宮城県丸森町私設博物館博物館『金山城伊達・相馬鉄砲館』が入る屋敷には座敷童子が棲んでいる。
3月29日に仙台藩丸森鉄砲隊が金山神社で旗揚げしてからは,座敷童子が二階で走り回る音をしばしばたてるようになった。
金山神社での旗揚げ神事 (・人・)ナムナム
座敷童子は、古い大きな家に棲み5、6歳くらいの童子の姿をしていることが多い。悪戯好きで小さな足跡を残したり,人間の子供と一緒に遊んだりすることもある可愛らしい妖怪だ。また座敷童子を見た者には,幸運が訪れ家に富をもたらすとも言われている。旗上げの日には5人の女性隊員やそのお子さん達も当館で半日過ごしたから,座敷童子も旗揚げの賑やかさと小さな子供に会えたうれしさで浮かれているのかもしれない。
母親の雄姿に歓声を上げる子供達
四,五日前のことだ。知り合いのキリスト教の神父御夫妻が当館を訪ねてきた。御夫妻は,キリシタンの研究で私と情報交換をする為にやって来たのである。丸森町の筆甫地区のキリシタンの話をしていた時,神父さんが,不審気な顔をして
「この建物には妖精がいますね。今,二階から音が聞こえました。」
と私に問いかけてきた。すると奥さんが
「今,子供が走るような音が聞こえたよね。」
と御主人を見つめた。しかし,不思議なことに御夫婦が聞いたという音は,私には全く聞こえなかったのである。私は首筋に寒気を感じ震えが走った。
私が当館に棲むという座敷童子の話をすると,神父さんは我が意を得たと言わんばかりの顔をした。奥さんは
「玄関に入った時に吹き抜けの高い所になんかいたよね。座敷童子だったのかな?」と言って首をひねった。
座敷童子が棲む当館の奥座敷の床の間
人形などは,座敷童子へのお供え物
これも座敷童子の悪戯なのだろうか。私はこの御夫婦と丸森町の筆甫地区でキリシタンとたたら製鉄に関する共同研究をすることになるかもしれない。そんなことを思った。