードリーが「それがマイウェイ、つまり・・・」と叫べば、参加者全員が声を揃えて「ハイウェイ!」と叫ぶ。
チョードリーが人々をビッチなどと誹謗中傷したあとには、必ず愛情攻勢の魅力的な言葉が並んでいきます。参加者はその間ずっと、猛烈な暑さの中、身体を捻じ曲げて極限に近いポーズを取り続けます。
繰り返しになりますが、チョードリーにはエアコンが装備されていました。草
「確証バイアス」によってチョードリーの見え透いた嘘や大言壮語(一度も参加したことのないヨガの競技で勝ったという自慢、あなたが出会った中で私は一番賢い、私は一か月に30時間も眠らない)を耳にしても、困惑することもなく、純真だと捉えてしまいます。
「サンクコストの誤り」によって、一度だけトレーニングに参加すれば、自分のキャリアが確立されると考えてしまいます。
カルトのことばの共通点は、いかに人々の「批判的思考(クリティカルシンキング)」を奪うか
著者の研究による「カルトのことば」の共通点は、
1,思考を停止させる決まり文句
2,回りくどい湾曲表現
で、これらを使って、いかに人々の「批判的思考を奪うのか?」に尽きるそうです。
例えば、コアパワーヨガやスピリチュアル界隈で良く聞く「カルマの解消」は、感情のこもった湾曲表現と、思考停止させる決まり文句を一つにまとめた用語です。
ヒンドゥー教では、もともとは見返りを求めずに無私の奉仕を貫いて生きることでカルマを解消することを指しますが、コアパワーヨガのカルマの解消は、教師たちが互いに代理で暮らすを受け持つこと、スタジオ外で義務付けられた仕事をすべて無償で強制するために使われます。
不当な経営方針に疑問を感じる者がいても、コアパワーはただ「カルマ」だと指摘するだけで、その主張を抑え込むことができるのです。
言葉の定義を変えて使ったり、そこでしか意味が伝わらない言葉が多いところには、注意が必要です。
というと、学術の世界は専門用語ばかりで社会からは乖離しているしカルトなのか?カルト的集団なのか?とかなっていくので、定義が難しいっすね。
カルト的コミュニティでも、やがて無一文になり、友人を失い、PTSDに苦しんだり、痛めたハムストリングと共依存関係にあるセックスフレンド、そして法外な値段のレギンスの山だけだったなどにならなければいいと思います。
全財産を失うことが徳が高いといいつつ、幹部は豪邸に住んでいる信仰宗教もありますから。
信仰の自由はありますからね。
とはいえ、、カルト的集団で、批判的思考を失った結果、10年で3000万円以上お金を使って所持金が1万円以下で放り出されたというヤバイ場所の話も聞くのでお気を付けを。
最近衝撃だった、ユダヤ教超正統派ハシディックの生活
信仰と言えば、最近衝撃だったのは、ユダヤ教の超正統派(ハシディック)です。
伝統的な宗教ユダヤ教でも、超正統派(ハシディック)、正統派、保守派、改革派など何百の宗派に分かれています。
613の戒律を持つ超正統派ハシディックになると、もみあげは切ってはいけない。電子機器もガラケーのみ。聖書にあるように「子ヤギをその母の乳で煮てはならない」という規定から食べ合わせにも規定があります。
聖書;子ヤギをその母の乳で煮てはならない
同じ料理に肉と乳製品を一緒に使ってはならない。もし肉を食べた場合は6時間以内に乳製品を食べてならないなどです。
その他おもろかったところ 量子的ことば 数量詞と装飾語の欠け
他にも、ニューエイジ界のグルが「量子」的な言葉を使っていたら、物理学の方程式を渡してみて、解けなければ去ればいいと説きます。笑
怪しければ、ファクトチェックもすればいいと。
他にも他にも、「私たちは誰もが子供のころからのトラウマを抱えているからこれこれのことが必要だ」とか、グルのメッセージに単純な数量詞と装飾語が欠けているなら、実際に人々を助けることよりも、できるだけ多くの信奉者を説得して自分達の予言の才能に投資させることに興味がある証拠であるということも面白かったです。
うちでいう、コミュニティと宗教の違いとは?
うちの定義する、コミュニティと宗教は構造は似ていますが、本質は違います。
コミュニティと宗教の違いは何でしょうか?
何度かブログで書いているのですが、よくわからんって人はまた聞いてください!!!
批判的思考(クリティカルシンキング)を失った人の末路から学べること
書籍内では、やがて無一文になり、友人を失い、PTSDに苦しんだ人の例。
一方、もうひとりに残されたのは痛めたハムストリングと、今日依存関係にあるセックスフレンド、そして法外な値段のレギンスの山だけだったという例が冒頭で出てきます。
コミュニティと仲間意識を生み出し、メンバーである私たちとメンバーでない他の人たちをはっきり区別し、コミュニティの価値観に人々を従わせ、怪しげな振る舞いを正当化し、イデオロギーを植え付け、恐怖心を煽るという手法が取られています。
ドラッグ、セックス、丸刈り頭、人里離れた場所での共同生活もほとんど関係ないのです。
グルの言うことは絶対となってしまい、10年で3000万円以上お金を使って所持金が1万円以下で放り出されたというヤバイ場所の話も聞きます。
なかだ塾情報空間ポテンシャルエネルギー上昇マスタークラス(仮)では、批判的思考(クリティカルシンキング)を醸成していきますから、まったくの逆方向ではありますね。批判的思考は、毎年どの年間講座でも解説はしています。
研究論文やその要約を読むときに、クリティカルシンキングを用いる必要があることは世界中どこでも同じです。とくに、行動科学、社会科学、健康科学、医学、教育といった領域ではその必要があります。専門学術雑誌の中の重要な成果が、しばしばメディアによって(ときに不正確に)要約されつたえられます。その情報は世界中の何百万人の人々の行動や健康に影響します。残念ながら、人びともメディアも研究を評価することはできないので、彼らは新たに示された「事実」を、そのまま頭から信じざるを得ません。しかし、彼らが信じるようになった結果は、たいていの場合さらに新たな研究にとって代わられます。これが科学の営みなのですが、クリティカルな評価を自分で行う準備ができていない人にとって、これは当惑させられ混乱させられることです。したがって、私は以下のことを強調しなければなりません。つまり、論文をクリティカルに知的に読めるようになるためには、また何を信じるかを情報に基づいて自分で判断できるようになるためには、研究デザインを十分に理解できなければならないということです。ジュリアン・メルツォフph.D クリティカルシンキング研究論文編
もちろん、「カルトのことば」は強力であって、マーケティング的に使わなければならないことがあることがあるのですが、うちはかなり少ないと思いますが、、、。
カルトのことばばかりのYouTuberさんはやっぱり人気ですしねー。
塩梅の難しさにはいつも悩みますネ。
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