TC研究会の藤森です。今回は、クライアントさんを良い状態に導くアプローチ方法の1つ関節マニュアルアプローチについてお話します。

突然ですが、皆さんの前に、股関節の不具合で歩行動作が上手くできないクライアントさんが訪れました。

どんなアプローチをしますか?

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股関節周りの筋肉が硬いからマッサージで緩めよう
股関節周りの筋肉が弱いからトレーニングで鍛えよう
アライメントが崩れているからストレッチポールで整えよう
使い方が悪いから歩く練習をしよう
などなど、皆さんのバックグラウンドによって、たくさんの解決策があるかと思います。

医療業界・フィットネス業界には様々なアプローチ法が存在しています。それぞれの考え方をベースに、その方法も徒手で行うものから道具を使うものまで多種多様です。
今あるアプローチ法は、先人の知識・創造・発想・ひらめきなどが生み出した産物です。
どれが良い悪いではなく、全て患者さんを良くしたいという共通の思いから発展してきた素晴らしい手段です。

そして、これら様々なアプローチ法は大きく分けて、全体へアプローチするか、局所へアプローチするかに分類されます。

患者さんをみていくことが前提ではありますが、局所(木)と全体(森)という視点は見逃せません。
これらも、どちらが良い悪いではなく、局所を考えながら全体をみる、全体を考えながら局所をみるといった相互の関連性が考慮できること(ミクロとマクロの視点)が大切になってくるでしょう。

人間は組織ごとに切り離せるものではないから、全体へのアプローチだけで良いという意見もありますが、局所アプローチの必要性も十分あります。

例えば、音楽(全体)は、一音一音(部分)分解して聴くものではありませんが、ある一音の印象が全体の調和を乱すことがあるでしょう。
音楽(全体)も単音(部分)の連なりによって成り立っていますので、ある一音が欠ければその音楽はその音楽として成り立たなくなります。ですから、部分へのアプローチも必要です。

同じように、股関節の不具合で歩行動作が上手くできない人に股関節の筋肉(局所)を緩ませることは歩行動作(全体)の改善にはなるかもしれませんし、
身体にとって効率的な歩行動作を学び、覚えることで、股関節(局所)の不具合が良くなり、歩行動作(全体)も改善されるかもしれません。

このような全体と局所の両面からのアプローチは、相乗効果が期待されます。

そして、関節マニュアルアプローチ(JMA)も効果的で有効な手段の1つになります。

関節マニュアルアプローチは、関節(骨と骨)を直接動かしていく技術になります。先ほどの分類からすれば局所(関節)へのアプローチになりますが、骨の動きを伴った技術も用いるため、全体(動作)の要素へと発展させることを可能にします。

単に局所だけをみるのか、全体の中で局所をみるのか、似て非なるものです。

クライアントさんを良い方向へ導くアプローチ法の1つに、関節マニュアルアプローチ(JMA)を習得してみませんか。

一般に言われる背筋は解剖学的には

 

表層の筋

広背筋

胸腰筋膜

 

中間の層

     ┏ 胸最長筋ー胸部繊維(始止が胸部の繊維)

脊柱起立筋 

     ┗ 腸腰肋筋ー胸部繊維(始止が胸部の繊維) 

 

深部の層

多裂筋

胸最長筋ー腰部繊維(始止が腰部の繊維)

腸腰肋筋ー腰部繊維(始止が腰部の繊維)

 

によって背部が覆われている

 

 

 

図にもあるように

中間層の2つの筋をまとめて、脊柱起立筋と呼ぶ。

 

 

脊柱起立筋は胸腰部伸展の主働筋として働く。

(胸腰部伸展の50%を担っている)

 

脊柱起立筋は緊張性の姿勢筋に分類されており

両側の緊張・短縮は、胸郭の後方移動変位または後方回旋変位を起こし、腰椎前弯亢進の原因にもなる。

 

 

多裂筋の一番の働きとしては腰椎間の分節的支持・制御である。

(腰仙伸展に20%しか貢献しておらず、文節的支持・制御に最も貢献していると考えられる)

 

多裂筋は腰部の筋の中では最も内側に位置する筋である。

腰椎から仙骨にかけて脊柱起立筋群の大きさは少しづつ減っていき、その変わりに腰椎多裂筋の筋腹の大きさが増してくる。

多裂筋が腰仙移行部においては、最大の筋肉になっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

筋は様々な方法で分類することができるが

 

グローバル筋

ローカル筋

 

に分けることができ、非常に重要な分類となる。

 

グルーバル筋

 

プライマリー筋とも呼ばれ、一般には多関節筋である。

グローバル筋の主たる働きは、主運動を起こすことである。

例)

膝関節屈筋である→大腿二頭筋

膝関節伸展筋である→大腿四頭筋

 

 

一方ローカル筋とは

 

 

セグメンタル筋とも呼ばれ、単関節筋であることが多い。

 

ローカル筋の主たる役目は椎骨の分節的な安定性であると考えられる

このような筋には関節可動域内を全般にわたって骨運動を起こすだけの力を発生することはできない。

大きな力を出すことができない代わりに

遠心性収縮を起こ、拮抗筋として運動を制御するなど、豊富な固有受容器から位置覚を中枢神経に送ったりなど脊椎の安定性の維持するのに非常に重要な働きをすると考えられている。

例)

腹横筋

多裂筋

 

 

グローバル筋とローカル筋のバランスの崩れは関節へのストレスを増加させる。

その為、ローカル筋のリハビリテーションの分野において重要視され始めている。