「病院のブランディング」を読みました
病院のブランディング 病院を知り、病院をつくる101のポイント
岩堀幸司 (医療経営コンサルタント・一級建築士)
を読みました。
この本を通して医療環境が日々新しくなっていくのを、多数の例から実感することができた。
地域の特性に合った診療(例えば高齢者に対する訪問看護を行うことにより得られる地域医療の改善)
様々な患者が来院し、様々な人が働く病院での感染対策(例えば院内感染による損害は経営に大きなダメージとなるため、手洗いの配置、形状、照明のシェードなどの基本から対策を考えることで、大きく病院内の意識が変わる)
経営上最も重要な手術室の回転率と在院日数の最短(高度な医療機器の導入による回復日数の短縮)
ナースの看護負荷と患者のプライバシー確保を考慮した個室病室と4床室の割合
IT化導入(ペーパーレス、フィルムレス)(情報の一元化と、多数の医師、ナースの専門外データの共有化、原価情報の組み合わせによる効率化)
などが挙げられる。
医療は人と人のコミュニケーションがなければ成り立たないため、答えはひとつではないことがわかるが、建築ができることは、将来的な対応を含めたフレキシビリティを確保することである。
例えば、フレキシビリティが限られてしまう個室風多床室ではなく、1床室を基本として、多床室に変更ができる形のほうが、将来対応も容易である。
また環境についても、光を取り入れ緑がたくさん見えた方が全ての人にいい影響を与えるわけではなく、人によっては部屋の隅が落ち着くという場合もある。様々な患者に対応できる環境をつくる必要がある。
チーム医療、ランニングコスト、病院収益や信頼性の保持、IT化の将来対応を、病院建設時にどれだけ病院側と設計者が考慮するかで、病院の存続が決まってくると理解できた。
建築家世界大会
今日も朝余震で電車がとまりました。
原発の事故はレベル7にひきあげられました。
計画停電を避けるために、企業や家庭が多大な努力をしないといけない時期が続いています。
これから先一層の苦難がありそうです。
こんな時期に、建築家世界大会が9月下旬に、東京で予定されています。
世界中の著名建築家がつどい、日本の建築家や一般の方々と建築文化について
意見交換しようというわけです。 皆さんご存知でしたでしょうか、
もう4年前から準備を重ねていたようですが、原子力事故の影響で、諸外国の要人が
東京にきてくれるかな?
また電力事情の悪い東京で、やっていいものなのかな?
ということで、やるなら神戸だろう、震災を語るならここしかない!
いや、韓国や、中国などでやってもらったほうが良い、日本はどこも
汚染危険地域だ!
などという議論がでています。
なぜ、建築家世界大会を東京でなのか?
ということは、話せば長くなりますが、日本の建築家制度のてこいれをしよう、
つまり建築家の役割を社会にアピールして、日本の建築家の地位の向上をはかろうという
ちょっと不順な動機が裏に隠れているのです。
こういう時に、日本の建築家協会の会長はじめ幹部の方々は
どういう結論をだすのかな?
馬場 正三
建築家協会、城南地域会、会員
患者に選ばれる病院づくり 久保田秀男著
- 患者に選ばれる病院づくり―設計者と患者の立場から/久保田 秀男
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病院に限らず建物の設計をする時はこれまでの経験と知識をフルに動員して計画を詰めようとします。しかしながら経験には限りがあり、計画はその都度新しいものだから、時には己の知識が全く役に立たないことさえあります。
そんな時、頼りにすべきは優れた図書です。
大手設計事務所で多数の病院建築を手がけた著者によるこの本は、これまで多くの人に読まれて来たでしょうし、私にとっても今後の糧となる本であることを大いに感じました。
患者や病院側のメンタルなテーマから、動線や診察室、病室といった計画の骨組みとなるテーマ、そして家具やサイン、ディテールといった細かい所まで、様々な内容をわかり易く紹介しています。
退屈な廊下を患者の居間に。
患者がホッとする椅子の配置。
どのベッドにも窓が接する多床病室とは。
良いバルコニーは病室から出られないこと。
キーワードを並べただけでも興味が出てきませんか?
でも一番参考にしたいのは、これが単に知識の事例を列挙したものでなく、「かくあるべき」と設計者と病院が考え抜いて挑戦した結果の積み重ねであることです。この精神を常に忘れてはいけないでしょう。
そしてこの本は設計者や病院関係者だけでなく、是非それ以外の大勢にも読んでもらいたいと思います。何時どのように入院するか分からないのは誰しも同じ。そんな時この本を事前に読んでおけば、どのような病院が良いか判断する視点が沢山盛り込まれているからです。
でもあまり良い事例ばかり見てしまうと眼が肥えてしまい、病院の選定がかえって難しくなってしまうかも?
停電の方策について
停電の方策について
計画停電により、東日本の社会が大混乱に陥っているのは周知のことである。こういう状況を少しでも緩和するよう努力すべきと思われる。
東京の街並みをみると、まだまだ減らせる照明器具が目に付くのはどういったことだろうか。
一般に日本の施設の照度は欧米の1.5倍といわれている。瞳の色素の違いもあるが、全般の照度を抑え、スポットや手元灯で必要な照度を確保するという欧米と、均一に高照度を追求する日本の照明計画との差によるところが大きいと思われる。
照明計画では、照度だけでなく、見かけの整然性(デザイン)を考慮して器具のレイアウトが決められているので、どうしても必要以上の照度が出る傾向にある。したがって、機能性と安全性だけを考慮すればもっと照度は落とせるのである。
例えば、電車の車内灯は昼間つける必要があるだろうか。また夜間は半分に間引いてもよいのではないか。車内で読書ができなくても誰も不平は言わないだろう。プラットホームの照明は、昼間は屋外部分は消されているものの、半屋外の場所は点け放しで明るすぎる状況である。半分に減らすスイッチがないからであるが、電球を間引けばよい。
夜間のプラットホームは新聞が読めるほどに明るい。半分の照度で十分である。ロンドンやニューヨークの地下鉄はもっと暗いが安全に支障があるということはない。鉄道事業者は安全を理由にするが、実は点灯のスイッチがないことや、自分たちの仕事のしやすさによっているのではないか。工夫すれば照度は落とせ、安全も確保でき電力は節約できる。
店舗や事務所も状況は似たようである。明るすぎる照度を落としているところもあるが、思い切って昼間の照明を半分に減らしているのはごく僅かである。また夜間は煌々とつけている。
まず一般照明を半分に間引き、本当に必要なところに点灯する手法をとらないと照明用電力は減らないであろう。施設の照明器具の半数を間引き、手元灯で必要な照度を確保するという手法をとっていただきたい。店舗や職場や自宅、そして商店街のアーケードなどで天井を見回してみれば、消しても支障のない器具がみつかるはずである。また照明器具の電球を電力消費の少ないLED電球などに変えたり、効果的な点滅区分のスイッチの増設を専門家に相談してもよいと思われる。
消費電力の削減は、計画停電の回避だけでなく、地球環境の保護にも貢献することになる。昼間の自然光をより活用するサマータイムが実施されるような計画があるが、実行される前から個人的にサマータイムを取り入れる、つまり人より朝早くから活動していくことが効果的である。
また店舗は閑散時間の営業を停止し、営業時間を縮小することも効果的である。ちなみに英国では飲食店舗の15時から17時までの閉店、23時のパブの閉店、物販店の週1日の閉店、首都圏機能の分散化はずっと昔から行われており、省エネルギーでゆとりのある社会建設が行われてきている。
この際、緊急の節電への取り組みと、長期的には省エネルギー社会の建設を目指して、工夫と努力をしてゆこうではありませんか。






