「ダンバーの定説(
ダンバー数 )によると、人間がもっとも安定した関係を維持できるのは150人かそこら」だという。
それが、インターネット並びにSNSの登場によって数千人、数万人、著名人に至っては数百万、数千万人と繋がることが出来るようになった。
Lady Gaga はfacebookに5,000万人もの友だちがいる。
事実、facebookの友達数の平均は日本では約100人、アメリカでは約130人。
これくらいの友達数に留めている人は恐らくリアルな人間関係とfacebook上の関係を連動させているのではないか。
これを越える数、例えば数百、数千人と友達になっている人はSNS登場前には繋がりきれなかった人との関係も築き始めている人といえるだろう。
例えば、ビジネスやパーティで名刺交換をしただけの人、合コン街コンで知り合った人など、今までであればそこから友だちになり長い付き合いになるにはどんどん可能性が低くなっていた。
それは相性以前の問題で、単純に接触する時間の長さに比例していた。
さらに大抵の人はすでに100~150人の人と付き合いがあるので、その枠を削って新たな人を追加するのは単純に面倒なのだと思う。
実際、自分も10年近く社会人として過ごす間に、数千人の方と名刺交換をする機会があった。
恐らく、社会人の人の平均よりは多いペースで名刺交換をしていたと思う。
なぜなら、著名人に同行していたためである。
そして大変残念ながら,そのほとんどの方の顔も思い出せない。
恐らく著名人の方々のほとんどはそうだろう。
著名になればなるほど、周りに関わる人は当然増える。
はじめはこちらから営業をして、お仕事をもらっていたのが、TVで見て問い合わせがくるのだから当然だ。
全く知らない方からの問い合わせの割合が多くなり、携帯に一日中、知らない番号から電話がかかってくる生活をしていた。
すると自分の150人のキャパシティは途端にオーバーしてしまう。
なるべくこの150人の中で事を済まそうとしたくなる。
当然、初めて電話を頂く方とこれまで何度も顔を合わせている方とで対応が変わってしまう。
心理学でいう単純接触回数の法則だろう。
その人が好きというより、その人と何回接したかによって好意につながる。
さらに言うと同じ初めての問い合わせでも、対応が変わってくる。
もちろんこちらの話を聞いてもらえる方が、その場での感触は良い。
だが、実際には何度もしつこく接触してきた人の仕事を渋々受けていたようにも思う。
これも単純接触回数の延長で、営業電話は回数を増すごとに成立するパーセンテージはあがるそうです。
特に5回目以降がぐっと確率があがるというのです。
確かに5回もしつこく電話してくる人というのは、ほとんどいませんし、すでに嫌悪感も生まれています。
それでも、気持ちよくはないものの、初めて電話してきた人よりは近くなってますし、話しやすかったりします。
恐らくここで人間の心理が揺らぎ、気づくと150人の中に入っていたりするのです。
上記のような話は稀だと思います。
実際はこれまでの人生や環境によって、近くにいる150人とつきあって行くことがほとんどだと思います。
これが facebook や twitter の登場によって、劇的に変化しました。
会ってその日に「 facebook やってます?」という一言で友だちになることができるようになりました。
その後も、一日のうちの数分だけ iphone をチェックするだけで、その人の近況を見たりコメントしてコミュニケーションが取れるようになりました。
先ほどの話でいくと、単純接触回数を増やすチャンスが容易になったのです。
実際、自分は一日に午前と夕方、2回の SNS チェック時間を設けています。
それぞれ長くても15分くらいでしょう。
その間に500人近くの友だちのタイムラインをチェックして、「いいね」を押すことができます。
これを継続すると、その友だちに関する情報がどんどん増えて行きます。
1年に1回しか会わない友人や2回目に会う友人の近況を毎日のように知ることができるので、次に会ったときにまわりくどい話を飛ばして会話が進むのです。
逆に facebook 上で、自分の素性を明かしていない人は、普段何をやっていてどんな人なのかを知る機会が圧倒的に減ってしまいます。
まだまだプライベートを明かすのに抵抗がある人や、実際に著名人の被害などを見ていて及び腰になっている人も多いと思います。
かわいい女性等はストーカー被害につながることもあるので、その不安は人一倍でしょう。
さらにオープンにしすぎることも様々な弊害を生むこともあります。
自分自身、離婚やうつの現状をそのままオープンにしたところ、様々な反響がありました。
もちろん、人に迷惑をかけてしまった点は反省すべきこともあると思います。
逆にいうと、どこまでをオープンにするとどんな影響がでるのかをリアルに体感することもできました。
実はここにマーケティングとブランディングの違いが現れたりします。
広告やPRというのは基本的にマスをターゲットとするため、認知度向上のためどんどん情報を発信します。
情報の発信回数にともなって、接触回数が増え、親近感につながるというこれまでも触れた法則ですね。
それとは逆にブランディングというのは、情報を必要以上には出さず良いイメージを的確にターゲットを選んで情報を発信することが必要です。
場合によっては、謎が多いことの方が興味関心を得たりすることにも繋がります。
サニーサイドアップ が
中田英寿 のマネジメントで常にジレンマを抱えていた点もここにあったように思います。
PR会社であるサニーサイドアップの精神には、常に情報を発信して興味を引くというPRマンの魂が入っています。
社長の
次原悦子 自身のtwitterを見ていればすぐに理解できるでしょう。
それに対して、中田英寿をブランディングしていく立場の
フジタミナ は、必要以上の情報発信を制限することで、イメージを保ち、スポンサーやメディアとの仕事を成立させていました。
当然、ここでマーケティングとブランディングの対立する場面は多々発生します。
このバランスをうまく保ち、マネジメントできていた時、中田英寿の価値というものが最大化されたようにも思います。
ここで話が終わってしまうと、結局は著名人にしかできないことのように感じられます。
それでも先ほど記したように、これまで150人しかつきあうことのできなかった人間が、SNSを使用することで数千人とつきあうことができるようになりました。
これは何を可能にしたのか。
実はこれはいままで企業や組織に属していないと相手にすることができなかった数の取引や契約を一人で出来るようになったとも言えるのです。
そしてこれはフリーランスにとって非常に大きな変化をもたらしているように思えます。
さらに、ちまたで騒がれているノマドという言葉に象徴するようにインターネットが繋がる環境にさえいれば、どこでもコミュニケーションも取れるようになったと言えるのです。
実際にこの変化を目の当たりにしてきた状況では、24時間地球上どこでも仕事が可能になってしまったため、仕事から離れられなくなったとネガティブに捉えることもありました。
ポジティブにとらえると、自分で自由にアクセスする時間場所を選んで、生きることができるようになったと言えるのです。
自分自身ここに可能性を感じていますし、これまで間近でみることのできたマーケティングとブランディングの絶妙なさじ加減を駆使して、事業を成立することができるのではないかという期待感もあります。
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