「この世が空(幻想)であることは何となく分かってきたけれど、死後の無力感というか、自己喪失感が出てきてどうしたらいいか悩んでいる」というお悩み相談を頂きました。
無力感や自己喪失感を埋めたいと相談内容を翻訳するならば、「空の一部を体感したけれど、そこからどうしたらいいのでしょうか。」となるのではないでしょうか。
ブッタの大乗を参考にされてもいいと思いますし、ブッタの道を選ばなくてもいいと思います。悟って終わりはただの馬鹿と言われますが、どちらを選ぶかは自分の意志で決めてみてください!
以下、参考になれば幸いです^^
目の前の宇宙に機能を果たすということですが、より多くの人の役に立てることをすれば良いと考えています。そうすれば、死の瞬間の無力感や自己喪失感はなくなるのではないでしょうか。
脳が壊れていく死の瞬間の永遠にも思える走馬灯の中で、例えば、「幸せだった」とか、「最高の人生だったと伝えてくれ。(ウィトゲンシュタイン)」と言えないならば、何かが可笑しいのではないか?と「なかだ」は考えています。
例えば、コンビニのバイトでは満足はできないでしょう。
コンビニのバイトだって立派な仕事で社会の歯車として必要な仕事ですが、こういった悩みがあるということはより多くの人の役に立ちたいと考えているのではないでしょうか。
また、先人の意見も聞いてみましょう。
1万円札でも有名な福沢諭吉の「学問のすすめ」現代語訳p125「現在はまさにチャンス」から引用します。現在はまさにチャンスっていいですね。
「苫米地英人宇宙を語る」を思い出せば、「目の前の宇宙に機能を果たすチャンスは今しかありません」を思い出します。
以上の論のように、むかしから能力のある人間には、心身を労して世の中のために事をなす者が少なくなかった。いまこうした人物の心中を想像するに、彼らが衣食住が豊かなこと程度で満足する者には到底思えない。社会的な義務を重んじて、高い理想を持っていただろう。
いまの学生は、これらの人物より文明の遺産を受けて、まさしく進歩の最前線にいるのだから、いまわれわれが古人を尊敬するように、そのときの人たちがわれわれの恩恵を感謝するようになっていなくてはならない。
要するに、われわれの仕事というのは、今日この世の中にいて、われわれの生きた証を残して、これを長く後世の子孫に伝えることにある。これは重大な任務である。どうして、数冊の教科書を読み、商人となり職人となり、小役人となり、年に数百程度の金を得て、わずかに妻子を養って満足していられようか。これでは、ただ他人を害さないということだけだ。他人にプラスになるような者ではない。
「われわれの仕事というのは、今日この世の中にいて、われわれの生きた証を残して、これを長く後世の子孫に伝えることにある。これは重大な任務である。」とまで学問のすすめでは書かれています。
そして、「ただ他人を害さないということだけだ。他人にプラスになるような者ではない。」という否定系で真理を表しているところも面白いです。
否定でしか真理を語れないという手法は仏教を思い出しますね。
ということは、どういう者を福沢諭吉は理想としていたのでしょうか。
また、こちらは現代語訳でしたので、岩波文庫版からも読んでみましょう!!
やはり著者情報場へのリーディングは原典に限ります!!
右所論の如く、古の時代より有力の人物、心身を労して世のために事をなす者少なからず。今この人物の心事を想うに、豈(あに)衣食住の𩜙(ゆたか)なるをもって自ら足れりとする者ならんや。人間交際の義務を重んじて、その志すところ蓋(けだ)し高遠に在るなり。今の学者はこの人物より文明の遺物を受けて、正しく進歩の先鋒に立ちたるものなれば、その進むところに極度あるべからず。
今より数十の星霜を経て後の文明の世に至れば、また後人をして我輩の徳沢を仰ぐこと、今我輩が古人を崇むが如くならしめざるべからず。概してこれを言えば、我輩の職務は、今日この世に居り我輩の生々したる痕跡を遺して、遠くこれを後世子孫に伝うるの一事に在り。その任また重しと言うべし。豈ただ数巻の学校本を読み、商となり工となり、小史となり、年に数百の金を得て僅かに妻子を養いもって自ら満足すべけんや。こはただ他人を害せざるのみ、他人を益する者に非ず。
【参考書籍】
学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)/筑摩書房

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・現代語訳を読んでからロゼッタストーン方式に岩波版を読むと楽しいと思います!!!
学問のすゝめ (岩波文庫)/岩波書店

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