安価な既製品のタイヤラックはあるけれど、スリムタイヤラックにこだわると選択肢が狭まり、しかも価格が上がってしまいます。

 

 

<前回ブログ> 

農業用19mmパイプ 自作タイヤラック 【材料選定】

 

 

 

そこで、少しでも安価で軽自動車用タイヤラックに特化したような部材がないかと、近所の3軒のホムセンを徘徊して見つけた基材、それは「農業用パイプ」

 

 

ビニールハウス(パイプハウス)の骨組に使われる基材で、溶融亜鉛メッキが施されていて防錆処理となっています。

当たり前ですが、屋外使用を主に造られたもので、しかもJISのお墨付きであります。

 

19.1φ×1.8m@327円(税込)と激安。

さすが”農業国”日本を支える基材だけに、生産量も多くコストを抑えられているのではないかと思われます。

19.1φは少々軟弱な気がしますが、軽自動車のタイヤ重量であればなんとか耐久してくれそうな気がします。

実際、ホムセンで現物に体重を乗せて曲げ強度を確認してみましたが、ほぼ曲がることはありませんでした。

最悪金具などで補強してあげればいいでしょうし、主基材としてこれを採用することにします。

 

 

 

ビニールハウスを組み立てるための基材ですから、組立に必要なジョイント部品も揃っています。

ポット 19ミリパイプ用(内ジョイント)|妻面・棚 関係部品|通販で買うビニールハウス・パイプハウス・農業資材

※画像は、富岡物産さんのHPより引用

 

 

 

近所のホムセンの価格とナフコ通販の価格と対比しながら、安いパーツはナフコ通販を利用しました。

 

 

 

 

部品購入時はなんとなく頭で構図を描いていましたが、簡単な図面を引くことにします。

 

 

有効差込の遊びも制作段階でありえるでしょうから、微妙な寸法は作りながら削ったりする必要があるでしょう。

※あとがき追記:実際は、もう一回り小さく制作したので図面とは異なります。

 

 

 

我が家のカーポートの柱と柱には、ロードバイク・ピストバイク・ミニベロのスペアタイヤの保管スペースとして柵に吊り下げております。

柱の幅は150mmで、写真では廃タイヤが2本ころがっています。

このスペースに合うようなスリムタイヤラックを制作したいと思います。

 

 

 

まずは農業用パイプを必要なサイズにグラインダーで切断します。

高速チップソーを持っていないので、地道にグラインダーを使いましたが、薄い素材なので数秒でカットできました。

 

 

 

とりあえず長尺モノの切断が完了しました。

短尺モノは、微妙な寸法合わせをしながら切断しようと思っているので、この段階ではまだカットしていません。

※ この判断は良かったと思います。ジョイントパーツの有効差込が微妙に誤差がでます。

実寸を計測してからカットする方が、誤差が少ないと思います。

 

 

 

三方コーナージョイント「トリボット」キャスターを取り付けます。

正直今回の制作で一番難しく、作業時間を要しました。

キャスター付きは、このスリムタイヤラックの一番のこだわりポイントなので、妥協は許されません。

 

 

 

この「トリボット」は、ツーピースで作られたパーツなので、隙間が開いているのです。

その隙間あたりが土台底になるので、仕方がなくベンチバイスで固定して6.3mmのドリル穴を空けました。

※ 溶接機があれば補強した方が良いでしょう。

 

 

 

試行錯誤して「トリボット」にキャスターを取付できました。

このキャスターの上部にはM6ボルトが付いているのですが、「トリボット」の内側にナットを締め付けるのが非常に難しかった( ノД`)…

 

 

 

ツーピースの隙間にドリル穴を開けたので強度不足を怪訝するのですが、19mmパイプをはめ込むと結構ガッチリしました。

 

 

 

T字ジョイント「ティーボット」をはめ込みます。

徐々にそれらしい形になってきました。

 

 

 

下部のタイヤが乗っかる部分には、直角固定できるT字金具を使います。

ハウス技建産業 T字金具 19mm用 5ヶ入

※画像は、ナフコオンラインショップHPより引用

 

 

 

取り付けるとこんな感じです。

 

 

 

T字金具は、蝶ネジになっていて手で締め付けるパーツとなっています。

M5ボルトなので、ナットで締め付けた方が強度が増すかと迷ったのですが、まだタイヤの位置決めをしないといけないでしょうし、一旦はこのまま蝶ネジのままにしておきます。

 

 

 

パイプとジョイントの接合部は、差し込んでいるだけでは不安なので2.5mmドリル刃で下穴を開けて、M3タップ切りをしてM3×13タッピングネジで固定しました。

 

 

組立はトントン拍子で作業が進みます。

さすがは農業用ビニールハウス用なので、切断やドリルといった電動工具の加工がなければ誰でもDIYできるのではないでしょうか?

 

 

 

 

完成しました!

 

 

下1ケ所の短辺パイプが部品数量計算間違いでまだ取り付けていませんが、とりあえず完成といって良いでしょう。

溶融亜鉛メッキが施されている材質なので、下手に下地研磨して塗装するよりこのままで良いと判断しています。

 

 

 

それではカーポートのデッドスペースにおいてみます。

業務車の乗り降りにも邪魔にならないスペースにすっぽりと収まりました(≧▽≦)

 

 

 

DIYは自己満足の世界ですが、農業用パイプを流用したタイヤラックの制作は、ネット検索ではヒットしなかったので恐らく少数派でしょう。

 

 

 

 

 

<工具>

・ グラインダー(高速チップソーがあればなお良し)

・ 電動ドリル ビス止め下穴開け用

・ インパクトドリル タップ切用

・ 2.5mm鉄工ドリル刃

・ M3タップ刃

 

作業時間:約3時間

 

 

<材料>

・ 19.1φ×1800 4本@327=1,308円

※ カット後、900×4本+890×2本+(600+300)×4本+150×8本

・ エルボット 4個@238=952円

・ ティーボット 4個598=2,392円

・ 三方トリボット 4個@508=2,032円

・ T字金具5ケ入 3袋@688=2,064円

・ 双輪30φキャスター 4個@148=592円

・ M3タッピングネジ 在庫使用

 

合計:9,340円

 

10,000円を切るのが目標でしたが、なんとか目標達成しました!

すべてのパーツがJIS規格日本製、しかも製作者は日本人である私(笑)なので、正真正銘のMade In Japanの作品が仕上がりました。

今後、耐久性と費用対効果を期待したいところです。

 

 

既製品として販売できるような仕上がりとなりましたので、もしご入用の方がいらっしゃいましたらDMにてメッセージいただければ制作いたします(笑)