
閑谷学校講堂内部
額「克明徳」は五代藩主 池田治政の書。(よくとくをあきらかにす)
儒学の教本「大学」のなかの綱領「康誥曰克明徳」からとっている。

論語 里仁第四
【原文】
子曰徳不孤必有鄰。
zǐyuē débùgūbìyŏulín
【読み下し文】
子曰く、徳は孤ならず、必ず隣有り。
【語句意味】
徳(とく)・・・道をさとった立派な行為、善い行いをする性情、身についた品性
孤(こ)・・・だた一人であること、同類のもんおがないこと、ひとりぼっち
【東郭解譯】
孔子は仰った、徳というものは孤独ではありません。かならず隣人がいたり
現れたりします。だから自分の道を信念を持って進むことです。
同じ論語里仁に「子曰君子懷徳小人懷土君子懷刑小人懷惠」があって、君子徳を
懐(おも)えば、小人(民)は土を懐う。君子刑を懐えば、小人は恵(けい)を思うと
あります。恵は、損得のことですが、徳とは実体のないもので判りにくいです。
「徳」の熟語で、道徳、人徳、徳目、徳政、公徳、学徳、報徳などありますが、なんか心の
豊かな品性のいゝ意味のようです。
徳と云う字は周防の国徳山藩や周南市が元徳山市であったので、幼いころから親しんできま
した。昔の徳は一の字がある德と云う字を使いました。
この德はぎょうにんべん+直+心の形声文字で素直な心ある行いという意味です。
難しく考えなくても德とは、人格を高める目標に一つであり、素直な心で人に接したり、
修業を積めばいゝのだと思います。
《2016.2.22 周南市 東郭》