昔々,あるところにキツネさんが住んでいました。
キツネさんは,仙台藩領の南端の丸森宿で『金山城伊達・相馬鉄砲館』という鉄砲の見世物小屋を営んでいます。
キツネさんの見世物小屋
建物は借りものです。写真に写っている当館の大型看板は,地元の篤志家
からの寄付です。このように当館は多くの方々の善意に支えられています。
キツネさんの見世物小屋は,11月4日に白石城で無料講演会を行うことになりました。その講演会には東北の女性鉄砲隊や女性銃士の皆さんが20名もゲスト出演します。皆さん,清楚で素敵な方々ですから華やかで楽しい講演会になると思います。
荘内藩荻野流砲術隊・桜隊
仙台藩丸森鉄砲隊
講演会の講師は,キツネさんの師匠である大タヌキさんにお願いしました。大タヌキさんは,自宅の図書館で一所懸命になって講演原稿を書いていると話していました。しかし,この話はあてにならないとキツネさんは思いました。大タヌキさんの図書館の一階は資料室で二階は図書室になっていますが,一言で言えば巨大なおもちゃ箱みたいなものなのです。
心配になったキツネさんは,異界をのぞける『キツネの窓』を作り,大タヌキさんの様子を覗き見することにしました。これがキツネの窓です。
このキツネの窓を作り『化性のモノか魔性のモノか正体を表せ!』と呪文を三回唱えると,魔性の者共のことが見えるのです。
すると自宅の図書館の二階にいる大タヌキさんが見えました。しかし大タヌキさんは,講演原稿も書かずにバカでかい鉄道模型を動かして遊んでいました。こんなことでいいのでしょうか!
講演会までもう28日しかないのです。