加藤シゲアキ君の新作小説 | malaviyaのためいき

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今日地元の新聞で読んだんだけど、彼の新作がこの秋発表&発刊されるそうだ。ジャニーズのアイドルグループ「NEWS」の彼も、もう36歳なのか。

 

申し訳ないが、わたしはまだ彼の小説を読んだことがない。

彼のお母さんがうちの県出身ということもあり(それは知らなかった)、昭和20年8月14日の夜にあった、太平洋戦争最後の空襲の一つである土崎空襲を題材にした作品とのこと。構想は「オルタネート」が出たころから既にあったという。

土崎は秋田市の海岸沿いにある古くからの港町で、北前船などで栄えた町である。そして秋田市および近郊では石油が採れるのである。(今はもう、ろくに生産できなくなっているが、今でも掘削機械が動いている。しらずに見ると、巨大なつがいの平和鳥のようでもある))

ターゲットになったのは製油所のタンクだが、当然周囲の街も焼け、多くの人が犠牲になった。翌日には玉音放送もあったのに、いったい米軍は終戦を知らなかったのか、知っていたのに出撃命令を出したのか、それは知らないけど。もし知っていたならとんでもない話だが。😡

 

この空襲の事は県内でも若い人は知らないことが多いが、うちの義母は、その空襲経験者だ。秋田市近郊の田舎から、家業が思わしくなくて一家で東京に出ていき、下町で働いて和裁もたしなんでいた1920年生まれの義母。でも空襲で焼け出され親戚を頼って土崎に来ていたら、そこでも空襲に遭った。10歳下の妹を連れて逃げ、側溝に飛び込み、文字通り火事場の馬鹿力で畳を側溝の上に被せたという。おかげで体は無事だったが、その後、何にもなくなって今の夫の実家のある土地(当時ほぼ松林)を県にあてがわれ移住し、何とか生き延びてきたのだ。当時の婚約者は戦病死したらしい。結婚後、義父が脳卒中になったので、そのあとも義母の苦労は長く続いた。

そんな話をしてくれる義母は基本朗らかな人で、私を可愛いとおもってくれていたようだし、私も義母が好きだった。95歳まで家に居られて、家族で看取ることができて、良かったと思う。

 

加藤君の小説は「なれのはて」。9月22日発売の「小説現代」10月号に掲載され、10月25日に講談社から発行される。