ポイントのトリック | カード会社の淘汰・再編
伊勢丹の成功を見て、各社ともデータベースマーケティングの重要性に気づき、相次いで顧客情報システムの整備に乗り出した。

しかし、伊勢丹ほどの顧客データを整備するには、高島屋、三越などでもまだ4~5年はかかるといわれている。

業界には「2対8の法則」というのがある。

これは2割の顧客が売上の8割を支えているというもので、伊勢丹の場合はアイカード会員2割がカード売上の8割を占めている。

当然、その会員は優良顧客だから7%の割引特典を受けている。

売上の8割を7%引きでサービスしているのだから、持ち出しは他社に比べて大きくなるのは当然だ。

一方、高島屋では7%というポイントを付与しているが、買い物券の交換にトリックがあって割引率はかなリセーブできている。

まず、ポイントの有効期間は1年間のみで後は失効してしまう。

買い物券の交換を忘れたり、端数は切り捨てになったりして実質は3%ほどだ。

さらに還元分の90億円はお買い物券だから、再び高島屋の売上となって計上される。

その意味で利益が吐き出しになる伊勢丹に比べると断然有利と見る向きもある。