悲報。小金井市では「公立保育園の役割はない」らしい件 一般質問報告⑤ | いろいろが、彩るまち。小金井市長 白井亨(元小金井市議会議員)blog    <※2022年11月2日までは市議会議員としての記事です>

いろいろが、彩るまち。小金井市長 白井亨(元小金井市議会議員)blog    <※2022年11月2日までは市議会議員としての記事です>

第一子誕生をキッカケに地域に目を向け色んな「縁」のおかげで地域に生きる“日常の豊かさ”を実感。2013年市議会議員初当選。2017年市議選でトップ当選、再び市政の最前線へ。2022年11月27日市長選挙75%の得票、当選!市長となる。

一般質問報告の続きです。5回に渡ってシリーズでお届けしてきましたが、最終回となります。前回は小金井市の「保育の質」について、私が独自調査した民間保育施設の財務資料から、各園の人件費割合や委託金の流用などの状況を共有しながら、行政へ問うたところです。今回は、小金井市の公立保育園について、改めてその役割を議論すべきではないか?という質疑と主張をさせていただきました。

 

 

今とこれからの状況を踏まえ、改めて公立保育園の役割について議論が必要ではないか

 

 

まずは、その前に、1つだけ確認しておきたいことがありました。

 

Q:公立園の民営化は職員団体と協議の上、R4年4月から2園を民営化する方針で合意しました。公立園の保護者への説明ができる状態ではなく全くこれは進んでいない。…で、仕切り直して再度団体交渉に入ることが想定される訳ですが、既にこの交渉は行われたのか。また、今後であるとした場合、具体的に「いつ」協議を再開するか日取りは決まっているのか。

A:まだ行われておらず、今後の日程も決まっていない。

 

 

ここで問いたいのは「公立保育園の役割」です。この「小金井市すこやか保育ビジョン」を策定する議論の項目に「公立保育園の役割について」が設定されていましたが、結局その中で議論されることにはならず、結果的に「小金井市すこやか保育ビジョン」の中には「公立保育園の役割」は書かれていません。代わりに「市の役割」は書かれてありますが…。

 

 

今回の質問はタイトルが「今とこれからの状況を踏まえ」とした理由が幾つかあります。要するに、改めて公立保育園の役割について議論が必要だと考えているのですが、その根拠があります。

 

 

根拠①   保育園の園数が7年前からほぼ倍増

 

市は今から7年前の平成26年(2014年)に職員団体との協議で「公立保育所の役割について(案)」を提示し、これを元に、団体交渉を行ってきた。このときの保育の状況から公立保育所の役割を定めた訳です。…ただし、7年前当時の保育施設の数は26園でしたが。今や、50園を超えます。今年も5−6園増える見込みで、倍増を超える訳です。となれば、公立園の役割はこの民間園数も勘案して、再検討する必要があるということ。

 

 

根拠②   保育検討協議会の意見を無視

 

H27年12月に提出された保育検討協議会からの「今後の小金井市の保育行政の在り方に関する意見」の中で、次のように書かれてあります。『本協議会は、「市が設置する保育施設の維持・管理に向けた対応」については、中・長期的な計画を策定し、検討していくことを求めたい。ただ、市が設置する保育施設の維持・管理は、後述する「主要な論点」に示された「公立保育所の果たしていくべき役割」、及び「運営方式の見直し」と絡めて検討する課題であり、同時に私立保育所も含めた市内すべての保育所・保育施設の今後のあり方も含めて検討すべきであることを市に求めたい』

 

…要するに、保育検討協議会で市が諮問した「市が設置する保育所の管理運営の効率化」の主要な論点「公立保育所の果たしていくべき役割」、及び「運営方式の見直し」は、多様な意見我あって、今後それらを参考に検討してくださいね、となっている。

 

…整理すると、保育を取り巻く状況は7年前から一変しました。そして、そもそも市が議論をお願いして意見を提出いただいた内容に沿ってまだ検討していません。要するに、市が民営化を何らか進めたいのであれば、この公立保育園の役割の検討・再定義は避けられない。しかもそれは、市が勝手に考えてまとめるものではなく、市民や関係者を交えて検討せねばならないものである、ということです。

 

 

Q:「公立保育園の役割」について、改めてどのように議論を進めるつもりか

A:保育ビジョン策定の中で、議論を行っていただきました。その中であったご意見を引用させていただくと、「基本的には公立であろうが民間であろうと、子どもに対していくことは同じだと思っている」「子どもたちにとって保護者にとっても何が良いのかを考えてやっているので、公立・民間は関係ない」「子どもと福祉で携わるということでは、公立も民間も変わらない。めざすものとか使命というものがある」「みんなが市の子どもたちのことを考え、多様なニーズに応えようと他の園もみんな頑張っているのだから、あえて役割の違いがあるとは思えない」とご意見をいただいた。

策定委員会での議論の中で、認可保育所としての公民の役割の差はないことが確認され、これまで公立を含む役割とされたものについては、保育園という施設そのものに紐づくものではなく、小金井市が果たすべき役割として認識し、そのためビジョン自体も小金井市の保育をめざすもの・大切にしたいものを実現するためには、市が行政機関としての役割を果たしていくとの記載になったと認識している。

 

要するに、市として役割はあるが、公立保育園そのものに個別の役割はない(民間保育園と何も変わらない)という結論だそうです。

 

 

今回ご紹介部分の質問動画は、以下からご覧いただけます。

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 

 

 

…ここから色々突っ込みたいところでしたし、続きの質問もあったのですが、時間切れとなってしまいました(大変申し訳ありません)。不登校、またはこの保育の質だけでゆうに1時間できる内容でしたね…。

 

保育計画策定委員会の委員の意見はそれはそれでわかります。策定委員会の中には公立園関係者はいませんし、ある意味「公民違いはない」のは保育をする上での理念ですよね…。

 

 

 

真っ直ぐ課題と向き合い、議論を尽くして公民協働の「保育園のあり方」をまとめた西東京市との違いは、行政のレベルの違いなのか

 

西東京市では、子ども子育て審議会保育園あり方検討専門部会を構成して、かなりまとまった議論をされてきました。その検討経過や報告書を読んでますが、やるべき議論をしっかりされています。決して公立園を一切民営化しないとか、そんな話ではありません。すでに民間委託を進めていて、そこを今後は民設民営にすることや、現状の公立園をさらに部分的に民営化することも示唆しています。

 

↓左側の部分が西東京市の事例ピックアップ

 

また、最終報告書の一番最初には「公設公営保育園の役割」が書いてあるんですね。最終報告書とともに「専門部会まとめ」という資料もあるのですが、ここでも「公設公営保育園が存在する意義」が丁寧に書かれてあります。この「専門部会まとめ」の最後には次のように書かれてあります。

 

『西東京市全体の保育の充実を図るためには、公立保育園と民間保育施設が協働し、それぞれの役割を果たしていくことが重要である』

 

こういう当たり前のまとめ方になっている西東京市の事例をみて、小金井市はなぜこうなってしまうのか。…行政のレベルの違いなのでしょうか。

 

 

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