冷や奴とホトトギス | todou455のブログ 火縄銃ときどき山登り

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 宮城県丸森町にある火縄銃に特化した私設博物館『金山城伊達・相馬鉄砲館』のある宮城県丸森町の最高気温は28度だった。もはや夏である。夏の日の酒肴となればやはり冷や奴が好ましい。今日の晩酌は冷や奴と相成った。

 謹製 冷や奴晩酌

 

 江戸人も冷や奴を好んだ。「暑いこと 酒の相手に やっこ出る。」という軽口の効いた川柳もあるほどだ。江戸の暑い夏には,冷たい豆腐が好まれたのだ。江戸時代も中期になると,田舎でも豆腐屋が繁盛した。「ホトトギス 自由自在になく里は 酒屋へ三里 豆腐屋に二里」という狂歌が読まれたりした。酒屋よりも豆腐屋の売れ行きがよかったのだ。

ホトトギスといえば,古くからその鳴き声が好まれた。『万葉集』には153首ものホトトギスの和歌がある。ホトトギスは夜にも鳴く習性があり,『枕草子』にはホトトギスの初音を人より早く聞こうと夜を徹して待つ様子が描かれている。

ホトトギスの鳴き声は,「キョ、キョ、キョキョキョキョ」とうるさいだけで,風情もへったくれもない。なぜに昔の日本人たちは,ホトトギスの鳴き声をそんなに珍重したのであろうか。私には,その理由がよくわからない。私はフグ鍋よりも鱈汁の方が美味いと感じるバカ舌の持ち主であるが,耳までバカだったとは情けない限りである。