第3章 『存在価値』 2 | オリジナル小説 『嵐の中の小鳥たち』

オリジナル小説 『嵐の中の小鳥たち』

誰もが考えたことのある永遠のテーマに、私なりの考えを盛り込んで物語にしていきます!!

この物語を読んで、皆さんも色々考えてくださると光栄です\(^-^)/



2.


美波に玲奈のことを好きか聞かれた時、恥ずかしくてハッキリとは言えなかったが俺は玲奈の事が真剣に好きだ。
だからこそ玲奈と連絡がとれないことに、今日は何故か非常に寂しくなり、一抹の不安が脳裏をよぎった。
その日は1日眠ることができなかった。



それからもう3日が経った。
しかしその3日間も、何度電話をしても出ないし、メールをしてみても返事が返ってくることはなかった。
その3日間も、ほとんど眠ることができなかった。
授業中ですらも、メールや着信が入っていないか確かめるために携帯を何度も開いた。
しかし連絡がなにもきていない待受画面を見る度に、俺の心の一部が削られていくような、そんな思いだった。



玲奈と連絡がつかなくなって4日目、今日は4月30日。

――あいつ、何してるのかな……

俺は1日中、こういうことばかり考えていた。
時間があれば玲奈のことばかり考えてしまうため、授業などにはしっかり集中している――つもりだった。
しかし授業内容よりも連絡がこないことの方が気になってしまい、今は授業どころではないし憂鬱な気分だった。

――あ、そっか。この間デートの誘い断ったから怒ってんだな。

あれこれ考えた末、この間デートの誘いを断ってしまったのを思い出した。
連絡がこない原因はまさにそれだと思った。
というよりも、そうであると信じたかった。


件名:この間はごめん
本文:
何度もしつこく連絡してごめんな。

俺、わかったよ。この間デート誘ってくれたのに断ったから怒ってるんだろ?
本当に悪かった。

今週の日曜日は、予定なんも入ってないんだ。
だから、どっか出かけようぜ!!
この間、隣町にできたショッピングモール行きたいって言ってたよな?
そこ、一緒に行こうぜ!!

じゃ、連絡待ってるな。



こうメールをうち、送信した。
電波が悪いのだろうか、中々送信できなかった。
色々なところに携帯を向けてみるが、メールの画面はまだ送信中のまま。
日本全国どこでもほんの数秒で届くメールが、電車で二時間ほどの距離しか離れていない玲奈にすぐ届かない。
中々送信できない時間が、まるで俺と玲奈との間に溝ができてしまったかのようで、送信中の画面を見ているのがとても辛かった。

――中止して、後で送ろうかな…

そう思っていると、画面上の飛行機が飛び立った。
画面には、「送信完了」の文字。
安堵のせいか、それとも中々メールが届かなかったからか、自分でも理由はわからないが気がつくと深い溜め息をついていた。

すると、すぐにメールが返ってきた。

――やっぱり、この間のこと怒ってたんだ。それに気が付いたから、返してくれたんだな

そう思った。
いつの間にか心が弾んでいた。
ここ4日間で、こんな気持ちになれたのは初めてだった。
自分でも頬が緩んでいるのがわかる。
周りのやつらはそれを見て、気持ち悪いと思っているかもしれない。
しかし、そんなの関係ない。

――やっと玲奈からメールがきたんだ。
やっぱり玲奈の存在が俺のすべてだ

そうとまで思った。
心を踊らせ受信メールを早速開いてみると、予想外のメールだった。


件名:
本文:
送信エラー
宛先をご確認の上、再度送信して下さい。


――え?昨日まで届いてたのに…

メールは玲奈からではなく、送信できなかったことを知らせる通知だった。
アドレスを変えたのかもしれないが、その連絡は来ていない。

――これって……

この4日間考え続けた最悪の事態だった。
一番起こってほしくない事態だった。


急に胸が苦しくなり、呼吸すらままならなくなってきた。
一筋の水が自分の頬を伝っていくのがわかった。