第2章 『歩むべき道』 4 | オリジナル小説 『嵐の中の小鳥たち』

オリジナル小説 『嵐の中の小鳥たち』

誰もが考えたことのある永遠のテーマに、私なりの考えを盛り込んで物語にしていきます!!

この物語を読んで、皆さんも色々考えてくださると光栄です\(^-^)/



4.


「……とまぁこんなわけで、英雄とは相変わらず一緒なんだ。で、親睦会で仲良くなった4人あわせて、6人でいつも一緒にいるんだ。」
「英雄くん懐かしいなー。相変わらずなんだね。でもさ、その6人アンバランスじゃない?」
「それは俺も思った。確かにアンバランスなメンバーなんだけど、それぞれに味があるっていうか、個性があってさ。それぞれ高校にはいなかったようなタイプですっげー面白いんだ」

話しながら時計を見てみると、もうすぐで24時になろうというところで、もう電話をし始めて2時間になる。
大学入学後、お互い色々忙しくまともに連絡をとれていなかった彼女の玲奈に、近況報告をしていた。




忘れもしない、俺たちのはじめての出会いは中学2年生の夏、玲奈が秋田県から転校してきたときだ。

自分の彼女のことをこう言うのもなんだが、玲奈はとても可愛かった。
クラス中の男子が玲奈に色目を使い、なんとか自分のものにしよう、そう考えているような目付きのやつが山ほどいた。
玲奈の噂はすぐに学校中に広まり、他クラスや他学年、しまいには他校の生徒にまで玲奈の評判が広まった。

転校生が可愛くて、一躍学校のアイドルになるという展開は、いわばありきたりでもあり、漫画や映画によく用いられるようなパターンだ。

――こんな漫画みたいな展開、本当にあり得るんだな……

俺自身そう感じていたくらいだ。


しかし、やはり現実の世界は漫画とは違かった。
漫画みたいなありきたりな展開もあるのだなとは不思議に思いつつも、実際にも漫画のように上手くいったらよかったのにと、誰もが感じずにはいられない出来事が玲奈を襲った。

女子によるいじめだ。
玲奈の転校により、学校中の男子の視線が玲奈に当てられた。
好きな人に告白したが、玲奈のことが気になるからと振られてしまった女の子。
付き合っていたにも関わらず、彼氏が色眼鏡で玲奈を見やり、自分のことをしっかりと見てもらえなくなった女の子。
そういう子が多発した。
その子達の怒りの矛先はといえば、相手方の男子陣にではなく、当然の如く玲奈に向けられる。

また玲奈は、秋田県から親の転勤でこちらに転校してきたのだ。
そのため、秋田県特有の言い回しや訛りがあった。
男子陣からすれば、方言は新鮮で可愛いものであった。
しかし女子陣からすれば、可愛い子ぶってるだけだとか馬鹿っぽいだとか、そんな批判の対象でしかなかった。

玲奈が何か特別悪いことをしたわけではないが、結果的に女子陣の反感をかってしまった玲奈は壮絶ないじめにあう。

靴や私物を隠されたり、勉強ができなくなるよう教科書に落書きをしたり悪口を書いたりされるのは、もはや当たり前となっていた。
玲奈に魅了されていた男性陣は、いじめを止めようとそれぞれ働きかけた。
しかしその男性陣の狙いは本当にいじめを止めることではなく、いじめから救うことで評価があがり付き合えるかもしれないという、下心丸出しのものだった。
それは俺が見ててわかるくらいなので、当然女子がそれに気付かないはずもない。
その男性陣の下心丸出しの働きかけが、女子の反感をより高めるものになってしまい、玲奈へのいじめが更にひどくなった。
そして女子陣は、目を覚まさせようと男性陣に喝をいれたため、玲奈を助けようとする者は1人もいなくなってしまった。


俺は玲奈が転校してきてから一度も話したことはないし、助ける義理はなかった。
それに俺が助けに入ったことで、女子陣の反感をかい、それが玲奈へのいじめに反映されることも最初からわかっている。
つまり、火に油をそそぐことはないと判断し、可哀想だとは思いながらもなにもすることはできなかった。
しかし、何をされても堪えて毎日決して休まずに学校にくる玲奈を、ただただすごいと思っているだけだった。


そんな中のある日、俺は部活が終わり帰り支度をしていると、教室に忘れ物をしていることに気が付いた。
取りに戻るために教室に向かっていると、女子トイレから悲鳴のような声と男女が大声で笑う声が聞こえてきた。
女子トイレの前に立ち、扉に耳をあてて様子を伺ってみた。
その中の会話を聞いていると、ハッとした。
気持ちよりも先に身体が反応し、気が付いた時には扉を開け中に飛び込んでいた。

トイレの中には、いじめの主犯であり女子陣の中でもリーダー格の2人と、校内で不良といわれていた上級生の男2人がいた。
そして、下着姿にされ床にうずくまる玲奈も。
この女子二人は、上級生2人に玲奈をレイプさせようとしていたのだ。

「誰だよお前」男のうちの片方が俺に向かっていい放つ。
「あー、うちのクラスのやつ」主犯格の1人がそう言った。
「で、そのクラスのやつが何か?」
男がこちらにゆっくりと歩んできた。