カラーパープル
2023年作品/アメリカ/141分
監督 ブリッツ・バザウーレ
出演 ファンテイジア・バリーノ
2024年2月18日(日)、TOHOシネマズ南大沢のスクリーン8で、11時40分の回を観賞しました。
優しい母を亡くし横暴な父の言いなりとなったセリーは、父の決めた相手と結婚し、自由のない生活を送っていた。さらに、唯一の心の支えだった最愛の妹ネティとも生き別れてしまう。そんな中、セリーは自立した強い女性ソフィアと、歌手になる夢を叶えたシュグと出会う。彼女たちの生き方に心を動かされたセリーは、少しずつ自分を愛し未来を変えていこうとする。そして遂に、セリーは家を出る決意をし、運命が大きく動き出す(以上、公式サイトからの引用)、という物語です。
スティーブン・スピルバーグがアリス・ウォーカーの小説を映画化した「カラーパープル(86)」がその後にミュージカル化され、本作はその映画化ということのよう。スピルバーグ版は公開当時観賞(道頓堀松竹座)しています。アカデミー賞では多くの部門でノミネートされながら、総スカンされたといういわくつきでしたが、私は好きな作品でしたね。
《感想です》
スピルバーグ版は見直して、いつか改めて感想書きたいと思うのですが、深刻なテーマを扱っている割にはユーモアのある描写も多くて、スピルバーグらしい甘さのある味付け、誰にでもわりと見やすい作品になっていたという印象です。映像のダイナミズムや、郵便受けの使い方に始まる〝見せ方・語り方〟のうまさも記憶に残るところでした。
今回のミュージカル版はもっとシリアスで、暴力描写は直接的で容赦なく、より今の時代だからこその描かれ方をしていたように思います。スピルバーグは逆にそこを避けたことを映画批評家から叩かれていたかと。しかし、不思議なことに本作はスピルバーグ版より10分ほども短いんですね。そしてドラマ性としても少し弱くなっていると感じました。
じゃあミュージカル映画としてはどうなんだ?というと、可もなく不可もなくという感じでした。心に残るメロディライン、インパクトあるナンバーが少ない(といいますか、思い出せない)、群舞などにおいても映画的な躍動感に乏しいという感じ。基本的にスピルバーグ版のミュージカルということなのか、オリジナリティも弱いように感じるんですよね。
とはいうものの、テーマは重要で分かりやすく、ドラマはしっかりしているので良かったです。
トシのオススメ度: 3
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