はからずも国際交流
留学生(300名)は最初の分班試験で中国語能力に応じたクラス分けが行われる。
そこで一週間くらい授業を受けた後、換班テストを受けて合格すれば、さらに
上級のクラスで授業をうける事が出来る。自分の実力が負担になれば下級の
クラスに替わることもできる。
私は、最初に中国語中級クラスに分班され、授業内容が自分の実力に照らして
ちょうど良いと感じたので、換班しなかった。そうして、決まったのが今のクラスで
ある。一つのクラスは15名程。
3か月近く、毎日顔を会わしているので、同じクラスの人達は自然と仲良くなる。
誰からともなく、先生を交えて食事会をしようとすることになった。
多数の韓国の大学交換留学生が、音頭をとり、 四川料理店の手はずを
整えてくれた。大きな個室で食事のテーブルのほか応接セットも揃っている。
参加者は、六カ国から集まった優秀な交換大学生である。(わたしも?・・・)
先生も二名参加して、異文化の交流がはじまった。
辛い四川料理もそれぞれ注文しみんなに回す。料理名の内容が判らないので
先生が、メニューを一つずつ説明してくれる。
宴会の席の取り方など中国礼儀も丁寧に教えてくれる。
わたしのリクエストで、ビールも出された。
乾杯のあとは、延々、それぞれのお国自慢がはじまった。
カラオケの話やアニメの話、スポーツの話、映画の話、車の話、自分の経歴など
話題はつきない。先生がうまいタイミングで話を振ってくれる。
若い学生ばかりで、話についていけるか心配していたが、どの話題も日本が
リードしているので、十分話題を提供、展開できた。
日本という国は本当に有り難い、ここでそれを感じるとは思いも寄らなかった。
会話は中国語を使うが、私はうまく説明できない分、英単語も動員せざるを
得ない。
それで韓国人もオーストラリア人もロシア人も越南人もコロンビア人も中国人も
解かってくれ、話が通じる。
私ばかりではない、同席の七カ国人みんなそうだった。
中国人の先生も話が通じないときは英語を使う、この席では話がはやいのだ。
考えてみれば、二度と出会えない不思議で興奮して愉快な場面であった。
わたしも、コミニュケーションの取り方が上達したのであろうか?
「あっ」という間に、二時間すぎてみんなで写真を取って、一緒に歩いて大学の
宿舎に帰った。
料理は、辛かったのは、覚えているが、味は覚えていない。