ペットショップで買ってきた犬なら、当然飼い主が全ての責任をもち、全ての費用を負担すべきです。僕でもそう思います。
雑種の場合、ペットショップで売ってませんから、「雑種である」と確認できただけで、まずほとんどの場合、けいせつ基金の助成対象になります。
「雑種か否か?」は、実は「ペットショップで買ったか否か?」を判断する、一番手っ取り早いリトマス紙として使っているわけです。
だから、彷徨っているワンコを保護してくれたのであれば、純血種でも助成の対象にしたことが、実はあります。
鉾田市は、別荘が点在する土地でもあります。
あろうことか、別荘に犬連れで遊びに来た人の中には、帰りには犬を置き去りにする…いわゆる「犬捨て山」にしていく輩が現実にいます。
こんな場合は、雑種も純血種もそんな区別はしません。当然、助成の対象にします。
しかし、逆に雑種でも対象にしなかった場合があります。
ある訪問先では、十匹ほどの犬がいました。
電話では、助成を希望しているのは雑種ということでした。
見ると確かに雑種でした。
売っていませんから、貰ったものに間違いありませんでした。
間違いなく鹿行地区のメス犬でした。
そこにいた他の犬は全て純血種でした。
飼い主は、ダックスを指差し
「これ、誰かもらってくれねぇかな?」
そう言いました。
「メーカーもんだぞ」
と言いました。純血種だと言いたいのでしょう。
「残念ながらうちでは、保護や譲渡は引き受けていません。それでも心当たりを聞いてみることはできるかもしれません。こちらの雑種の子の里親さんを探すつもりはありますか?」
そう尋ねました。
そしたら飼い主は
「これはダメだ。今一番かわいがってるやつだから。ダックスを持って行ってくれよ。メーカーもんだから。」
と言いました。
僕の心は決まっていましたが
「一度持ち帰って検討します」
と言い残してその場を後にし、帰りの車の中で電話し
「今回は助成の対象にならないということになりました。」
と伝えました。
理由は言いませんでした。
アニマルホーダー、少なくともアニマルホーダー予備軍と言える飼い主でした。
その後、何度も何度も繰り返し、あの判断で正しかったのかどうかを考えました。
しかし、結論は変わりませんでした。
僕のポケットマネーならいざ知らず、今回の件を、支援者の皆さんに説明して、納得してもらえる自信は1%もありませんでした。
もし必要だと考えれば、僕は自分のお金で何かするかもしれませんが、ああいう依頼に、けいせつ基金のお金を使うことなど絶対にできません。
自分の趣味で、積極的に、好きで貰って来たワンコならば、お金を出していなくても、ペットショップで買い求めたのと意味は何ら変わりません。
時にはこういうケースもあるんです。