第2章 『歩むべき道』 5 | オリジナル小説 『嵐の中の小鳥たち』

オリジナル小説 『嵐の中の小鳥たち』

誰もが考えたことのある永遠のテーマに、私なりの考えを盛り込んで物語にしていきます!!

この物語を読んで、皆さんも色々考えてくださると光栄です\(^-^)/



5.


男は近寄ってくると俺の肩を押していき、壁までおいやられた。
そして胸ぐらを掴みあげてこう言った。
「部外者は引っ込んでろ」
続いてもう1人の男も近づいてきて「このこと誰かに言ってみろ。お前を学校にいられなくしてやっから」と睨みつけながら言った。
4人は声をあげて笑っている。
その4人の影を見やると、細すぎる腕で自分自身を抱き締めるような体勢をとっていた。
その身体は色白で痩せこけていて、更に所々青あざが目立つ。
その自分を抱く白く細い腕は、小刻みに震えていた。

――可哀想に……。
あの青あざ、みんなに色々されてついたんだよな……。
いじめのことでろくにご飯も食べれてなくて、だからこんなに痩せこけ ちゃったんだよな……。

そう考えているうちに、自分に腹が立ってきた。

――この子は逃げないで必死に頑張ってたのに、俺は見てみぬふりしてきたんだな……。最低だな俺……

「おい、なに黙りこくってんだよ。聞いてんのかよ!」
男の怒鳴り声が聞こえた後、一瞬記憶がとんだ。
ドンッという鈍い音にはっとした時、片方の男が口から血を流しながら床に倒れていて、俺の右腕にはしびれるような感覚が残っていた。

そこに声を聞き付けたのだろうか、先生が数人入ってきた。


その日を境にいじめはピタリと収まった。いじめの主格であった2人、そして上級生の男2人は謹慎処分という形で済むはずではあったが、責任を問われたり学校中の非難の的となってしまったため、自主退学という形をとることで事態は完全に収束した。

――もっと早くから助けてあげられてれば……

いじめはなくなったものの、俺にはその罪悪感だけが残っていた。
玲奈には何回も何回も謝罪し、友達として一緒に生活することにした。

そうして、毎日の登下校や休み時間を共にし、たくさんのことを話した。
玲奈にもだんだんと友達ができ始めたため、それでハッピーエンドのはずだった。

しかし、毎日を一緒に過ごす間に様々な面をみて、玲奈に惹かれていた。

――自分の気持ちに嘘はつけないな……

そう思った俺は「これから先は、友達としてじゃなく恋人として毎日を一緒に過ごしたい。ずっと傍にいて、守っていきたい」と正直に伝えた。




これが俺と玲奈の今に至るまでの話だ。
中2の終わりの時の話だった。
あれからもう、4年も一緒にいる。
まわりからは、なんで玲奈みたいな美女の彼氏がお前なんだと罵声を浴びせられたことはある。
むしろ、それが日常であったし俺自身気にする時もあった。
しかし玲奈は関係ないというように、変わらずに俺を愛し続けてくれている。