目と鼻の先にあるお手洗いから何度も立ち止まりつつ自分のベッドに戻ると、看護師さんが再びお腹のモニターをつけてくれました。



が、どうやら位置が悪かったようで、お腹の張りを正確に拾えていない様子真顔

相変わらず定期的に痛みがやってくるのに、モニターの針が動いていない…。


付け直してもらおうかと悩んでいる間に同室の人があわや緊急事態になりかけて怖くて泣けてくるわ、痛みに耐えるのに精一杯で動けないわで、何もできないままただベッドのフレームを掴んで小さく丸まってやり過ごすこと小一時間。



15時

明るい声が聞こえる…と思ったら、今回の入院の担当看護師(助産師)さんが様子を見にきてくれました泣くうさぎ

お顔をみた瞬間、ボロボロと涙が止まらなくなってしまい…。

分娩エリアは病棟とスタッフさんが違うので知らない顔ばかり。朝から5時間も痛みに堪え続け、不安だったところに大好きな担当さんが来たらもう…大泣き

腰を温めると痛みが楽になると、温めるものを手配してくれました。

おやつはプリンだったのに食べられず…プリン




16時

回診の先生(主治医はオフで明日の日勤まで不在)が助産師さんを引き連れてやってきました。

顔を見た瞬間「あら、随分ぐったりしてるのねキョロキョロ」と。

だってこんなに痛いんだもの…。


この時点で子宮口は4㎝。

開いていくとバルーンが抜け落ちるそうですが、まだまだしっかり入っているのでこのまま継続。

夜にはバルーンの量を減らして就寝し、明日はまた続きを行うとのこと。



就寝って…あと何時間この痛みに耐えなきゃいないの絶望



と、本日2度目の心が折れる音が…。





16時半

間も無く日中の勤務を終える担当看護師さんが、またもや様子を見にきてくれました。

そして、先ほどの先生の説明をもう一度噛み砕いて丁寧に解説してくれ…やさしすぎる泣くうさぎ



大丈夫、本当によく頑張ってる。

よく頑張ってるから、明日のお産は順調にすすむはずですよ!

とっとさんのお産で一番つらいのは今日だから、本当によく頑張りました。

あと少しだけ耐えましょう!


と励まされ、また涙が…ぐすん

というか、今日の方が痛いって知らなかったのでびっくりでした。

事前に教えてよ…ネガティブ


明日のお産の本番はこれより痛くないんだと思うと気持ちが持ち直し、少しずつ痛みの間隔もゆっくりになって落ち着いてきたのでほっと安心。

確かこのときモニターを付け直してもらったような…。




17時

明日の無痛分娩で使う麻酔について、もう一度看護師さんから説明を受けることに。

しかし、話を聞いている最中にじわじわと痛みが戻っきて、強い痛みがくると一時中断してもらわないと聞けない状態に。



すると、ポンっと何かに蹴られた? 弾けたような感覚が驚き

胎動?なにこれ??と看護師さんに確認してもらうも特に変わった様子はなし。

何だったのだろう…とまた説明を聞いていると、温かいものが体の外に流れていきシャワーを浴びているような感覚が。




17:22 まさかの破水




コレ、ハスイ…?真顔




回診の時の先生が来てバルーンを抜きチェックすると子宮口は確か6㎝。

完全破水と言われ、立ち会い予定の夫に連絡するように言われました。



今日出てきちゃうね爆笑 と苦笑いの看護師さん。

明日の無痛分娩は消え、まさかの今日、自然分娩で産むことに。



血圧どうなっちゃうの…ネガティブ


もうこれ以上痛くないっていったじゃん…ネガティブネガティブ



いきんで脳出血したらどうしよう…と不安になりつつとにかく痛くて何も考えられない。



やだー! 麻酔打ってくださいー! 無理ーー!と言いながら泣いて痛みに耐える…。

夫に連絡するように言われ、頑張ってスマホをうてたのが「破水」「今日生まれる」の二言なのが笑えます爆笑

この先、痛みでパニック状態になってしまったので簡潔に。




17:48

・お産までまだかかるから夫には病院or近くで食事でもしててと伝えてと言われる(痛くて3文字くらいしかLINE打てない)

・とにかく痛くてベッドフレームにしがみついていたら右肩をつる

・テニスボールでお尻を押してもらうといきみ逃しがやや楽になることが判明

・産褥ナプキンLをあててもらうもジャージャー流れる羊水ですぐにいっぱいになる

・お水を飲みたいといったらダメだと言われる(なぜ)

・もうこのままいっちゃうね移動しよう、と聞こえる

・手術着着替えさせてもらい分娩室に行く準備(途中痛みで半裸のまま何度も止まる)




18:27

・夫に急ぎ分娩室に来るよう伝えてと言われLINE(「もう出る」「3階」「ピンポン」と打つのが精一杯。焦る夫)

・分娩室までまさかの徒歩(お産を進めるためらしい)

・廊下に出て向かいの部屋に行くだけなのに痛みで歩けない(廊下で泣く)

・分娩台に上るの大変(踏み台をのぼった勢いで分娩台に立ってしまい止められる)

・分娩台で横になりひたすら丸まって痛みに耐える(足置き場いつ使うの)

・助産師さん4人で分娩の準備をテキパキこなし、途中何度も内診される(もう痛みで内診も何も感じない)

・陣痛室にいた3人が同時にお産になったようで、助産師さんが左右の部屋に消えたり戻ったり慌ただしい(誰が一番早いかレースみたいになる笑)

・ベテランの助産師さん1人を独占し、ひたすらテニスボールでお尻を押し続けてもらう




18:40

・分娩室に夫到着

・テニスボールの役目を夫に交代されそうになり、ベテランさんの腕を掴んでしがみついて泣いて懇願して継続してもらう(夫じゃポイントも強さもてんでダメだった)

・相変わらず水は飲ませてもらえないけど口をゆすぐのはOKといわれゆすぐ。口がカラカラ。

・子宮口8㎝。

・痛みで体がおかしなりそう。壊れちゃうと泣きわめく。パニック。

・夜勤の女医さん到着。産む体制に入る?

・手前はいい感じだけど奥の方がまだ開ききっていないと聞こえる。

・もう無理出したい出したいと懇願。

・9㎝だからダメと言われる。

・勝手にいきんだらダメ!!っと両肩掴まれ止められる。泣く。

・と思ったら今度はいきんでいいと言われる。

 



1回目

・分娩台に横向きに丸まって寝たままいきむ(足はー???足は乗せなくていいのー???)

・どういきんでいいのかわからないけど、ただひたすらに羊水が流れ出ていく。呼吸なにそれ。



2回目

・足を分娩台の足置き?に乗せて本格的にいきむ。

・手で握るレバーを押すようにいきむと反対!引き寄せるの!と言われる(無理痛い)



3回目

・いきみながら声を出しちゃダメ!!目を閉じちゃダメ!!と言われる(そんな無茶な)

・吐きたい、気持ち悪い、吐きたい、気持ち悪い。

・今までで一番長くいきむ。

・かかとで押すようにいきむとほめられる。



すると、血圧がよくない&赤さんの心拍が落ちてるっぽく「次で出さないとまずい」と先生の声が聞こえました。

ここまできて今さら帝王切開は勘弁だから出さなきゃ…と思っていると「切りますねー」とシェイバーで剃られる音が聞こえる。会陰切開の感覚はなし。麻酔?もわからない。

とにかく体が消えてしまいそうに痛い。



4回目

・これで最後にしなきゃといきむ。

・いい!!と先生の声が聞こえるも出しきれない。

・助産師さんに馬乗りになってお腹を押される。



「後少し」と先生の声が聞こえ、助産師さんが再びお腹を押すと「違う違うそっちじゃない!」と。

ああ、私のことかとお腹に少し力を入れる。もうクタクタで少ししか力が入らない。



19:02

赤さん誕生立ち上がる



膝の向こうに今までいなかった人間が見える。



「お母さんそっくりでまっしろ!」

と聞こえる。赤子が白い…?どういうこと??と飛びそうな意識ではてなだらけ。


すると「あーあーたすき掛けだ」と助産師さん。

首や肩にへその緒をグルングルンに巻きつけていたようで(夫が目撃)、新生児用のベッドに連れて行かれ、へその緒を外して吸引して初めて産声。



破水から約1時間半の超スピードお産でした真顔



感動とかいっさいなく、ただただ体が痛くて疲れて意識がもうろうとしている私。

メガネもコンタクトもしていないので、そもそも遠くの赤さんはぼんやりしか見えません。

何が起きたのか現実についていけない感じ。



体重を測りに連れて行かれる赤さんと一緒に、外に出される夫。




後陣痛が始まる

お腹を押されながら出し切るのですが、とにかく痛くて「もう痛いのやだー…やだぁ…!」っと泣き叫んでやめてくれと懇願昇天

胎盤やらを出すのは下痢のような感覚で、空気が混ざったようなブブッドロドロドロという音がしました。

(後から怖くて聞いたけど、お産の間は特に失禁はしていないそう)


その後の会陰切開の縫合が異様に長くて、出血が止まらないとかなんとか聞こえてきました。

お産が早すぎたことで子宮頸管にも傷と擦過傷ができてしまい、中は溶ける糸で縫合したそう。

レジデントの先生と交代しながら指導しつつの縫合でとにかく長く、途中で腰が痛くて痛くて何度も止めてもらうことに…。



20時半

ようやくカンガルーケアで赤さんと対面。

初めての家族3人の時間だけど、とにかく痛みで呆然としている私。



「わぁ、生き物がいる」

「誰にも似てない赤子だなぁ」

「毛むくじゃらだなぁ」



が初めて対面した感想でした。


本当にお猿さんのように腕も背中も毛むくじゃらで、新生児ってこんな感じなのだとびっくり。

赤さんはとても眠たそうで「何で起こされたの…不満」っと迷惑そうな顔をしていました爆笑

夫は感動してウルウル。



21時過ぎには解散。

夫は帰路へ、赤さんは新生児ルームへ。

しかし、私は発熱してしまいなかなか部屋に戻れず、病棟へ向かったのは23時を過ぎた頃でした。




まだ続く…。