※先に結論から言うと、今回のタコメーター装着は取り付け方法の検証のみで、

 最終的な回答は出ていない状況です。

 この記事を目に留めた方はその点に注意して参考程度に見てください。

 また電装系に手を出す場合は電気の基本、配線工作の基本を学んだうえで

 作業時にはバッテリーの配線を外し、安全に十分配慮して行うこと。

 この記事の作業を真似て何か起きても一切責任は負いませんので悪しからず。

 

 

 ↓結果だけ知りたい方はこちらから(取り付けは正常かつ無事に完了しています)

 

 メーター取り付け完結編

 

 メーター取り付けまとめ

 

 ↓配線図

 

 XTZ125の電装系について

 

 

 

 

XTZ125にはエンジン回転数を表示するタコメーターが付いていない。

それ自体はオフロード車には珍しいことではないし、アメリカンタイプでも多い。

しかしなんだかんだとバイクの状態を気にする人間にとっては欲しい装備のひとつ。

そんなわけで後付のタコメーターを装着してみることにした。

 

タコメーターには2種類の方式があり、機械式(アナログ)と電気式(デジタル)に分けられる。

 

機械式はエンジンとメーターをケーブルで繋ぎ、回転数を直接メーターに伝えるもの。

(当然ケーブルもグルグル回っている)

電気式はバイクの点火タイミングの電気信号を読み取りメーターに表示するものである。

 

 

機械式はダイレクトな数字を拾える半面、装着が大掛かりになり重量も増す。

古い方式であり最近のバイクではほとんど見られないが、バイクを所有する人間の中には

20~30年前のバイクをレストアしている人もそれなりにいるので、まだ需要があるようだ。

 

電気式は車両の配線にタコメーター用の配線を割り込ませるなどして接続するだけなので

装着の手間も少なく簡単に取り付けられるのが特徴。

欠点として条件により正確に信号が拾えなかったりして回転数表示が不安定になりがち。

純正でタコメーターが付いてる車両の場合、CDIやECUから点火信号を直接拾っているので

動作や精度も問題にならないだろう。

現在ほぼ全てのバイクがこの方式を採用している(たぶん)

 

 

XTZ125は機械式メーターを取り付けるように設計されてはいないので、

当然ながら電気式タコメーターを選択。

今回選定したのはデイトナのヴェローナという製品。

 

 

値段は2万円弱と、懐事情の厳しい人間にとって決して安い製品ではない。

なぜこれを選んだかの理由は少し後で説明するとして、箱を開封して内容物を確認。

 

 

取扱説明書(3枚)

メーター本体

取り付けステー(ボルト2本セット)

パルスジェネレーター

接続用ハーネスセット

 

以上がセットになっている。

まずはメーターの端子部分を確認。

 

 

タコメーターとしての機能を使うだけなら、接続するのは4ヵ所のみ。

画像で見えるオス型ギボシ端子がそれ(赤、黒、黄、白の線)。

 

赤:タコメーター電源

黒:アース

黄:内臓時計用の常時電源

白:パルス

 

他はオプションパーツと接続する際に使うメス端子(油温計、外部スイッチなど)

この辺が分かりやすく区別されているのは◎

 

そして重要なパーツであるパルスジェネレーター。

取り付けに使う両面テープ、フェライトコアが同封されている。

 

 

微弱な電気信号を増幅する部品で、通常の接続では点火信号を読み取れない場合、

これを間に入れて点火信号を検出するという仕組み。

XTZ125はこのパルスジェネレーターを使用しなければならない車両に該当します。

(詳細は後述)

 

ワイヤーハーネス類

 

 

ひと通り揃っているが今回の装着では使用しなかった。

配線が長すぎるのと、分岐用端子の形状が個人的に気に入らなかった為。

自分で配線をカットして端子を取り付ければ済む話だが、市販品で分岐用の既製品が

安価で販売されていた為、今回は接続テストで使うほか、アース用に1本使っただけ。

残りはひとまず在庫として手元に置いて、必要になったら適時加工でもして使おう。

この中で注意して欲しい部品がこれ。

 

 

いわゆるエレクトロタップという分岐用の部品だが、これから配線分岐をする人は

こんなものは絶対に使ってはいけない。

 

これは穴に配線を通し、ペンチでかしめて刃を落とし配線を繋ぐ仕組み。

賢明な人ならすぐに分かるだろうが、非常に強引で乱暴な接続方法である。

薄い刃で配線の被服を破り、中の銅線を無理やり挟み込む形式。

当然配線の強度は落ち、銅線も確実にダメージを受け劣化と断線のリスクを加速させる。

一度使用したが最後、その配線から外せなくなるうえ、配線に異常が出た場合、

位置によっては配線を丸ごと交換するハメになることも。

勉強で簡単な回路を作るだけならともかく、重要な電気配線でこんなものを使うのはNG。

配線さえあればどこにでも割り込ませられるので便利かもしれないが、

よほどの事情があろうとも、個人的には絶対に使いたくない物のひとつである。

 

というわけでエレクトロタップはゴミ箱に捨ててしまう。

ステーについては特に言うことも無いので割愛するが、メーター固定用のボルトしか無いので

車体に取り付ける際は必要に応じボルトやクランプを別途用意しよう。

忘れると結構残念な気持ちになる。

 

部品の確認が終わったところで、まずはバイクにタコメーターを仮接続してみる。

 

まずはヘッドライトを外して配線の確認。

 

 

メーターの赤線は、XTZ125の茶色線に接続。

この辺はメーカーにより配線の色が違うので注意。

 

 

茶色の線はキーONで通電するアクセサリー電源。

隣の赤線はバッテリーの+極に繋がっている、いわゆるバッ直ホットの線。

こっちにメーターの赤を繋ぐと、キーOFFでもメーターが点灯しっぱなしになってしまう。

 

 

余談だが自分はこの分岐コネクタが嫌い。

二つの端子が隣り合っているおかげで、一度差し込むと外すのが面倒で力も入れにくい。

この手の分岐コネクタは妙に固いことが多く、あれこれ配線を入れ替える作業では

結果的に配線や端子に無理な力を加え損傷させてしまいがちだからだ。

端子はそれぞれ単独で繋ぐ方が個人的に好ましい。

 

 

見ての通り赤の分岐線が無駄に長すぎる。

 

続いて黒(GND)と黄色(HOT)を接続。

動作確認なので付属のケーブルで適当に延長させてバッテリーに繋ぐ。

 

 

これで準備完了。

あとはキーをONにしてメーターの点灯を確認。

 

 

ちゃんと点いた。

キーオフで消灯も確認。

 

 

電源廻りはこれでOK

次はパルス検出用の配線を繋ぐ。

電気式タコメーター取り付けにおいて、ここが一番の問題となる部分。

 

繋ぐ場所はイグニッションコイル1次側。

バイクの電装系に詳しい人ならこの画像を見ただけで気が付くと思うが、

詳しくはまた後で説明するとして次に。

 

 

説明書の接続方法Aでは、このオレンジの線にパルス線(白)を割り込ませろとある。

付属のパルス用の延長線に端子は付いておらず、また平型端子の分岐線もない。

延長線に端子が付いてないのは理由があるが、テストのためには端子が必要。

不要になればカットすればいいだけなので取り付けて困ることも無い。

よってここは配線を自作、用意する必要があった。

 

そこでホームセンター等でお馴染みエーモン工業。

線材を用意して自作するより安上がりで済むため、今回は既製品をいくつか購入。

まずは分岐線

 

 

これは平型端子の分岐線で、2個入り1セットで250円くらい。

これひとつとギボシ型の分岐線も2個(4本分)も購入しておいた。

なんのかんの端子やら配線やら自分で用意していると高くなりがち。

日頃から配線の工作をしている人なら最終的にそのほうが安上がりになるけど、

たまにしかやらない人間ならこの方が無駄も出なくていい。

 

平型端子をさくっと取り付けて(電工ペンチ必須)

 

 

分岐線をかます

 

 

オレンジの丸が車体からの配線に繋ぎ、紫の丸がイグニッションコイルに繋ぐ部分。

これを取り付けてテスト接続は完了。

エンジンを始動し、さあこれでタコメーターが動くか!

 

 

……動きませんでした(小声)

 

 

とはいえこれは想定のうちで、むしろこれを確認したかったのかもしれない。

市販の電気式タコメーターのうち、パルスジェネレーターの付属していないものには

こういう注意書きがある

 

『マイナスパルス点火の車両への装着はできません』

『※マイナスパルス点火は、点火コイルに1本(プラス線)しか配線が接続されておらず、マイナス側がボディアースされているバイクです』

 

さっきのイグニッションコイル画像を見てもらえば分かるとおり、

XTZ125はイグニッションコイルにひとつしか端子が付いておらず、片側がアースされている。

よってXTZ125もマイナスパルス点火車両ということになる。

 

マイナスパルス点火車両にはSR400やセロー、KLX、D-トラッカーなどが該当する他、

バッテリーレスのバイクも該当するとか。

該当車両の名前を見るに、主に軽量化などを目的としたオフロード車に多い傾向。

SR400も元々はオフロード車だし。

 

ところが厄介なことに、マイナスパルス点火などについて調べようにも、

ネットではほとんど情報がなかったりする。

その事について語っているブログ等もごく僅かで、具体的にどんな理由、目的でバイクに

マイナスパルス点火を採用し、どういう特徴やメリットデメリットがあるのか

これが答えだという回答を見つけることは出来なかった。

(もちろん勝手に推測することは出来るが、欲しいのは確たる情報である)

実際にバイクの設計をしてるヤマハのエンジニアさんにでも話を聞けたらいいが、

そんなコネないし(笑)

 

ともあれ接続方法Aではパルスを拾えないと判明した為、説明書にある

接続方法のB(パルスジェネレーター接続)を試すことにした。

 

 

色々と考えた結果、パルスジェネレーターはシート下のエアクリーナーBOX上部

空気取入れ口の枠に貼り付けた。

ここなら万が一水が流れ込んでも濡れにくいし、シート裏の出っ張りにも当たらない。

エンジンから離れているので熱の影響も受けにくいだろうということで決定。

取り付けは付属の両面テープで、貼り付ける前に脱脂は忘れずに。

後は各部へ配線を取り回し、説明書に従って分岐、割り込みをさせる。

 

 

茶色の線はパルス検出用なのでイグニッションコイルへ。

付属のフェライトコアでケーブルの先端をプラグコードと一緒に挟めとある。

 

 

とりあえず装着してみた。

 

※コイルに沿うようなこの配線の引き方はNGです。真似しないこと

 

そのほかの配線はハンドル廻りまで引き回してメーター類の配線と接続。

無事に動作したのを確認したので、配線を正式な取り付け状態にする。

ヘッドライト廻りに購入しておいたギボシ端子の分岐線を入れ、それぞれを繋ぐ。

アース線(黒)はボディアースでは動作が不安定になりがちという情報もあったので、

バッテリーのマイナス端子のすぐ横にあるアース線を分岐して接続。

ほぼバッ直状態なので問題なかろうと思う。

この辺の作業は写真を撮ってないので割愛。

説明書をちゃんと読めば問題なく接続できるので頑張りましょう。

 

今回はテストなのでこの状態でガソリンタンクなどを元に戻し確認してみる。

 

 

針が動いた!

立った! クララが立ったよ!(アルプスの少女)

 

どうやらパルスジェネレーターを使って取り付けるのが正解らしい。

パルスジェネレーターだけ単独で注文すると3000円近くするので、決して安くはないが

後から別々に注文するのも煩わしいのでこのセットで購入してよかったのかもしれない。

 

最後にメーターを固定する。

 

 

そこら辺で拾ったクランプにそこら辺で拾ったステーを適当に削ったものを使い固定(殴)

後でもうちょっとちゃんとした物と入れ替えるが、今はこれしか都合のいいものがなかった。

取り付けが終わったことで気分が良くなりそこら辺を走りに出かける。

しかしすぐに問題が浮上してきた。

 

タコメーターの針が5000回転を超えると暴れ出して正確な数字が拾えないのだ。

このバイクは5000~6000回転あたりでシフトアップするので使えなくもないが

やはり動作は最後まで正確にして欲しいところ。

アイドリング時や低回転域では正確な数字を指しているので、おそらく負荷の上昇に伴う

ノイズが原因だろうと判断。

剥き出しのケーブルのままではやはり問題なので、配線はきちんと処理をした。

 

まずハンドル側に向かう配線にコルゲートチューブを被せていく。

内径5φ、長さは1mの物を切り売りコーナーで購入しておいた。

メーター廻りに引くチューブとパルス線に被せるものと合わせてちょうど良い長さだった。

既製品だと2mからしか売っていないので無駄が出る。

 

 

このままでは隙間から水が入るので、全体を結束テープで巻いていく。

ビニールテープと違いベタベタしないので巻きやすい。

ビニールテープは時間が経つとネチョネチョになって非情に不快なこともあり、

工作等でもあまり信用しておらず、電気配線の一時的な絶縁処理に使うくらいで、

物の固定や恒久的な処理にはほとんど使用していない。

 

パルス線(茶)はノイズを拾って針が安定しないんだろうと思い、アルミテープを巻いた。

その上からコルゲートチューブも装着してみる。

 

 

見て分かるとおり、これらの作業をしているうちにとうとう日が暮れてしまった。

言葉にすると単純だが地味な作業ほどめんどくさくて時間を食う。

こちらも結束テープでぐるぐる巻きにしておいた。

 

ちょっと時系列が前後してしまうが、パルス検出ケーブルはこういう感じに接続。

コイルとは逆向きになっているのでノイズの影響は受けにくい……はずだった。

 

 

真っ暗のなか、苦労しながら配線の処理を終え、外装を元に戻してエンジン始動。

針もちゃんと振れているし問題ない……と思いきや。

 

今度は3000~5000回転の間で針が暴れるようになってしまった。

 

 

なぜだッ!(絶叫)

 

 

これならまだ前の状態の方がマシである。

日が暮れるまで腰が痛くなりながら作業させておいてこの仕打ち(号泣)

考えられるのはノイズ対策用に巻いたアルミテープがかえって悪さをしている気がするので

今度はアルミテープを剥がして試すつもり(超クッソ面倒くさそうだが仕方ない……)

強度などを心配してアルミテープを選んだものの、かえって裏目に出たっぽい。

配線の細さ、加工のしやすさも考慮すればアルミホイルで十分だったかも(後の祭り)

 

それとパルス用配線の取り回しについても変更を加えて都合のいい場所がないか

調査をしてみたい。

まだ試してないが、パルスジェネレーターを使わず、パルス線を直接プラグケーブルに

10巻きほど巻き付けるという方法もあるので、どれがベストかの確認もしたい。

今回この方法を試さなかったのは、パルス線を巻き付けた状態が見苦しいから。

エンジンの熱も浴びる部分にテープで固定というのは出来れば避けたかった。

配線の見た目が綺麗な方法を選べるならそれに越したことは無いと考えているのだが、

今回の結果を省みるに先に試しておけば良かったorz

 

しかし今回はもう日が暮れて寒いわ体力も気力もションボリだわで

悔しさを抱えつつ引っ込んだ。

だが都合2万円以上も費やしたタコメーター、そう簡単に諦めるわけにはいかない。

粘着質な執念と共に、次回の作業へ意欲を燃やすのだった。

 

あと最近雨が多いんで勘弁してくださいマジで。

 

そんなわけで異常に長くなってしまったが、今回はここまで。