資料館の1階には毎月、語り部ボランティア 山田さん手書きの「季節の俳画」をご提供いただいています。

 



 今回のお題は、「アマリリス」と「椿」。

 



 アマリリスという単語はギリシャ語で「輝かしい」を意味します。そしてその名の通り、輝かしくて魅力的な花が咲くのでこのような花言葉がつけられました。まっすぐな茎の先端に大きな花を咲かせる様子は非常に堂々としていてかっこよさを感じさせます。

 

 アマリリスの花言葉は「おしゃべり」「輝くばかりの美しさ」「内気」「臆病な心」「誇り」「虚栄心」です。

 

 アマリリスは南アフリカが原産の多年草で、赤色や白色、ピンク色やオレンジ色などさまざまな色の花を咲かせる植物です。また、花名の由来は古代ローマの詩人ウェルギリウスが書いた「牧歌」に登場する、美しい羊飼いの少女アマリリスの名前にちなんでいます。

 

アマリリス ぶつきらぼうや 寺の庭 /八木林之介

 

咲き誇る ほつたらかしの アマリリス /中井郁子

 

アマリリス 月のなき夜を 深ねむり /柴田白葉女

 

傾きしまゝに開きぬ アマリリス /川口咲子

 

アマリゝス 廃墟明るく 穢なし /殿村菟絲子

 

 



 椿(ツバキ)の花言葉 は「控えめな優しさ」「誇り」。 椿の開花時期は11月~12月、2月~4月。 椿は2月3日、12月10日の誕生花です。

 

 赤い椿の花言葉 は「控えめな素晴らしさ」「気取らない優美さ」「謙虚な美徳」。 

 

 白い椿の花言葉 は「完全なる美しさ」「申し分のない魅力」「至上の愛らしさ」。 

ピンクの椿の花言葉 は「控えめな美」「控えめな愛」「慎み深い」などです。

 

葉にそむく 椿の花や よそ心 /芭蕉

 

椿落て 昨日の雨を こぼしけり /蕪村

 

古庭に 茶筌花さく 椿かな /蕪村

 

赤い椿 白い椿と 落ちにけり /河東碧梧桐

 

いま一つ 椿落ちなば 立去らん /松本たかし

迦陵頻(かりょうびん)
 中央で鶴を折り出すために、回りを畳み込みながら正方形を作り、その技法で五段重ねにした素晴らしい作品だと思います。重なりが多いと大変なので余分なところを切り取って折ってました。

【狂歌】
恋風や 御簾(みす)の隙(ひま)より迦陵頻 五つ重ねの 絹がちらちら

〈注〉
迦陵頻…迦陵頻伽(かりょうびんが)の略で、極楽に居るとする 想像上の鳥。美女の顔を持ち、声が非常に美しいと言う。
雅楽では、天冠を着け、鳥の翼を負って舞う。
御簾…貴人の屋敷のすだれ。
五つ重ねの絹…「五つ衣(いつつぎぬ)」のことで、女房装束の正装のひとつ。「五袿(いつつうちぎ)」とも言う。
表着(うわぎ)と単衣(ひとえ)との間に袿(うちぎ)を五枚重ねたもので、後には簡略化して、一枚の衣の袖口と裾だけを五枚重ねに仕立てた。











 資料館の2階には壁面一杯、たくさんの絵馬が掛けられています。

 

 愛知県名古屋市昭和区御器所4丁目にある、御器所八幡宮(ごきそ はちまんぐう)です。

 





 平安時代前期の833-850年頃、第54代仁明天皇(にんみょうてんのう)の勅願所(ちょくがんしょ)として熱田社の鬼門を守護するために創建されたと伝わります。


 御器所(ごきそ)の地名は古く、鎌倉時代に書かれた歴史書『吾妻鏡』にも記述があり、この地で熱田社の神事のときに使う土器を焼いていたことから名付けられたとされています。

 




 絵馬は、大根のイラストと「叶 大根は大志をつかむ運のもと」と書かれた成就絵馬と八幡神の使いとされる鳩が描かれた絵馬の2題です。

 



 江戸時代、尾張は大根が名物で、御器所では「御器所大根」(「東畠大根」とも呼ばれ、現在の昭和区東畑町あたりが発祥地といわれています)が栽培されていました。

 

 御器所の沢庵漬は、江戸初期、造り酒屋の大きな酒樽で漬けられたことに始まり、江戸末期には商い用も作られるように。江戸参勤の土産にも用いられたことなどで次第に有名になり、『尾張名所図会』にも描かれるほどの名物となっていました。

 

 資料館の2階には壁面一杯、たくさんの絵馬が掛けられています。

 

 愛知県名古屋市中区三の丸1丁目にある、愛知縣護國神社(あいちけんごこくじんじゃ)です。

 





 1869年(明治2年)に創建された神社の御祭神について、同神社のホームページには次のように紹介されていました。

 

 『日本は過去に多くの戦いで尊い命の犠牲がありました。

 

  今の平和で豊かな生活は先人の多くの礎により築かれた現代であります。

 

  当社は幕末の嘉永6年(1853年)以降、先の戦争まで一命を捧げられて平和の礎となられた愛知県ゆかりの御英霊9万3千余柱をお祀り申し上げているお社です。』

 





 絵馬は、寅年の開運干支絵馬と祈願絵馬の2題です。

 愛知県名古屋市中区錦2丁目にある、福生院(ふくしょういん)です。

 







 福生院は、至徳3年(1386)順誉上人が大聖歓喜天を奉安して中村の里に創建された名刹で、元和3年(1617)に名古屋遷府(※)とともに現在地に移転、以後は「袋町のお聖天様」として親しまれています。

 

※名古屋遷府(なごやせんぷ)

 「清洲越(きよすごし)」と呼ばれ、都市機能のすべてが名古屋に移転されました。 清洲にあった寺社、商工業者、住民はいうに及ばず、地名すらもそっくりそのまま移し替えたのです。 当時6万人規模の都市を丸ごと移転されました。

 

 ご本尊として大聖歓喜天(だいしょうかんぎてん)をお祀りされています。大聖は歓喜天と呼ばれる神の称号です。仏教での天界(六道における最上)にすむ守護神とされ、象の頭をもつ姿で知られています。福生院では「お聖天さま」と呼ばれ、縁結びの神とされています。

 



 絵馬は、辰年の開運干支絵馬です。