あとの3本の感想を。どれも面白かった。


 

原作は田島列島さんの漫画だそうだ。例によって読んでないけど。

主人公は大西利空の演じる直達。彼は高校進学を機に、学校に近い叔父さんの家に居候させてもらうことになり、訪ねてくる。駅に迎えにきてくれたのは愛想のない女性(広瀬すず)で、初めて訪れたその家は、前にトーテムポールが立っていてΣ(゚Д゚)、叔父の家ではなくシェアハウスだったし、おじも実は会社を辞めて漫画家として生活していたのだった。締め切り前で焦っている叔父(高良健吾)のかわりに迎えに来てくれた榊さんは、不機嫌そうなまま彼に美味しい牛丼を作って振舞ってくれた。

実は榊さんが高校生の時、直達の父と榊さんの母が不倫して、両家に波乱があった。直達は事情がわからなかったがお爺ちゃんの家に預けられ暫く暮らし、同居した叔父とはそのときとても仲良くなったのだった。一方榊さんは母に詰め寄り、あなたも恋をすればわかるなどと言われ、それなら私は一生恋なんかしないと啖呵を切ったのだった。母はそのあと家を出て、10年の間全く会っていなかった。でも直達の家では母が父を赦して離婚はしなかった。そんないきさつを直達は知らなかったが、彼女は締め切りで動けない叔父に迎えを頼まれたときに、渡された年賀状の写真を見て気づいていたのだった。(その時点で能天気な叔父は過去の事件を知らなかったらしい💦(^^;))

そういう因縁のある二人が同居を始めたので、改めて物事は過去の清算をすべく動き出すが、直達は榊さんに惹かれていった。「私、恋愛しないので」と言う彼女。そんな彼女や直達をシェアハウスの同居人たちは温かく見守る。直達は彼女に「俺にも(その重荷を)半分背負わせてください」という。いいな、可愛い。男気あって、純で、若さゆえに行動力がある。彼女の心も、彼を男としてはなかなか見られないようだけど、だんだんほぐれてくる。彼女だって、正論でつっぱねるだけじゃなく、母に甘えたりわがまま言ったりしたかったんだよね、それが自分が意地をはったせいで10年も音信不通だったのだ。そして母はやっぱり再婚して新しい暮らしを平穏に送っていた。その生活に波紋を投げかけるつもりなんかなかったが、直達のおかげで母に会えて、やっと榊さんにも気持ちの区切りがつけられたようだ。

この作品では誰かと食卓を囲むシーンが実によく出てきた。結婚生活を含め「暮らし」って、結局誰かと一緒に食事することなのかもしれない。広瀬すずがいいのはもちろんだけど、フレッシュな大西利空が良かったな。昼行燈みたいな高良健吾もいい味出していた。原作を読みたくなった。

全く話の筋とは関係のないおまけ。私、榊さんが着ていたセーターを見て、反応してしまった。買おうかなとも考えたLL Beanのセーターだったから。これがそれ。

 

 

君は放課後インソムニア

 

これはもっと青春している感じの作品。これも原作は漫画らしい。

インソムニアとは不眠症のこと。高校生くらいの若い子で不眠症なんて珍しいと思うけど、後で彼らの不眠の原因が何なのかわかって切なくなる。

中見丸太(奥平大兼)は毎夜寝られず、自分といつも夜勤の父のために朝食を作って学校へ行くが、日中は眠気のためにぼーっとしている。不眠の悩みは親友一人だけに打ち明けているが、誰にも相談できない。ある日学校の天文台(土台高校にそれがあるって珍しいよね?)に行くと、先客が寝ていた。それが曲伊咲(森七菜)。彼女も不眠症を誰にも相談できていないという。普段誰も来ないこの場所は二人の秘密となり、たびたびここで憩うようになった。ある日彼らがここをアジトにしていることが保健室の倉敷先生(桜井ユキ)に見つかり、どうしてもここに来たい彼らは、部員がなく廃部になった天文部を復活させることを思いついた。倉敷先生とOBの白丸さんに知恵を借り、星空観察会を開き、また星空の写真で入選することを目標にする。

なぜ誰にも相談できないの?と不思議に思ったが、その理由は彼らの家庭環境や生い立ちにあった。家族に心配かけたくない、あるいは干渉されたくないという気持ちはそのためだった。(ここでは明らかにしないが。)

彼らおよびその友人たちの、青春している様子が眩しかった。舞台は石川県七尾市。田園地帯と海岸線のある美しい町。川にかかった7つの橋には願掛けの言い伝えがある。知らぬ間に恋に落ちた二人の気持ちが盛り上がった、満天の星空の下の縄文遺跡。その後におこった問題にも負けず、彼らは再び動き出す。急激に成長していく彼らの行く末を親目線で見守りたくなる。

MOTHER以来の作品では主演級ではなかった奥平君だが、いい役者だ。もちろん森七菜も。そして桜井ユキ、彼女も、「ホスト相続しちゃいました」のときとはまた違った頼りになる姐さん役。こういう役をやるなら今彼女が一番かなあ。山口紗弥加だともうちょっと歳が上すぎるな。

 

 

 

東京リベンジャーズ2、血のハロウィン編 後編「決戦」

言い訳がましく言うと、ハイ&ローのようなこういった映画は普段選ばないのだが、1のほうを見てしまっていたからその先が気になって、4月公開の前編「運命」と、今回の後編を見た。初日の最終の回に行ったら、シネコンの中では大きめのホールなのに結構席が埋まっていた。そして座ったら、周囲にいるお客は女性のほうが多い感じだった。なぜに?キャストのファンかしら、それとも原作のファンかしら?そういえばフジのeショップでは、東リベのグッズが売られていたが、アクスタでは高杉真宙くんの松野千冬のが早々売り切れていた。私はグッズ要らないけど。(^^;

 

そして初日だったせいか、入場時にこんな特典をもらえた。横長のキャラクター図。
 
その裏側はそれぞれの役を演じたキャストの写真だった。面白い。みんな良く原作の感じを出してる。
 

馬地、本当にいい役だったよなあ、今回。公開直前にあんなことがあって、無事に公開できるのか心配だったけど、個人で使用しただけだったためか映画は公開されて良かった。千冬が馬地を慕う理由がよくわかった。でもどうしても一虎の論理は理解できない。そして今回あっくんはほとんど見えなかった。

ヒナタの哀しみはもっともで、とても気の毒だったが、タケミチの決心には敬意を表したい。「生きて戻ってきて」と言った橘弟とはもう会うこともないかもしれないが。ちなみに私の好きなキャラクターはドラケン。

原作を知らなくても楽しめるし、尺が長すぎなくて見やすい。戦いの場面が長いが、よくみんなあんなアクションできるなあ。転げ落ちるのはスタントさん?そして殴られてすぐ腫れた瞼で画面に映るのは、編集がうまいから?とにかく自然な格闘シーンだった。でもあれだけやられたらすぐ戦闘不能になりそうなものだけど、みんなオバケ並みの体力だわ。(^^;) 良かったらぜひ劇場でご覧ください。殴られるときの効果音が、多分劇場だと全然違うド迫力だと思います。大画面だしね。