ストーリー・オブ・マイ・ワイフ | アレレの映画メモランダム/休日は映画の気分

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ジャンルや新旧問わずに週末に映画館に通っています。映画の感想から、映画がらみで小説やコミックなんかのことも書ければ。個人の備忘録的なブログです。


ストーリー・オブ・マイ・ワイフ


2021年作品/ハンガリー・ドイツ・イタリア他/169分

監督 イルディコー・エニェディ

出演 レア・セドゥ、ハイス・ナバー


2022年8月16日(火)、新宿ピカデリーのシアター4で、10時40分の回を観賞しました。


1920年、マルタ共和国のとあるカフェ。船長のヤコブは友人と、店に最初に入ってきた女性と結婚するという賭けをする。現れたのはリジーという美しい女性で、ヤコブは初対面の彼女に結婚を申し込む。そして週末、ヤコブとリジーは2人きりで結婚の儀式を行う。幸せな時間を過ごすヤコブとリジーだったが、リジーの友人デダンが現れると、ヤコブは2人の仲を疑って嫉妬するようになり(以上、映画.comから引用)、という物語です。


タイトルが「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(19)」と似ていてややこしいですねー。ノーマークでしたが、たまたま読んだ新聞で取り上げられていて、2時間50分もの長さに尻込みしたのですが、レア・セドゥ見たさもあり思い切って行ってきました。彼女の悪女ぶり、映像の美しさ、語り口の良さで、時間を感じさせず最後まで飽きずに観られはしましたがー。



《感想です》


  • レア・セドゥの悪女ぶり、映像の美しさ、語り口の面白さで2時間50分をひっぱります
  • 7つの章ごとに特徴あるお話が用意されていて、20分の短いドラマを7本連続して観る感じ
  • いくら偉大な船長でも自分の船のように妻を巧くコントロールすることはできないのです


この映画、日本でつけたタイトルが〝わたしの妻の物語〟なのですが、観てみるとこれは完全に船長の夫ヤコブの物語でした。妻リジーの物語じゃないのです。妻はもちろん出てくるのですが、行動は表層的に描かれていても彼女の心情や内面は隠されていて、見方によってどうにでも受け取れるようになっています。そんな彼女に対する船長ヤコブの反応を楽しむドラマでした。


この長い長い映画は全部で7つの章に分かれていまして、それぞれに何やら教訓めいたタイトルがついています。映画のなかに出てくる原題にも、そのことが示されていました。この7つの章ごとに特徴あるお話が用意されていまして、20分の短いドラマを7本連続して観ている感じと言えばいいでしょうか。ただ、それぞれのオチやがいまひとつ弱くて、ボンヤリしてるんですね。


ヤコブは真面目な貨物船の船長で今はまだ独身。そんな彼が結婚を決意するのですが、友人との賭けで最初にカフェに入ってきた女性にプロポーズするということに。その女性がリジーで、ふたりは意気投合し結婚することに。ふたりの生活はうまくいったかのように思えたのですが、ヤコブが船の仕事で家を長く空けるようになるとリジーの様子が何だかおかしくなります。


社交界と称して頻繁に遊びに出る浪費家のリジーに、辛抱して付き合うヤコブ。しかしどうやらリジーには他に男ができた様子。調査会社に調べさせるとその心配は杞憂だったようですが、やっぱり怪しい動きをするリジー。ニワトリと卵の関係みたいな感じでふたりの仲はどんどん悪化していきます。いくら偉大な船長でも船のように妻を巧みにコントロールすることはできないのです。


そもそも結婚に踏み切ったのが健康上の理由であったことを考えるとなんとも皮肉ですね。同性の立場で観ていると、レジーのために陸の仕事に変えて慣れない事務仕事をしているのに、湯水のように散財されると怒るのも無理ないように感じました。レジーが挑発するようにインク瓶を机から落とす場面が印象的でしたが、彼女はもともと早く彼と分かれたかったんですかね。


ふたりの夫婦の関係は最後に意外な終わり方をします。ヤコブも友人との賭けでつまらない妻の選びかたをしなければ良かったですね。





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この項、終わり。