オールドファッション・カップケーキver.2 | malaviyaのためいき

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徒然なるままに由なしことを書き綴るあやしく物狂おしい?ブログです。ガスぬき・・・かな・・・

佐岸左岸さんの作、オールドファッション-カップケーキ。なぜそういう題かは不明だけど。

【英語的にはold fashioned cup cake(s) ではないのかな?】

amazon のkindleでお勧めされ、星の数がほとんど5個(満点)だったので読んでみた。そしたら、ずっぽりはまった。(^^;)(^^;)この続編としてオールドファッション・カップケーキ ウィズ カプチーノと、前日譚のエピソード0(ゼロ)がある。

 

これまで読んだ「ポルノグラファー」シリーズも、「Life 線上の僕ら」と常倉さんの作品も、「どうしても触れたくない」&スピンオフも、「チェリまほ」も、もちろん大好きだ。でも、それらには私は実写化から入っているし、両方見ることで実写の良さと原作の良さが相乗効果を生んでいるように感じる。

実写はより具体的にたくさんの情報をくれるし、ポルノグラファーのようにキャスティングがぴったりで、映像、音響、鬼束ちひろさんの歌まで含めてその世界が作られていると、その中にほんとにすっと浸りこめる。(私はね)

その点この作品はまだ二次元の漫画だけなのだが、細かいところまで書き込まれた絵が上手で、カット割り(コマ割りだけど)もまるで映画のようだし、棚に置かれた小物やハウジング関係の雑誌の写真のような室内の描写もすごくリアルに見える。そう、絵が上手だ。だから実写を見るように読めるのだ。絵柄は作家の個性だから比較はできないけど、チェリまほで安達らの履いている靴やビジネスパンツの後ろポケットなんてみると、「・・・」と思うことがあった。(それはストーリーからみると別に大事なことじゃないのでOKだけど)

 

そして何よりキャラクターが魅力的。ここ大切。特に、野末さん!!会社の上司の野末さんと部下の外川(とがわ)君のラブストーリーなんだけど、野末さんがめちゃくちゃ可愛い。商社(?)の営業ぽい部署の中間管理職でアラフォーで独身で、威圧的なところが全くなくて、よく部下にごちそうするし、叱責するよりいいところをほめるタイプ。仕事熱心でできる人だけど、見た目も小綺麗だし、えへっと笑うだけで女子の母性本能をくすぐるらしく(うんうんそれはよくわかる)、男女ともに人気が高い。私も野末さんの部下になりたい。(^^;)

同期の桐島女史や柿谷氏との関係も、お互いよく理解しあっていてかつ切磋琢磨していて素敵だ。それにしてもBL界では外川と黒沢という姓はメジャーなのか?('◇')ゞ

 

外川君は採用試験の最終面接後、どんぞこ気分でやけ酒飲んでいた時に野末さんに声をかけられて励まされ、その時生まれた信頼と尊敬の念はやがて恋心に変わっていく。しばらくは厳しい部署でスパルタ教育されるが、野末さんの部下になってから、どんどんその可愛さのとりこになっていく。「エピソード0」にその辺が描かれているが、どうも野末さんも外川君を可愛いと思っていたらしい。彼は甘党なのにふだん部下の前ではそのそぶりを見せない。でも、外川君の前では、お酒のシメにアイスクリームを頼んでしまうのだった。

外川君は野末さんの下で懸命に働き、いつも見ているから野末さんのちょっとした体調の変化(二日酔いとかね)などにも気が付いて、かいがいしくサポートする。きゃぴきゃぴした十代の女の子たちを見て楽しそうだなと言う野末さんに、「じゃあ『女の子ごっこ』しましょう」最近なんだか無気力無感動気味な彼に、「それは更年期の症状だから日常生活に変化を与えてアンチエイジングしましょう」と持ち掛け、休日ごとにパンケーキやらパフェやらを食べ歩く。特にどうといった事件や問題がおきるわけではない。でもその日々の中で距離を縮めていく二人。外川君はまっすぐ野末さんを愛していて、どんな障害にも負けないつもりでいる。でも野末さんは、やはり自分がアラフォーで彼より10歳も年上なこと、上司と部下であること、男同士であることなどに思い悩む。そこはLifeの晃や木島理生と同じだ。
 
この下は、酔った外川を自宅に送っていった翌朝に外川に告白された野末さん。

 

 
なかなか素敵なセリフでしょ。でもこのときはすんなりとはいかなかったけど、やがて二人はお互いの家に泊まりあう仲になった。

「結婚してください」といわれて、「はいそうしましょう」とはならないけどね。続編ウィズ・カプチーノのほうでは、悩んだ野末さんが同期の二人に相談して、むしろ背中を押されるような反応に驚いている。そして、野末さんも外川くんにまっすぐに向き合っていこうと決めるのだった。
以下の漫画は、エピソード0だったか。
 

 
仕事熱心な野末さんらしい。みかけは華奢だけど、頼れる上司で、思いやりがあって素敵。
ちゃんと朝ご飯を作って食べるのも、ちょっと無理していい腕時計をつけているのも、きちんとした服装をするのも仕事のためなんだって。
ちょっと待ってね、これまでの書きようだと野末さんをかなり美化してるみたいだけど、ダメなとこもちゃんとあるから。(^^;)外川君と違ってインドア派で、プランクなんてすると1回めで潰れるし、酔うと寝ちゃって「起こして〜」なんて言うし。通勤に1時間半かかる一軒家で、寝るときにもちゃんとパジャマを着るけど、その上着の裾をズボンに入れるところもおじさん(むしろ子供か?)ぽいけど可愛い。(o^―^o)そして外川君にとっては、野末さんが酒臭いヨダレ垂らして歯ぎしりしてても可愛いんだって。
これは二人の朝ごはん風景。こんな時にサプライズ好き(?ていうか、結構思い付きで行動してる)な野末さんは婚約指輪を外川君に贈るのだった。
作者の名前の左岸ってリブ・ゴーシュのことかな、つまりパリ市のセーヌ川の左岸で、芸術家の多いほう。イブ・サンローランのブランド名でもある。これに対し右岸は商業的な地区。
そして私も少女時代に愛読したフランソワーズ・サガンも含んでいるのかな。彼女の小説は憧れだったわ。新潮文庫版を何冊か、今も持ってる。日本だと森茉莉さんの小説が小洒落た感じがしてBLもあったけど、サガンのお話は基本男女間だった。もしこれを読んでる人でTwitterとかで左岸さんとつながっている人がいたら、どうぞよろしくお伝えください。('◇')ゞ
・・・(;^ω^)・・・いや図々しいって。たくさん引用しちゃったなあ。すみません。m(__)m
ver.2です。いつものようにあとで直したところは青字です。