6月劇場で見た映画(令和5年)~その1「怪物」~ | malaviyaのためいき

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6月劇場で見たのは、「怪物」「水は海に向かって流れる」「君は放課後インソムニア」「東京リベンジャーズ2 ハロウィン編 決戦」の4本。

 

 

沢山の人が思い思いにブログを書いている。私も「6月見たい映画」のブログで少し触れた。6月上旬にTBSの23時のニュースに是枝監督が登場するというので録画して見た。鑑賞後の人たちの感想を紹介していたが、「なんとも言い難い気持ち」であるという感想がとても多かったようだ。私もこの気持ちをどう整理したらいいのか、うまくできずにスッキリせず寝つきが悪かった。シングルマザー、小学校の担任教師、秘密を共有した子供たちと三者三様の視点で、同じ時間軸だが別々の状況が繰り返され、ようやくどんな事実があったのかがわかった。それでも母親により共感する人もいるだろうし、教師に同情する人も、子供たちを心配する人もいるだろう。

是枝監督は、その「なんとも言い難い気持ち」になってもらうことがこの映画のひとつの目的であるから、そう感じてもらえて嬉しいと言っていた。また、監督はもとマスコミ(テレビ)側の人であったから、マスコミの報道のありかたについても問題を投げかけているようだ。

個人的には、なぜ直接腹を割った話し合いができなかったのかと言うことがひっかかった。必死に子供を育てているシングルマザーには心に余裕がなくて、虐められているかもしれないと疑ったが息子からゆっくりと話をききだすことができず(子供は必ずしも本当のことは言わないものだ)、ママ友がいった担任のうわさ話も、うのみではなくてもやはり信じていたし、ほかの人たちに何の相談もせず学校に一人で乗り込んで談判した。(岡目八目なのだが、私だとその前に子供や周囲の人たちからもっといろいろ情報を得ようとするだろう。)

そういう態度だと今の学校はクレーマー(モンスターペアレント)だと戦き保身に走って、担任教師から詳しく話を聞くこともせず、マニュアルにあるような胸が悪くなるような謝罪しかせず、(本当に見てて気分が悪かった)何が問題なのかちっとも明らかにしないままに幕引きを図ろうとした。私には校長が一番気持ち悪かった。校長の噂だって本当かどうかはわからないが。

教師も自分こそ母一人の女手だけで育ったのだったが、事の重大さに気づけず(鼻血出させたときにすぐ父兄に一報入れるべきだった)、依里が悪ガキグループにいじめられていたことも分からず、生徒のことが見えていなかった。作文の秘密に気が付いたときにすぐ母親に話しに行ったのは、もともと生徒想いの人だったからだ。なのに拗れまくってマスコミ報道もされ、もうこの先教師人生はないかもしれない。(しかし子供たちは、なぜ先生が体罰を与えたわけではないことを言わないのだろう?初めから子供らに状況をきかないからか?ならあの「ためにする」ようなアンケートはなんなのだろう?)

子供の方も、大人を無条件に信頼する子たちではなかった。一人で頑張る母は亡父を子供の前では悪く言わないが、子供は父が不倫をしていたことをちゃんと知っている。もう一人のほうは母に見捨てられ父が普通の男の子と違う自分を精神病者か何かのように見ていることに傷ついている。だから誰にも内緒で自分たちの世界に入り、その外ではわざと喧嘩したりしてカムフラージュしているのだ。どうせわかってくれないと初めから諦めて。いじらしくて胸が痛い。

もっと直接本音で話し合ってよ~、と思う私は楽観的過ぎるのだろうか?「また聞き」や憶測だけで物事が進められていくのは凄く嫌だ。保利先生が退職したからと言って子供たちは幸せにならないのに。子供たちが秘密の隠れ家でやっていた「怪物あてゲーム(私は誰でしょうゲームと言った方がいいか)」は、すなわち自分がまわりからどう見られているか尋ねて、そのヒントから自分の素性を明らかにするゲームだ。じゃあ、人から見られている自分の有様と自分の実像は一致するのだろうか?完全に一致することなんてないんだろうな。

 

やっぱり怪物について書きだしたら長くなってしまった。

締まりのない文だったが、このあとの3本については、次のブログに譲ることにする。