ビバリウム(iTunes Store) | アレレの映画メモランダム/休日は映画の気分

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ジャンルや新旧問わずに週末に映画館に通っています。映画の感想から、映画がらみで小説やコミックなんかのことも書ければ。個人の備忘録的なブログです。

ビバリウム(iTunes Store)


2019年作品/ベルギー・デンマークほか/98分

監督 ロルカン・フィネガン

出演 イモージェン・ブーツ、ジェシー・アイゼンバーグ


2021年7月23日(金)の午前、自宅にて観賞しました。


新居を探すトムとジェマのカップルは、ふと足を踏み入れた不動産屋で、全く同じ家が建ち並ぶ住宅地「Yonder」を紹介される。内見を終えて帰ろうとすると、すぐ近くにいたはずの不動産屋の姿が見当たらない。2人で帰路につこうと車を走らせるが、周囲の景色は一向に変わらない。住宅地から抜け出せなくなり戸惑う彼らのもとに、段ボール箱が届く。中には誰の子かわからない赤ん坊が入っており、2人は訳も分からないまま世話をすることに。追い詰められた2人の精神は次第に崩壊していき(以上、映画.comからの引用)、という物語です。


今夜は五輪の開会式。昨日は自宅からブルーインパルスが五輪の輪を空に描く練習をしていたそうで、ママさんと下の娘が見たそうです。私は外出していて見逃しましたが、今日もまた、昼ごはんを食べているときに〝ゴーっ〟という音がしたので〝何?〟とベランダから空を見ると、五輪の輪の黄色い部分が見えました。あっという間に消えてしまいましたけどー。さて「ビバリウム」ですが、気分の悪くなる映画でした。



《感想です》


トムとジェマが不動産屋のマーティンに案内された郊外の物件は、同じ形の住居が整然とどこまでも並んでいる大規模住宅街。そこのナンバー9の札がついた家に入ったふたりは、マーティンに置き去りにされます。仕方なく帰路につこうとしたふたりですが、なぜか住宅街から絶対に抜け出せないのです。そんなある日、ナンバー9の家の前に、男の赤ちゃんが届けられます。そこには〝育てれば解放する〟というメッセージが。


まあホラー映画ということは分かった上で観ていたのですが、この不思議なお話も冒頭のエピソードで種明かしされているんじゃないですかね。それに「ビバリウム」というタイトルの意味が〝生物の飼育用の容器〟であることが分かっていれば、あとはラストまで気持ちの悪い話にお付き合いするだけという感じでした。〝不思議な〟じゃなくて、観ているひとの神経を逆撫でするような不快な話がえんえん続くのですよね。


あんまり具体的に書いてしまうとこれからご覧になる方の興味を削いでしまうので、どんなことが展開されるのかは観てのお楽しみとさせていただきたいと思います。でも家に届いた赤ちゃんが、人間では考えられないスピードで成長したあと、親のやることを完全コピーして真似たり、気に入らないことがあるとすぐに叫んだりというところは、実は子供を持ったことのある親なら〝アルアル〟の世界で身につまされるところも。


なので、これが子育ての実態だと受けとられると、これから結婚したり、子供をもうけようとされている方にはあまりよくない影響を与えるのではないかな?と心配したり。こういうホラー系、精神がまいるようなお話が好きなかたにはいいと思いますが。私はレンタルで観るくらいでちょうど良かったかなと感じました。もし1900円だしてこれ観たら、何か帰りに〝見るんじゃなかった〟と立ち直れないような気分になったかも。


出演者は限られていますが、ジェマを演じたイモージェン・ブーツは先日観た「ファーザー」にも出ていたのですね。そしてトムを演じたのはジェシー・アイゼンバーグ。こちらは最近のウディ・アレン作品やDCコミック作品にも出ていますが、お二人の演技は迫真で、こういう状況に追い込まれた人間の心が壊れていくところがよく出ていたように感じました。あと子役の男の子がほんと不気味なんで、一見の価値ありですかね。


積極的にオススメする気になれない作品です。ホラーお好きな方はレンタルで、という感じでしょうか。





トシのオススメ度:2
5 必見です!!
4 お薦めです!
3 良かったです
2 アレレ? もう一つでした
1 私はお薦めしません


ビバリウム、の詳細はこちら: 映画.com


この項、終わり。