文法理解のお話。 | 豊永利行オフィシャルブログ「猫視眈々」Powered by Ameba

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気がつけばブログの更新が随分ご無沙汰になってしまっておりました。

マイペースに更新しておりますので、マイペースにご覧いただければ幸いです。

ルーズですみません!!!


さて、先日ツイッターで呟いていた「Project ANIMA」サクガン!のオーディションデータを聴いた上で「豊永は文法理解にこだわっていた」という件について、少しお話しようかなと思います。

一次オーディションに合格された20名の皆様、そして役者を志す皆さまの今後のちょっとした参考程度に読んでいただけましたら幸いです。



ただし、皆さまに誤解の無いように言っておくと。



豊永の書く持論が必ずしも正しいとは限りません!!
他の審査員の方や、別の考え方を持ってらっしゃる方も当然沢山いるという事をご理解いただいた上でお読み下さい。

そして、審査員という立場は豊永はまったくの初心者です!!
お手柔らかにお願い致します!!!






さて、上町顧問も各所で「どこに抑揚をつけるのかが一つのポイント」という事をおっしゃっていますが、僕も気にするところは似ております。

初めて聞かせていただいた時に、豊永的には「この方にとって、このセリフの一番大事なところはココなんだな」というような事を意識して聴かせていただいておりました。

その上で、豊永の好みとしてはリアリティを感じる事が出来るか?前後関係やその場所を想像させてくれるか?なんですね。

ここで難しいのは「リアル」ではなく「リアリティ」を感じるかどうか?という事。

ここはあくまで好みの問題で、作品の方向性や色に寄ってはこの好みを捨てた方が良い時もあります。
リアリティよりも、その場の状況を出来るだけ親切に、分かりやすく伝えたり、迫力満点に伝えたい場合もあるからです。

今回のオーディションも、勿論審査させていただく時はその事も加味した上で審査させていただきます。


で!


豊永の言う文法理解というのは、凄く簡単に言えば、そのリアリティを感じる言葉の置き方をしているか?という事です。

これ、文章で説明するのがとても難しいのですが…。

例えば、とても悲しく辛い、誰かが死んでしまった、みたいなシーンがあったとして。
感情の「悲」や「哀」や「怒」をセリフの中で常に表現し続ける事はリアリティがあると言えるのか?という「疑問を持つ事」が、役者として大事な事なのではないかと思っているわけです。

「私は今ずっと悲しいんですよー、悔しいんですよー」という情報をとても丁寧に声で説明してしまっている事に「違和感を覚えるかどうか?」

その悲しいという大きな情報よりも、このセリフの前にどんなやり取りがあったのか?
言葉を発する時に、その人物はどんな想いでこの言葉を選び、発したのか?

そして、それを表現する為、足掻いた跡が見えるかどうか?


楽しい事の場合は逆に、話せば話すほど楽しくなってくる事ってあると思うんですよ。
そうなってくると今度は言葉の意味とかよりも「楽しい!」というベースの情報が先走って矢継ぎ早に喋ってしまったり…なんて事もあると思うんです。


そういう「言葉の置き方」や「考え方の方向性」をキチンと決めているか?はたまた野生的に演じているか?を豊永は総称して「文法理解」と書いておりました。
もしかしたら「感情理解」の方が正しいかもしれません。


そして、何故ここに拘るのか?



勿論、メモには他にも色んな事を書き留めておりましたが、大前提として豊永の言う「文法理解」が深ければ、他のオーダーやディレクションにも対応出来る上、この人はここまで深い事を考えられる人なんだ。と把握する事が出来ると考えているからです。
更に、監督サイドの複雑なオーダーにも対応できるだろう、という意図の元、書かせていただきました。

無意識であればまた話は変わってきますが、それが出来るならばその人こそ「天才」だと僕は思います。


よくお芝居の稽古やワークショップなどで、まずは大きい芝居をした方がいい、という事を僕自身も言われ続けてきました。その理由の一つに「抑えていく事の方が簡単だから」というのがあります。


心を作る時も同じ事が言えると僕は思っていて、
深く考えれば考えるほど、繊細にしていけばいくほど、シンプルなお芝居やフラットなお芝居もしやすいのではないか?という事です。


コツやポイントさえ押さえてしまえば、一つの感情をベースに言葉を紡ぐ事は割と簡単、というか出来て当然なんですよね。
言葉って最終的には全部「音」という記号なので。

そこから更に深掘りし、この人物はこの言葉を紡ぐ時こんな事を考えている、だからこういう節回しや躊躇いの間や声の強弱、震え、口角の上下や喉の開き方などが変わっていく。
そうする事で初めて、アナタしか出来ない「個」そして「キャラクター」が生まれるのではないか?と考えています。


なので「抑揚って、どこに付ければいいんですか?」という疑問にはお答えするのが難しいのです。
アナタが出す表現はアナタから生まれ、アナタにしか出来ないものだから。

そんな唯一無二のモノを、豊永は感じ、感動し、グッときたり爆笑したり一喜一憂させていただけたら、幸せだなあと思います。


とは言え、頭でこんな事を細かく考えながら喋ろうとしたらなんも出来ないっす!(笑)
なのでそういった事を踏まえた上で!
心で表現していこう!と豊永は都度演じております。


そして元々の声の性質、みたいなものもありますので、これがいくら出来たとしても、キャラクターに合わない、なんて事も往々にしてございます。

だから、難しいし、楽しいんですけどね♪

俺もオーディション落ちまくってるし。

決まった時は飛び跳ねて喜んでるし。




まだまだ書きたい事はありますが(原作が無い作品はどうなるの?とか。)
コレはひとまず内緒、という事にしておきます。


以上が、豊永の思うお芝居、そして文法理解、感情理解のお話でございました!!

他の審査員の皆様がどういう傾向で選ばれるのかは分かりません。
が、豊永は少し繊細な部分に焦点を当てて見させていただこうかと思っています。

これからも、勉強させていただければと思います。

そして、勿論一般で投票されている皆様は、この子の声可愛い!!とか、純粋に好き!!メメンプーちゃんこの子がいい!などの理由で構わないと思います。
参加している側からすれば物凄い緊張感とプレッシャーだと思いますが、一般の皆様はそこに責任を感じる必要は無いと思いますので( ̄▽ ̄)
どうか、気兼ねなく。


そして、役者を志す皆様は、ご自身が「楽しい」と思えるお芝居をこれからも期待しておりますし、豊永も提供出来るよう、精進して参ります…!!!