蔡邕(さいよう)のカワセミとは? | 周南市 東郭の世界

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蔡邕(さいよう)は、西暦133年~192年の人で字伯喈といゝ、今の河南省開封市の生まれで
 
す。東漢时期の著名な文学家、書道家,政治家、儒者で著名才女蔡文姫の父。“蔡中郎”と云
 
われています。主君は、桓帝、霊帝、董卓でありました。後漢から三国時代に入る時代で
 
あり、日本史では「卑弥呼」が登場する時代であります。その時代に蔡邕(さいよう)は、
 
「翠鳥詩」を詠っています。現代の周南市西光寺川のカワセミ写真と合わせて鑑賞して
 
みたいと思います。
 
                          《2015.4.7 周南市 東郭》
 
 

イメージ 1  翠鳥詩  蔡邕

庭陬有若榴。ていすうにじゃくりあり

綠葉含丹榮。りょくようにたんえいをふくむ
翠鳥時來集。かわせみときにきたりてつどい
振翼修形容。つばさをふりてけいようをおさむ
回顧生碧色。かいこすればへきしょくをしょうじ

動搖揚縹青。どうようすればひょうせいをあおぐ
虞人機。さいわいにもぐじんのきをだっして
得親君子庭。くんしていにしたしむをえたり
馴心托君素。こころをならしてくんそにたくし
雌雄保百齡。しゆうひゃくれいをたもたん

 
 
イメージ 2翠鳥・・・かわせみ
庭陬・・・庭の隅
若榴・・・ざくろ
丹榮・・・紅花
形容・・・姿・形
碧色・・・青緑色
縹青・・・縹(はなだ)色で明るい薄青色
虞人・・・宮廷の庭管理吏
機・・・・弩(いしゆみ)の石を発射するしかけ
馴心・・・慣れ従う心、安心
君素・・・君主の真心
百齡・・・百歳、長寿
 
 
 

イメージ 3庭の隅(すみ)に石榴(ざくろ)の木があり、
緑の木の葉の中に赤い花を咲かせている。
カワセミが、時々飛んできて集まって、
翼(つばさ)を振り、姿を整え清めている。
ふりかえると、水面の波にあおみどり色が生じ、
池の水が揺れ動いて、はなだ色になっている。
幸いにも虞人の矢に狙われる危うさから脱して、
君子の庭に親しく居ることが出来た。
心安らぎ、君主の真心に任せて、
カワセミの夫婦のように百歳の長寿を保とう

 
 
 

イメージ 4翠鸟诗

庭陬有若榴。tíng zōu yǒu ruò liú

绿叶含lǜ yè hán dān róng

鸟时cuì niǎo shí lái jí  

振翼修形容。zhèn yì xiū xíng róng

生碧色。 huí gù shēng bì sè

动摇扬缥青。 dòng yáo yángpiǎo qīng

幸脱虞人机。xìng tuō yú rén jī

君子庭。 dé qīn jūn zǐ tíng

心托君素。 xùn xīn tuō jūn sù

雌雄保百cí xióng bǎo bǎi líng

 
 
 
イメージ 5【東郭感想】
 
はじめの4行はカワセミがやって来て寛いでいる
 
情景です。翠鳥は蔡邕の事といわれています。
 
そして、庭は国であり若榴は君主です。
 
この君主の統治する国土は、緑と赤い花に囲まれ
 
た稔り豊かで安心して過ごせる極楽です。
 
その表現は、心を落ち着かせる安心色の青緑色でカワセミの色であります。
 
いゝ治世の素で暮らす事が出来ると安堵感から長生きしようという希望が生まれて来ます。
 
今から、1800年前に作られた詩と云う事を考えれば、充分興味ある作品だと言わざるを
 
得ません。