■初級 14.寸法値を編集/修正 | AutoCADマクロ屋本舗
通常、寸法値の編集は
"DDEDIT"[文字編集]コマンドで寸法値を選択し
マルチテキストで編集しますね。

寸法値は必ず、< >で表示されます。


例えば、寸法値に( )を付けるマクロを作成しましょう。
これをマクロで実行するには2通りあります。


■その1
システム変数 DIMPOST[接頭/末尾表記]

を使用します。

これは寸法値として、数値の接頭部もしくは接尾部に付加するコトが出来ます。


システム変数 DIMPOSTを使用して
法値に( )を付けるマクロを作成しましょう。


1)寸法スタイル上書きコマンド[DIMOVERRIDE]を実行
^C^C_dimoverride;


2)DIMPOST[接頭/末尾表記]を実行
^C^C_dimoverride;dimpost;


ここでコマンドラインに
寸法スタイル変数の新しい値を入力 <>:
と表示されるので以下の様に記述します。

3)寸法値に括弧を記入
^C^C_dimoverride;dimpost;(<>);;


このマクロで、寸法を選択すると
AutoCADマクロ屋本舗-level114-01

この様に、寸法に( )を付加する事が出来ます。
もちろん他にも、"φ"や"R"等も付ける事が出来ます。


ただし、この( )の付いた寸法値を、"DDEDIT"[文字編集]コマンドで見てみると
AutoCADマクロ屋本舗-level114-02
寸法値"<>"に括弧が付いているのではなく
寸法値として"<>"の中に含まれています。



次は、寸法値に文字として( )を記入する方法です。

■その2
もぉ1つの方法は、"DIM1"[寸法記入]コマンドを使用します。

このコマンドはヘルプには記載されていません。^^;
古いバージョンのAutoCADで使われていたコマンドです。

ですので、覚えておくと大変便利です。

まずは、普通にDIM1[寸法記入]コマンドを実行してみましょう。
コマンド: dim1

DIM(寸法記入):

コマンドラインに、この様に表示されます。
この"DIM1"[寸法記入]コマンドは、コマンド単体では機能しません。

"NEWTEXT"コマンドを使用します。


使い方は・・・
コマンド: dim1

DIM(寸法記入):newtext
 ※又は"new"でもOK

すると、寸法値"<>"が記入された
マルチテキストエディタが表示されます。

このコマンドは寸法値を修正する為のコマンドです。


しかし、マクロでマルチテキストエディタが表示されてしまっては
マクロの意味が無くなりますね。

ココで、このマルチテキストエディタを表示させない為には
あるコトをしなければなりません。

前回、システム変数"FILEDIA"でダイアログを非表示にしましたね。
しかし・・・
このマルチテキストエディタは、システム変数"FILEDIA"の値を変えても
非表示にはなりません。


では、ど~するかと言うと・・・

システム変数"CMDDIA"
を使います。

"FILEDIA"はファイル操作のダイアログ(FILE[ファイル]+DIA[ダイアログ])で
"NEW"[新規作成]コマンドや"SCRIPT"[スクリプト実行]コマンド等の様な
ファイルを指定する為のダイアログの表示/非表示です。

このシステム変数"CMDDIA"は、コマンドダイアログ(CMD[コマンド]+DIA[ダイアログ])
の表示/非表示です。


コマンドダウアログとは・・・

例えば、PLOT[印刷]コマンド等で表示されるダイアログの場合
最近のバージョンでは、印刷コマンド等"-PLOT"の様に
コマンドラインオプションが存在し、ダイアログを非表示操作出来ますが
古いAutoCADのバージョンには
コマンドラインオプションが存在しなかった為
このシステム変数"CMDDIA"で表示/非表示をコントロールしてたのです。
※最近のバージョンでは、"CMDDIA"の値を0にし
 "PLOT"コマンドを実行しても非表示にはなりません。


その為マクロで、"DIM1"[寸法記入]コマンドの様なコマンドでは
ダイアログの表示/非表示をコントロールする場合
このシステム変数"CMDDIA"を使用しなければなりません。

他には・・・
"QLEADER"[クイック引出線記入]コマンドでの
テキストエディタの表示/非表示をコントロールします。


それでは、マクロを作成してみましょう。

1)SELECTコマンドを実行
^C^C_select;\


2)システム変数"CMDDIA"を実行し、変数値を0に変更
^C^C_select;\_cmddia;0;


3)"DIM1"[寸法記入]コマンドを実行
^C^C_select;\_cmddia;0;_dim1;


4)寸法値書換えコマンドを実行
^C^C_select;\_cmddia;0;_dim1;newtext; ※又は"new"でもOK


5)寸法値に括弧を記入
^C^C_select;\_cmddia;0;_dim1;newtext;(<>);


6)直前の選択"P"でオブジェクトを選択
^C^C_select;\_cmddia;0;_dim1;newtext;(<>);p;;


7)システム変数"CMDDIA"を実行し、変数値を1に戻す
^C^C_select;\_cmddia;0;_dim1;newtext;(<>);p;;_cmddia;1;



このマクロで寸法を選択すると■その1の様に
AutoCADマクロ屋本舗-level114-01
寸法値に( )が記入されます。

この( )の付いた寸法値を、"DDEDIT"[文字編集]コマンドで見てみると
AutoCADマクロ屋本舗-level114-03
■その1とは違い、寸法値とは別に前後に括弧が付き
( )は寸法値に含まれません。



この2通りの寸法値編集マクロの作り方と
システム変数"CMDDIA"は必ず覚えておきましょう。


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