伊達家一門筆頭で角田城主の石川家には,年中行事に関する記録が残されており,江戸時代後期に書かれた奥向きの記録「内留」には,たなばた様の御祝儀の様子がくわしく記されている。
角田城縄張り図
石川家では,七月二日からたなばた様の準備が始まる。 城内では,賄い方,作事方,納戸方,奥付侍女やお女中衆など様々な部署との連携連絡が欠かせない。星祭の儀場設営は奥付侍女が,料理は賄い方が,笹竹の設置は作事方が,太鼓などの備品類の管理整備は納戸方が,それぞれ担当するからである。
正月や五節句などの城内行事は,城内の様々な部署の連携や連絡を点検する場でもあっただろう。また奥向きや城役人,お女中衆などに対する出陣や籠城の準備訓練も兼ねていたのに違いない。