野良犬が産んだ子犬たち(3) | けいせつ基金 〜空の下でハミング♫〜

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茨城県を犬殺処分ワーストから脱却させるために立ち上げた基金です

「あの母犬も、なんとか捕獲して手術してあげたいのですが…」

Iさんのご主人さんです。

「だけど、どうもあの母犬は捕まりそうにありません。どうにかできないものでしょうか?」

そうですね。
捕獲器にも入らないような犬の場合、僕はフェンスを使って捕獲したことが何回かあります。
それを試してみましょうか?

ただ…
野良犬の捕獲には、クリアしなければならない問題があります。

その子を捕獲した場合
どなたか、飼ってくださる方はいますか?

猫のように手術して放す…ということが、犬ではできないんです。

「そうなんですか?しかし、そのまま何もしなければ、出産を繰り返すでしょう。
その度にこうして子犬の里親募集をするのは、私たちにも限界があります。」

おっしゃる通りです。

「飼い主が決まらなければ、母犬はどうなってしまうのでしょうか?」

現行法を文言通りに解釈すれば(別な解釈をする方もいるかも知れませんが)、住民からの依頼があった場合、捕獲されてセンターに収容されることになります。

もちろんその場合には、Iさん自身が捕獲する義務はなく、行政に依頼すればやってくれるはずです。

ただし
野良犬生活が長く、人に慣れていなくて警戒心が強い中型雑種は、必ずしも命の保証はありません。

「そんな…かわいそうな…」

はい。しかし不妊手術をしてあげないと、ずっと出産が繰り返される恐れは…おっしゃる通りあります。

「うちは高齢の夫婦で、2匹が精一杯です。だからこうして、子犬の里親さんを探して…。
角さん、あの母犬は、うちの庭にけい留してあげるだけでも大丈夫ですか?」

はい!
Iさんが飼い主として市役所に登録し、首輪をつけてちゃんとけい留してくだされば、何も問題はありません。

「そうですか!そしたら私たちが飼い主になります。
長く外で生活していた子なので、急に家に入れるのは難しいと思いますが、少しずつ家の中に入れてあげるよう頑張ってみます」

ホントですか!
ありがとうございます!

「今は子犬のお世話で手がいっぱいです。子犬たちが離乳して、それぞれ新しい家族に迎えられた頃、ちょうど次の妊娠のリスクも高まっているでしょうから、その時に保護のお手伝いをお願いします」

わかりました。
そしたら1月頃ですね。

頑張って保護しましょう!

これで
野良犬が1匹減ることになります。
いつまで続くかわからなかった繁殖を止めることができます。

Iさんが「飼い主になる」と言ってくださったおかげです。

本当にありがとうございます。

こういうことがセンターの外で起こっていることも、センターに報告しないといけませんね。

そうそう
子犬の里親さんは、あと2匹決まっていないそうですが…
Iさんは充分に、この子たちのためにできることをしてくださっています。

それでも結果的に、里親さんが決まらない場合は

離乳してからセンターにお願いするのであれば、それは正しいことだと思いますよ。

今のセンターは、収容数も適正数を完全にオーバーしている上に、たくさんの乳飲み子を抱えていまして

それをセンター長をはじめ、職員さんたちが休み返上で、交代交代授乳して命を繋いでいます。

目の開かない状態でセンターに収容するのは、センターにも負担が大きく、乳飲み子たちにも良いことではありません。

8匹(9匹)中、残りの2匹になるまで授乳のお世話をしてくださり、里親探しに努力してくださったのですから、もう充分でしょう。

必要であれば僕の方からも、この経緯をセンターに説明します。

その頃まで育っていれば、センターに収容されても、幸せになるチャンスはきっと大きいと思います。

それか、もしかしたら
けいせつ基金に協力してくださる愛護団体様から、センターに収容する前にお声がかかるかも知れません。

そうなれば、センターに収容する必要はありません。

センターも大変努力してくださっていますが、やはりたくさんの犬猫がいますから、ウイルス等のリスクも無いわけではありません。

必要ないのであれば、あえて収容させる意味はありませんし、センターの仕事をいたずらに増やす必要もないでしょう。

だから、子犬についても最終的には大丈夫です。
そこは安心しつつ、これからも2匹のご家族探しをよろしくお願いいたします。

それでは1月に!
よぉし
頑張って保護しましょう(^^)