キングスマン ファースト・エージェント
2021年作品/アメリカ/131分
監督 マシュー・ボーン、ハリス・ディキンソン
出演 レイフ・ファインズ
2021年12月27日(月)、新宿ピカデリーのシアター1で、15時15分の回を鑑賞しました。
1914年、世界大戦を裏でひそかに操る闇の組織に対し、英国貴族のオックスフォード公と息子のコンラッドが立ち向かう。人類破滅へのカウントダウンが迫るなか、彼らは仲間たちとともに闇の組織を打倒し、戦争を止めるために奔走する(以上、映画.comからの引用)、という物語です。
こちら「ファースト・エージェント」という副題がついているのですが、オリジナルタイトルは〝The King’s Man〟のよう。これまでの作品は〝Kingsman: the Secret Service 〟〝Kingsman: The Golden Circle 〟なので実はちょっと意味合いが異なる?〝kingsman〟のもともとの意味は、調べると〝英国軍隊において公爵の連隊の中でも最も地位の低い軍人〟とありました。
《感想です》
で、オリジナルタイトルの〝The King’s Man〟は〝国王の側近〟という感じでしょうか。はたまたシェークスピアの劇団名の〝国王一座〟から来ているものでしょうか。マシュー・ボーン監督のそこら辺の意図も知りたいところですが、いずれにせよ本作では過去2作で描かれた国家に属さない秘密結社キングスマンの誕生秘話が、第一次世界大戦に遡って描かれていきます。
なぜ、彼らのコードネームに、アーサー、マーリン、ランスロット、パーシバルといった〝円卓の騎士〟の登場人物の名前が使用されているのか。また、この組織が、最初は個人の極めてプライベートな感情、深い悲しみからスタートしたものであることなどが分かってきますよ。つまり、これは父と息子の物語なんですね。そこが物語の基軸になっているところが良かったです。
母親を亡くした息子を男手ひとつで育て上げ、立派な青年として成長した暁に、サヴィルローで最高級のスーツを仕立ててビシッときめさせる。その立派な姿を母親も天国からさそがし誇りに感じているだろう、という父親としての感慨。一方で逞しい息子は、いつも父親を追いこそうとし、独り立ちを考えているもの。この親子という以上に、男同士の関係に魅かれるのです。
さて、今回の舞台は第一次世界大戦前夜で、当時のイギリス国王、ドイツ皇帝、ロシア皇帝が、イギリスのヴィクトリア女王の孫であった、つまり従兄弟どうしだったという話から始まり、ここに悪の組織が暗躍して世界大戦を勃発させようとします。歴史の教科書に出てくる〝サラエボ事件〟とかも出てきまして、この事実と虚構を取り混ぜたドラマ展開が面白かったです。
例えばロシア皇帝ニコライ2世のもとで、怪僧ラスプーチンが目を見張るアクションをみせます。映画全体としては前半がもたつくものの、中盤にサム・メンデス監督の「1917(20)」的な見せ場があった後からが本当の見どころで、かぜん面白さが増したように思います。終盤の畳みかけるアクションは大いに笑えもし、さすがマシュー・ボーンという感じで満足しました。
エンドロール後にも、ある人物が出てきますのでお楽しみに!
トシのオススメ度: 4
キングスマン ファーストエージェント、の詳細はこちら: 映画.com
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