昔々,あるところにキツネさんが住んでいました。
『一月往ぬる、二月逃げる、三月去る 』とは,よく言ったもので,あっという間に一年の六分の一が過ぎ去ってしまいました。
キツネさんは,朝起きると南蛮渡来のコーヒーを飲みながら手帳にその日の行動予定を書き込みます。これが,キツネさんの朝のルーティーンなのです。
その手帳を振り返ると,例えば一日に五つするべきことが,一つか二つしかできていないのです。だから積み残しが,毎日増えていき身動きのできないような状態になってしまいました。楽しいことばかりして,苦しいことは翌日廻しにしているから,借金ばかりが増えていくようなものです。
三月の計は,三月一日にありです。キツネさんはフンドシを締め直し,今日から頑張ろうと思いましたとさ。