第4章 『努力のもたらすもの』 22 | オリジナル小説 『嵐の中の小鳥たち』

オリジナル小説 『嵐の中の小鳥たち』

誰もが考えたことのある永遠のテーマに、私なりの考えを盛り込んで物語にしていきます!!

この物語を読んで、皆さんも色々考えてくださると光栄です\(^-^)/



22.


店を後にした俺と英雄は、歩きながら俺たちは何を頑張るべきなのか考えた。
何を頑張れば、何をしている姿を見せれば、真佑はもう一度頑張ろうと思ってくれるだろうか。
考えれば考えるほどに、わからなくなっていった。
そうこうしているうちに、俺たちが別れる道に差し掛かったため、帰ってからもう一度よく考えて明日また話し合おうということになった。

俺は帰宅してから、風呂に入っている最中もトイレに入っている最中もひたすら考えた。
いざ布団に入っても、まだ答えは出ない。
「あー、わかんねえー」
思わず大声で叫んでしまうほど俺は思い詰めていた。
「はー」っと溜め息を一つついて寝返りをうつ。
すると、二段の棚に飾ってある賞状やトロフィー、メダルが目に入った。
この賞状たちは、俺が今まで貰ってきたものだ。
左から順に見ていくと、小学校の時の書道展金賞、クラス対抗リレー1位のが数枚、これまでにとってきた諸々の検定合格証書などだ。
しかし、残りの大半はみんなバレーで勝ち取ったものだった。
新人戦優勝、総体千葉県予選2位、優秀選手賞など、中学から始めたバレーも六年の間に色々な記録を残すことができた。
まだ現役だった頃の記憶が、走馬灯のように次々と鮮明に駆け巡る。
楽しかったこともあったが、大半は辛かった。
辛くても、諦めないで必死に食らいついてきた。
あの日見た真佑のように。

――でも真佑は、もうあんな風に必死にボールを追いかけることもできないのかな…

俺は、どうするべきなのか答えを悟った。

――英雄や他のみんなにはできない
俺にしか出来ないこと
こんな簡単なこと、なんですぐに気付かなかったんだろう……
俺に出来ることなんて、最初からこれしかないじゃんか


そうこう考えていると、外からバイクの音がする。
どうやら新聞配達の音のようだ。

――やべ、もうこんな時間かよ……

考えることに夢中になっていた俺は、時間を忘れていた。
このまま寝てしまったら、きっと起きれず朝寝坊してしまうだろう。
そう考えた俺は、顔を洗って動きやすいジャージに着替える。

――俺のやるべきことは決まったんだから、ゆっくりしてはいられない
俺が真佑の分も……

そう自分に言い聞かせ、うっすらと明るくなってきた人通りのない町へ、一人ランニングを始めた。