歌え!ロレッタ愛のために(amazon prime) | アレレの映画メモランダム/休日は映画の気分

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ジャンルや新旧問わずに週末に映画館に通っています。映画の感想から、映画がらみで小説やコミックなんかのことも書ければ。個人の備忘録的なブログです。

歌え!ロレッタ愛のために(amazon prime


1980年作品/アメリカ/125分

監督 マイケル・アプテッド

出演 シシー・スペイセク、トミー・リー・ジョーンズ


2021年5月28日(金)の夜、自宅にて鑑賞しました。


現代アメリカのポップス界で、シンガー・ソングライターとして人気のあるロレッタ・リンの生いたちから、結婚、出産を経て歌手として成功するまでの波乱の半生を描く(以上、映画.comからの引用)、という物語です。


若い頃に映画館で見逃して、その後もずっと観たいと思いながら機会を逸してしまった作品ってあると思うのですが、私にとってはこの作品がその一本ですね。唯一加入していますAmazon prime で見つけたので、鑑賞することに。ブライアン・デ・パルマの「キャリー(78)」で注目された後のシシー・スペイセクの主演で、本作で彼女はアカデミー賞主演女優賞を受賞。およそハリウッド女優らしくない方ではありますが。




《感想です》


まず強烈なのはこのタイトルてすよね、「歌え!ロレッタ愛のために」。チケットを買うとき、声に出して言うのがちょっと恥ずかしいような。でも原題は全然違っていて、〝Coal Miner’s Daughter (炭鉱夫の娘)〟というのですね。本作はカントリーミュージックの人気歌手だったロレッタ・リンの半生を描く伝記映画なのですが、彼女の生い立ちを歌詞に綴った歌のタイトルなのですね。確かに〝炭鉱夫の娘〟じゃ観ないか。


お話としては、まあどうということはなく、ケンタッキーの貧しい炭鉱町の大家族の娘として育った13歳のロレッタが、同じ街に住む軍隊から帰ってきたばかりの粗暴なドゥーリトルと出会い、結婚。やがて彼女は子供を産み、日々の生活に追われるなかで、夫から21歳の誕生日にギタープレゼントされます。これをきっかけに彼女はシンガーソングライターとしての才能を発揮、夫のプロデュース力もあって人気歌手へと成長。


このロレッタを演じたシシー・スペイセクの演技と素晴らしい歌唱力が見ものなのですよね。13歳の少女時代から、スターへと上り詰めたあとの40歳くらいまでを見事にひとりで演じきっていました。もともと童顔で痩せぎすなので少女時代も無理がなくて、ハマり役という感じでした。彼女をみるだけでも価値のある作品かと思います。あとドゥーリトルを演じた若き日のトミー・リー・ジョーンズもなかなか良かったですね。


最初は夫のパワハラで、子供を持ったロレッタが彼の暴力に苦しめられるお話かと思ったのですが、そうじゃなくてドゥーリトルはロレッタのことをすごく愛していて優しいし、ロレッタもまた歳の離れた夫を心の支えにしていることが分かってくるのですね。この夫婦の感じがアメリカっぽくて、いがみあう時もあるけれども長く苦労を分かち合ってきたお互いを心から信頼し合っていることが滲み出ている感じなのですよね。


また、ドラマの中で使われている数々のカントリーミュージックも気分を和ませてくれます。ケンタッキーの広大な自然や素朴な生活が、古き良き日のアメリカを思い起こさせてくれました。キャメラも大変よかったですね。なお、本作はベストセラーになったロレッタ・リンによる1976年出版の伝記に基づき作成された映画です。数年後の1980年に映画化されていることを考えると、彼女の人気ぶりがうかがえますね。


しかし映画の成功の要因は何と言いましても、シシー・スペイセクに尽きるでしょうね。存命中の実在の人物を演じるのはプレッシャーもあったでしょうね。観ておいてよかったです。





トシのオススメ度: 4
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1 私はお薦めしません


歌え!ロレッタ愛のために、の詳細はこちら: 映画.com


この項、終わり。