パリから東京の自宅に着いた友人が電話をくれました。キャベツが1ケ900円、トマトは小さいの200円でびっくりしたと話しました。我が町ではそうはしないと思いますが。フランスでは食品には税金はかからないそうです。賃金が上がっても生活必需品が上がったのでは上がった賃金を実感できません。それでも上がらないよりはましです。25年前パリの焼き鳥屋で働いていた友人は時給1,500円でした。そのころ日本の最低賃金は750円ぐらいだったと思います。いつの間にかこれだけ差ができました。帰国して26年になりますが作品も殆ど売れません。売れてるのは勲章もらうような人たちです。日本ってなかなか変われないようです。それは権威主義が根強く残っているからでしょう。我が県なら斎藤清しか売れないと言っていいです。買う人は自分の目で好きな作家を選び自分の予算に見合った作家を選べば無理せず作品が増えていきます。そして収入に応じてより高い作家に変えていけばいいです。フランスでは皆そうして集めていきます。裏を返せば絵の良さが分からないで世間の評価にのみ頼って審美眼の養成を計らないからです。また他人の価値観で安心するという集団無意識にどっぷりつかっているからでしょう。日本人はここから抜け出さないとレベルアップできないでしょう。
昨日何とか退院しました。昨日退院時血圧は190で水がまだ4L多いので注意が必要。これらの背景に糖尿病が影響与えていることは確かです。今年は救急車で入院はしたくないですが歳が歳ですので覚悟が必要です。来月で89歳でここまで生きるとは想定外でした。頑強な友人が60代あっけなく死んだり私のような弱いのが90近くまで生きたり何がそうさせるのか不思議です。私は神様(天)に命を丸ごと預けましたので100まで生きようが明日死のうが心配しません。只今頃になって運が開けてきています。今まで運は直前で不意になったので最後の最後くらい運が実現しても良いと思います。私は待つことに関しては人に負けません。来世まで待てます。銅版画の仕事は人間のためと言うより天の栄光のためにやってきました。昔のアーチストは殆どそうだったと思います。
1989年の6月6日にフランスで腎移植をした12月のある日ドアをたたくのを耳にしたので開けると小包の配達人で当時の円に換算すると¥15,000、私には馬鹿にならない金額しかも誰からか分からない、配達人は受け取らなくてもいいといいましたが感の虫が働いて受け取りました。早速開けてみたら名刺が1枚入って何も書いてありませんでし た。浜口先生からでした。中身はフランスの有名ブランドカルチエの100パーセントカシミヤでグレーのしゃれたスカーフでした。10万円はしたと思います。寒いパリで風邪を引かないようにと送ってくださったのでしょう。パリにいる間10年は毎冬愛用し帰国してからは新しく友人になった10歳上の詩人にプレゼントしました。彼が愛用したかは分かりません。今も先生らしいしゃれた贈り物と懐かしく思い出されます。シスコの先生から贈られた4x4cmのメゾチントのクリスマスカードも彼に上げました。私はあまり所有欲というものがありません。逆にもらうこともあまりありません。この話は一度ぐらいしか書かなかったと思います。