第4章 『努力のもたらすもの』 21 | オリジナル小説 『嵐の中の小鳥たち』

オリジナル小説 『嵐の中の小鳥たち』

誰もが考えたことのある永遠のテーマに、私なりの考えを盛り込んで物語にしていきます!!

この物語を読んで、皆さんも色々考えてくださると光栄です\(^-^)/



21.


「頑張ったやつと頑張ってないやつ、二人だけを見ればどっちが成長すると思う?」
「そりゃあ、頑張ったやつだろ?」
「そうだ。じゃあ、頑張ったやつと頑張っているやつだったら、どっちが成長すると思う?」
「それは、一緒なんじゃないか?二人とも頑張ってるんだし」
英雄はそう言ったが、俺はその時大将の言おうしていることがわかった。
「お、あっちゃんはわかったようだな。確かに二人とも同じように頑張った。ただ二人の間にある決定的に違うことは、自分は頑張ったと自分を讃えて頑張ることを止めてしまったか、まだまだだと頑張ることを止めていないかだ。努力は報われるっていうのは、俺がガキの頃から言われていることさ。ただ、そこには大きな落とし穴があって、一度頑張るだけではダメなんだ。最近の若いやつは、どうもその落とし穴に引っ掛かりやすいみたいだな。俺は頑張った、この頑張りはいつか報われるから、それまで待とうってな。そして結果が出てから、また足りない所を努力しようとする。それでもある程度効果はあると思うが、それはなんせ時間がかかる。そして報われる日を待つ間に、気持ちがだらけせっかくの努力を無駄にし、次に努力するための気力を失ってしまう。つまり、努力はするものじゃなくし続けなくちゃいけないってわけさ」
俺と英雄は、大将の話に夢中になって食いついていた。
野太い声の効果もあるのか大将の言うことには妙な説得力があり、聞いている人を惹き付ける。
「だからその女の子は、今落とし穴にはまっている状態だな。確かに今までのように努力は出来なくなってしまっても、違う形でもし続けることはできるのに、今それをやめてしまっているからな。それからその女の子を助けようとした二人も、支えようと頑張ってはみたが何もできなかったことに、努力したのにダメだったって感じて一緒に落とし穴にはまっちまったのかもな」
「なるほどな……納得かも……」
俺は心からそう思った。
「だとしたら、俺たちはどうすれば?」
英雄は大将に救いを求めた。
今の俺たちには、大将にすがることしか方法はない、大将が俺たちの命綱だとも思っていた。

「そんなの簡単さ。落とし穴から脱出すればいい」
「どうやって」
「それ言っちまったらお前らのためにならねーよ」
そう言ってまたガハハハと笑っている。
「ただ1つアドバイスをするとしたら、お前らはみんな同じ1つの落とし穴に落ちているんだ。だから1人で頑張るんじゃなく、みんなで協力すればいいのさ。ただ、それだけだ」
「それが難しいんだけどな……」
英雄はそう言って苦笑いしている。

確かに英雄の言う通り、どう協力していくか、俺たちは何をしていくべきなのかが難しいのである。
しかし、大将のおかげで俺たちが進むべき方向性はしっかりと見えた。
俺たち二人に努力することの意義やその必要性が見えてきて、希望の光が灯ったようにも感じた。