アイス・ロード | アレレの映画メモランダム/休日は映画の気分

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ジャンルや新旧問わずに週末に映画館に通っています。映画の感想から、映画がらみで小説やコミックなんかのことも書ければ。個人の備忘録的なブログです。

アイス・ロード


2021年作品/アメリカ/109分

監督 ジョナサン・ヘンズリー

出演 リーアム・ニーソン


2021年11月21日(日)、TOHOシネマズ府中のスクリーン1で、8時55分の回を鑑賞しました。


カナダのダイヤモンド鉱山で爆発事故が起こり、作業員26人が地下に閉じ込められた。事故現場に充満したガスを抜くための30トンもの救出装置をトラックで運ぶため、4人の凄腕ドライバーが集められる。鉱山への最短ルートは厚さ80センチの氷の道「アイス・ロード」で、スピードが速すぎれば衝撃で、遅すぎれば重量で、氷が割れて水に沈んでしまう。地下の酸素が尽きる30時間以内に装置を届けるべく、命がけでトラックを走らせる彼らだったが(以上、映画.comからの引用)、という物語です。


休日は映画の気分、ということで気楽に観られそうなリーアム・ニーソンのアクション映画「アイス・ロード」を観てきました。「スノー・ロワイヤル(19)」に続いて寒そうな作品ですが、やっぱり熱くなりました。既視感を感じるところはあるものの、色んな仕掛けや工夫がてんこ盛りで、最初から最後まで飽きません。仕事のストレス解消にちょうど良かったですよー。


リーアム・ニーソンってユニークな俳優さんですね


リーアム・ニーソンの名前を記憶したのはスティーブン・スピルバーグの「シンドラーのリスト(93)」のオスカー・シンドラー役を演じた時でした。でも、その時は、こんなシリアスなドラマの主役を演じたあとで、先々においてエンタテイメントに振り切ったアクション映画、サスペンス映画の主演をバンバンとはるようなスターになるとは全く想像できなかったですね。


でも改めてWikipediaで過去の出演作品を眺めていると、なるほどなぁという感じなんですね。映画デビュー作こそジョン・ブアマンの超真面目な円卓の騎士のドラマ「エクスカリバー(81)」ですが、その後には知っている人は知っているだろう「銀河伝説クルール(83)」「デルタ・フォース(86)」なんてのが。しかし、その後がまた「ミッション(86)」だったりもします。


こういう感じで、作品を選り好みせずに、もともと重厚なものから娯楽作品まで幅広く出ながらキャリアを作りあげてきた、なんか苦労人なんですね。そのスタンスが有名になってからも首尾一貫しているという感じ。色んな賞を獲りながらも、アカデミー賞には縁がないまま。でも、賞狙いで映画に出たりはしないのですね。好きな作品に出るという、そこがいいですね。


▼マイクはリーダーのジムと高額の契約を結びます


戦略的な重複(Strategic Redundancy)が見せる面白さ


ダイヤモンド鉱山で起きた事故で閉じ込められた採掘作業員たちを救出するために、必要となる機材を時間制限のあるなかで運ばなければならないトラック野郎たちのサスペンスドラマです。しかも、時間短縮するために、今は危険すぎて使用されない氷の道を走るという命懸けのミッション。30トンの機材、時期はもう春まじかということで気温が上がり、危険度は何倍にも。


この任務に挑むのが三人のドライバー、そして三台のトラック。多額の報酬で急募されたドライバー。その一人が、リーアム・ニーソン。責任者は、万が一どれか(だれか)が失敗して氷の下に沈んでも、一台だけでもゴールに入ることができればいいわけで、これをリスクを緩めるための〝戦略的な重複だ〟と説明します。これは沈むことを前提とした作戦なんですね。


ネタバレすると面白くありませんので、ここから先はぜひ映画をご覧になって楽しんでいただきたいと思います。氷とか、ガラスとかが割れる時って怖いですね。〝ピシッ〟〝パリパリ〟って、観ていても〝あわわわわー〟ってなります。そういうところと〝これ、どうするのかな?〟って思うと、色んな方法で解決するのですが、トラックについてよくご存じだなあー、と。


▼三台の大型トラックが氷上を突っ走るのですが!


事情を抱えた一匹オオカミたちが織りなすドラマ


この映画、アクション、サスペンスもなかなか面白いのに加えて、事情を抱えた一匹オオカミ的な個性ある登場人物たちが織りなしていくドラマがまた良かったですね。みんなそれぞれに、しんどい人生を送ってきていて、貧困や差別と闘いながらなんとか生きている。それが単なる設定というだけでなく、きちんと、ドラマのなかで活かされて、感動的な話になっています。


まずはローレンス・フィッシュバーン演じるリーダーのジム、そしてリーアム・ニーソン演じるマイク。彼は戦争で心的外傷後ストレス障害を負った弟を心ない奴らから守り、面倒を見ながら二人で生きています。しかし、この弟が実はトラックの整備士としては超一流なんですね。そして、ここにもう一人、ネイティブアメリカンの血を継ぐ女性ドライバーのタントゥーが。


この映画、あんまり余計な説明をせずに、ほぼ頭から重量感ある大型トラックがブンブンと飛ばしていくのがいいです。大きな車体を自由自在に操って迫力満点。1時間50分という久しぶりに真っ当な長さで、水増し部分も一切なし。小道具として、マイクの弟が大切に飼っているネズミや、それぞれのトラックの運転席に置かれた首振り人形の使い方なども面白かったですねー。


▼男一匹トラック野郎、この難関をどう突破するのか


まあ、定番といえばそうなのですが、やっばり乗せられて観てしまいました。終わり方もカッコ良かったですね。リーアム・ニーソン印のアクション映画からはやはり目が離せません。これは、信念を持ったドライバーたちの心意気で見せるドラマでもありますね。カントリーミュージックがいい雰囲氣を出していて、日本で言うと演歌、浪花節的なところも好きなところ。


オススメ度は普通ですが、こういうジャンルがお好きな方にはぜひご覧いただきたいです!


トシのオススメ度: 3

5 必見です!!
4 オススメです!
3 良かったです
2 アレレ? もう一つでした
1 私はお薦めしません


アイス・ロード、の詳細はこちら: 映画.com


この項、終わり。