大企業に過度な負担を強いて良いのか? | としえじの金融経済徒然草

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20年超に亘ってファンドマネージャーとして金融の第一線から日本と日本企業を客観的に見てきた私「としえじ」が日本の在り方や政治金融経済について徒然と書いています。

消費税増税に反対する政党や政治家、消費者団体は、弱者に負担を強いずに「大企業の法人税を増税すれば良い」というがはたしてこれはアリなのか?

まず、日本の法人税は世界的に見ても高すぎる。西側先進国やアジア競合国の実効税率20%前後であるのに対して、日本の法人税は40%近いのだ。既に十分高い税率なのにこれ以上税率を引き上げるとどうなる?
当然だが、グローバルで戦っている大企業は日本から脱出するだろう。なので法人税は増えない。

過去20年に亘り法人税の減税を邪魔する連中がいたが、これは結局、中小企業、そして国民にもマイナスの影響が出ていることを理解しているだろうか?

中小企業庁が中小企業の取引構造の現状と中小企業の位置づけを詳しく調べているが、サンプルで取った製造業14万社の中で上場企業は773社、残りは一次下請け(4万社)、2次下請(3万社)と続く多重構造で食物連鎖を構築している。そして、大企業の食物連鎖に属さない独立型企業は6万社程度しかない。つまり、製造業の6割以上は何らかの形で大企業と取引をしているのだ。
因みに独立型の6万社の多くは食品、衣料など自社の名前で仕事ができる内需型企業である(地場の食品メーカーや民芸品や郷土品を思い浮かべれば良い)。

更にこの14万社には36万社の仕入れ先が存在する。このサンプルは420万社くらいの日本にある会社の中では比較的大きな部類なので、大企業を食物連鎖の頂点とする企業群に属している企業や従業員数はかなりの数になるのだ。

要するに、大企業が日本の製造業の代表としてグローバルで戦っているのが現状なのだ。

こういった中で、大企業の競争力をなくすことは中小企業の仕事を奪い雇用を無くす行為に等しい。

なので、消費税増税はしないで儲けている大企業からの増税をと叫んでいる連中は、耳障りの良いことを言っているが、実は日本経済の破壊行為をしているのと同じなのだ。

こういった大企業の競争力を殺ぐ政府を過去20年に亘ってやってきたので、日本の中小企業も疲弊してしまったのだ。

もちろん、減税しても海外に雇用を持って行かれては意味がないので、グローバルと同じ程度の減税を受ける条件として、一定以上の国内雇用者増や生産の一定以上を国内拠点にするなどの条件を設ければ良い。

一見利益を出しているところから税金を分捕るのは簡単だが、それがめぐりめぐって自分の身に降りかかることを良く理解しておくべきだ。