文字にしたりするのがとても難しい事を、僕は昨日書きました。
ましてや、悲しみに暮れているご家族を前にして、直にあのようなことを話すのは、人としてどうかとも思えます。
だけど、僕は前に一度、それをしたことがあります。
いえ、正確にいうと「その場」ではなかったのですが、僕はブログで、そのご家族に向けて、心から溢れ出てくる言葉を綴りました。
どれくらい前のことだったのか…
調べたら6年前でした。
僕がアルマの預かりをしていた頃のブログ
「トトの間へようこそ」
2014年5月13日に書いたものです。
2014年5月8日
優しいご家族に迎えられ、幸せな毎日を過ごしていた“おん”が亡くなりました。
“おん”は、僕が担当した預かりっ子ではありませんでしたが、預かりさんとは親しくさせていただいていましたので、預かりさんが帰省する時に、うちで3日ほど“おん”と一緒に過ごしたことがありました。
“おん”は大変な甘えん坊でした。
“おん”を迎えてくださったご家族は、そんな“おん”に惜しみない愛を注ぎました。
“おん”は、大好きだったはずの人間に一度捨てられたという過去など、一切思い出すことはなかったではないかと想像します。
ずっとこの幸せな時間が続いて欲しい…“おん”もご家族も同じ気持ちだったことでしょう。
泣き崩れるご家族
「おん…おん…」
何度も呼ばれる名前
僕も涙を堪えることができませんでした。
かける言葉がありませんでした。
その場では、かける言葉がありませんでしたが、帰りの車の中で僕は、昨日書いたようなことを考えていました。
もちろんまだまだ、ご家族と“おん”との時間は必要でした。
でもいつの日か、こちらのご家族には、また保護犬を迎えていただきたい。
だけど
優しいご家族は、きっとこう思われるのです。
「“おん”をこんなに愛しているのに、別の犬など…」
僕は、優しいご家族が感じてしまうであろう、そういう「罪悪感」のような「うしろめたさ」のような、そういうものが、全く「罪」でも「悪」でも「うしろめたい」ことでもない…ということを、どうしても伝えたかったのです。
そして書いたのがこのブログでした。
ご家族を傷つけてしまったらどうしよう…
書いてしまった後で大いに心配しましたが、預かりさんが寄せてくださったコメント
「おんの里親さまには、けいせつさんの気持ちがしっかり伝わったようです」
に救われました。
そして、その後
どれくらい経ってからだったでしょう。
あれは確か、彩湖・道満グリーンパークじゃなかったかな。
“おん”のご家族と再会しました。
新しい家族が一緒にいました。
熱いものが込み上げてきました。
おん
ありがとう。