もちろん数字の面で根拠をつける手段も書かれている。
それでも多くは数字と同等かそれ以上にビジョンが大事と書かれている。
なぜビジョンが大事なのか、その答えは「人脈」にあるようだ。
独立して成功するかどうかの一番の鍵は、自身のビジョンについてきてくれる人がいるかどうか、のようだ。
マーケティングコンサルタントの池田紀行氏は著書で、「世の中はすべて『人脈』で決まるという現実を受け入れよう」とさえ記している。
経営コンサルタントの磯崎哲也氏も著書で、「一般論的にいえば、事業には世の中の森羅万象が影響してきます」とさえ述べられている。
結局は「人と人のつながり」が重要だというのです。
数字や財務諸表というのは「人と人の取引関係(契約)の結果が反映されたもの」とも言えるそうです。
「ソーシャルグラフ」というものをご覧になったことがありますよね。
SNSにおいてその人がどの人とどのような距離でつながっているかを図式化したものです。
磯崎氏は、ベンチャーに必要なのは、「『イケてるソーシャルグラフ』の中にうまく入り込めることが重要」と言います。
つまり自分のビジョンを達成するために、「資金をだしてくれる人にたどり着いたり、人材などを見つけ出したり、営業で成果を上げる能力があること」がベンチャー企業の要件といえるのです。
これから財務諸表を一から勉強しようとしていた身としては目から鱗でした。
そして、これまで感じてきたことを明快に指摘してもらったようにさえ思います。
自分自身の社会人のスタートは間違いなく乙武洋匡との出会いでした。
名刺交換の仕方さえしらない大学3年生が、最初の就職面接で乙武に直接面接されました。
自分が「大学を辞めてでも、この仕事をしてみたい」と言ったことで採用されました。
そこでは「一流の周りには一流がいる」ということを見事に体感しました。
実際、乙武からも「そこらへんの大学生が会おうと思っても会えない人と会える」と言われてました。
当時、その意味を完全には理解していませんでしたが、今となっては有名無名とわず蒼々たる方々にお会いすることができました。
清原和博選手(当時)に怒られたことや、王貞治監督(当時)から一番下っ端の自分にまで丁寧に挨拶してもらったことは一生忘れることはないでしょう。
そしてサニーサイドアップ創業者である高橋恵、ならびに代表取締役社長の次原悦子との出会いにも繋がりました。
乙武との面接以前に、どうしてもサニーサイドアップで働きたいんだとアポなしで受付を訪ねたとき、偶然、高橋恵会長(当時)と鉢合わせました。
そこで「給料が出なくてもいいという覚悟があるならいらっしゃい」と声をかけられました。
その時の自分の印象を次原社長に勧めてもらったことで、結果的に翌年サニーサイドアップ入社へと繋がりました。
そして次原悦子との出会いが、フジタミナ、為末大といった出会いにつながり、自分の仕事の成果に繋がったように思います。
自ら飛び込んでいったとはいえ、全てが偶然のつながりであり、自分自身が引き寄せたとは思えないものがほとんどです。
事実、為末大のマネージャーを外れ、井口俊和として出版社を回ったときには誰も相手にしてくれなかったこともありました。
その時に感じたのは、自分の能力の小ささと為末大やサニーサイドアップという看板の大きさをまざまざと実感させられました。
さらに自分自身がうつを抱え、世の中に貢献できなくなるとどんどん人が離れていくことも体感しました。
最後は生涯をともにすると誓った妻にまで見放されたときには、自分の生きている価値を疑いました。
そんなときでも娘に頼られたことで、自分の存在する意味を見いだしました。
またどんな状況でも支えてくれた両親のおかげで、今も生きていることができています。
人と人との出会いはほとんどが選べないものです。自分の親や子どもも選んで誕生していません。
ただ、その出会いをどう捉えてどう生かすかだけが、もしかするとその人の能力なのかもしれません。
これから起業するにあたって、中には不利益を被る人との出会いもあるでしょう。
それでもその人とのつながりが何か教訓を教えてくれたり、次の新たな出会いを生むかもしれないのです。
だからこそ、自分を中心としたソーシャルグラフをこれからは築いていきたいと思います。
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